2019/04/22 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 広場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 昼時の広場は、ちょっとしたお祭りの様相を呈する。
昼休みの労働者と、それ目当ての屋台が並ぶ。
その種類も豊富だ。串肉や焼きトウモロコシ等の昼食の定番は勿論、中華饅に海鮮焼きそば、パスタ、ステーキ。中には、使い捨ての発熱魔石を利用した鍋まである。
そんな屋台激戦区を抜け、広場外周のベンチエリアにやってきた男。
席を取るにも苦労したが、幸い二人がけのベンチを取ることができた。
「さてさて、それじゃあ何から食べようかな」
抱えた紙袋を膝の上に載せて、楽しそうに悩む男。
ステーキ串と使い捨ての容器に入った海鮮クリームパスタ、揚げドーナツにサラダに餡饅と、節操なしに目につく物を取ってきた。
一人で食べきれるか少し不安だが、まあ無理をすればどうにかなるだろう。
「今日はいい天気だし、夜まで仕事もない。ゆっくりしようか」
■クレス・ローベルク > 左手で肉を食いつつ、膝の上のパスタを食べ、時折横においたサラダを摘む。
サラダの置き場所が一番他人のじゃまになるので、気持ち早めに食べ進めていくが、それでも一番手が伸びるのが肉なのは仕方ないと思う。
ちなみに、ドーナツと餡饅はデザートなので、袋ごと足元に置いてある。
「時間が大量に余るのは、戦闘系職業の特権だよなー」
というより、他の職みたく長時間連続で仕事をすると、精神的に疲労して死ぬのだが。
闘技場ではどんなに軽薄に振る舞っていても、やはり過酷ではある。
剣闘士は他の戦闘系職業に比べて死者が少ないが、それでも年単位での死者は十人を切らないのだ。
「だから、こういう時間を大切にしないとねー」
もぐもぐと、ステーキ串にかぶりつく男。
まだまだ、昼食は終わりそうにない。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 広場」にマルティナさんが現れました。
■マルティナ > ダイラスは始めてではないが、自由に買い物が出来る立場でとなると中々新鮮なものだ。
これまでは余り良い思い出はないところだが、賑わう広場で昼食を調達するだけでも結構楽しい。
もっとも、マルティナの場合視線に晒されるという事は断続的な絶頂が続くという事なので両手で歓迎出来る事ではないのだが。
格好が格好だけにかなり注目されるし奇特の目で見られているのも仕方のない事だろう。
それでも何とか昼食を調達し、座れる場所を求めて視線を巡らせていると何とか座れそうなベンチが。
先客がいるのは仕方ないが、お邪魔させてもらうとしよう。
「お隣、失礼しますよ」
やっと一息つけた。
連続射精も一段落したのか、これならちょっとは落ち着いて食事が出来そう。
もう随分大きくなった丸出しのお腹を愛おしそうにさすりながら、サンドイッチを一つ取り出すと、豪快にとはいかず少しずつ品良くかじり始める。
こんな場所でこんな格好ではあるが、見る者が見ればそれなりに品性や教養の香りが漂う仕草だ。
その点先客の男性は、大分ここの雰囲気に溶け込んでいるといえるだろう。
それに対し巨根ふたなりで妊娠しており、痴女のような格好だが品のいいというマルティナは何もかもがちぐはぐである。
そんな事を思っていると、少し視線が合ったような気がする。
まあこの姿では気にするなという方が無理ではあるが。
■クレス・ローベルク > 食事をしていたら、いきなり声を掛けられた。
別に意外でもない。元々、何時かは譲ろうと思っていたのだ。
大分減っていたサラダを無理矢理掻き込んで飲み込み、許可の一声を掛けようと頭を上げる。
「……お、おおう?」
そこに居たのは、何というか凄まじいふたなりだった。
ふたなり自体は、男も闘技場で何度か手合わせをしているが、その格好が凄まじい。
何せ、隠しているのは局所だけである。っていうか、よく見ると竿は隠れているが玉は隠れていない。その癖、何故か靴下は履いているという矛盾ぶりだ。
流石に呆気にとられたが、しかし此処はダイラスである。そういう趣味もあるだろうと考え直し、
「……ど、どうぞ」
とややどもって席を詰めた。
流石に気になってちらと横目で見るが、意外な事に食べ方自体は普通……どころか、普通に品が良い。
勿論、貴族にだって、寧ろ貴族にこそ変態は居るが、それでも人目を気にしている様なちぐはぐさが、少し気になった――所で目が合う。
「……あー、その」
何となく、目が合ったので何かを言わないといけない気がした。
とはいえ、そんな目立つ格好をされて、見ていたのをこちらが謝るのも変だし、かといって格好自体は人の自由だ。抗議するのも違うだろう。
だから、男は取り敢えず、無難な話題として、
「今日はいい天気、だね?」
取り敢えず、雑談の話題の王道を切り出してみることにした。
■マルティナ > サンドイッチを食べ終わると口元をハンカチで拭う。
普段ならこのぐらいでも十分。
それどころか多少食事を抜いたところで絶食にも慣れているし平気なのだが、お腹の赤ちゃんの事を考えるともっと食べた方が良さそう。
そこで一応確保しておいた魚の揚げ物も取り出した。
栄養価はかなり高そうだし、おいしそうな匂いもする。
妊娠すると食事の好みが変わる事が多いらしいが、今の所マルティナにとってはこの香りは食欲を誘う美味しそうな香りのままだ。
と、そこで隣の男性から声をかけられた。
わざわざ話しかけてくるとはと、少し驚くが動揺などは見せず。
「ええ、とっても。
気持ちの良いお日様ですね」
加護により寒さも平気だが、暖かければ気持ちが良い事に変わりはない。
特にこの格好では日差しも文字通り全身で感じられるし。
超露出ファッションのささやかな利点といえるかもしれないが、それはあまり嬉しくない。
とりあえず愛想の良い笑顔で応じると、手元の魚に一口かじりつく。
指が油で汚れるが、そういうものらしいので後で拭おう。
単純に鮮度の良い素材なのだろうか、シンプルながらいくらでもいけそうな美味しさだ。
■クレス・ローベルク > 「うん、こんな日は、一日のんびりしたくなるよ。
仕事がキツくてさ。剣闘士なんだけど、毎日が命がけで、こういう時間でもないと擦り切れそうだよ」
同じくこちらも笑みで少女に話しかける。
普通に、感じのいい笑顔で返してきた。
ということは、少なくとも、社会性はある。
見た目ほど警戒しなくても良いのかもしれない。
巨根や衣裳、それに妊娠姿のインパクトで薄らいでいたが、可愛らしい少女ではあるし、約得と思うべきか。
「にしても、凄い格好だね。
お腹の中には子供も居るようだし……えーと、気を悪くしたら謝るけど、娼婦さんかい?」
やや失礼だが、しかし隣に座られてしまえば、どうにもその格好の理由が気になってしょうがない。
怒られるのを覚悟で、聞いてみる。
■マルティナ > 話してみると中々感じの良い青年。
といよりもこんな格好の自分とまともに会話出来る辺り実は感性がぶっ飛んでいるだけなのかもとはちょっとは思ったが、こういう時間は中々悪くない。
そして非常に直球の疑問をぶつけられれば、思わずクスクスと笑いだしてしまって。
「それは、まあよく言われますので。
冒険者なのでカタギと云える程ではないのですが」
尤もな疑問という事はよく理解しているので、今更気を悪くする事もない。
相手が気を遣っている事も様子を見れば分かるので。
「何となくですけど、同業者かなと思っていました。
……剣闘士というと、ハイブラゼールの闘技場でお仕事を?」
それほど馴染みのない職業、剣闘士。
奴隷階級で強要されている者もいるらしいが、目の前の青年はそういう感じではないので職業選択をした上でわざわざ、という事だろうか。
何にしても、今のマルティナにとっては少し気になる情報。
というのも、闘技場への出場を考えていたところなので。
危険はあるが命を取られる事は事故でもない限りそうそうはないし、何より商品や賞金は魅力である。
妊婦が出場となれば非常にレアケースだろうし盛り上がる事だろう。
交渉次第では賞金とは別にファイトマネーも期待出来るかも知れない。
子供や家族の事を考えると、お金は動ける内になるべく稼いでおきたいのだ。
■クレス・ローベルク > まさか、笑われるとは思わなかった。
てっきり、怒られるのかと思ったが、所作に反して精神が強い。
話しやすく、常識もある。少なくとも、遠ざける必要はないなと判断できるが
「何故よく言われるのにそんな格好を……?っていうか、冒険者って事は戦えるのか。そっちの方も意外だけども」
聞けば聞くほど、良く解らない子である。
変態格好であるが所作は淑女的であり、その癖お嬢さんというわけでもなく職業は冒険者。
人外というわけでもなし、どんな人生を送れば、この年齢でこんな濃い人間が出来上がるのかと首をかしげる。
男がうっかり、人生の妙について考えていた所、今度は少女から話を振られた。
「ん、まあ、冒険者も副業でやってるから、当たりではあるよ。
まあ、でも本業は君の言う通り、アケローン闘技場での仕事だね」
世間話の一環かとも思ったが、それにしては少し食いつきが良い。
意外ではあるが、しかし彼女が冒険者であるという情報を加味すると、突拍子もないという程ではない。
冒険者が闘技場に興味を持つという事自体は、良くあることだ。
戦いの参考にもなるし、賭けもできる。勿論、出場して勝利すれば、賞金だって貰える。
依頼と同じく、多額の収入を得られる、解りやすい手段なのだから。
尤も、男が想定するのは、主に前二つの手段で、まさか彼女が出場を検討しているとは思っていないが。
「興味があるかい?闘技場に。
まあ、身重だから出場は難しいだろうけど、戦闘スタイルを見たりするのは参考になるし、賭けぐらいはできるしねえ」
なのでまあ、折角なので、相手の聞きたいことを聞きやすくしようと、男は話の舵をそちらに向ける事にした。
仕事の話をするのは、何だかんだ嫌いではないし。
■マルティナ > またもやクスクスと笑みが溢れる。
だが格好についてははぐらしたままで。
「ふふふっ、それもよく言われます。
でも結構私、強いんですよ?」
冗談めかしたような真偽不明な言い方だが、人間の中ではかなり強いという自負はある。
魔法に関しては魔力も才能もあり結構なもの。
専門家程ではないが白兵戦も素人では相手にならない程度には修めている。
難点は、敏感に開発されすぎた体は快楽攻撃に異常なまでに弱く、戦う相手はかなり選ばないとあっさり屈してしまう可能性が高いというところだ。
「興味といえば興味ですねぇ。
臨月までになるべく稼いでおきたいですし、出産後も蓄えが多ければ安心ですからね」
出場するかはぼかしながら、彼の言葉に頷く。
実際に出場するとして、剣闘士とはいえ彼と対戦が組まれる可能性は低いが全くのゼロではないのだし。
意識や警戒させて対策を練られればそれだけ損である。
魔法が得意とわざわざ言わずに伏せていたのも一応はそのため。
だがまさかこのナリで出場するとは思っていないらしく、その思い込みを利用して少し情報を聞き出してみようかと。
「ところで、魔法使いとかは出場出来るんですか?
使い手によっては街を吹き飛ばすような大魔術だってあるといいますけど」
聞かずともある程度は推測出来る。
こんなものがあっては賭けも試合も成立しないし、余程の事がなければ禁止か封印されるであろう。
だが実際どの程度のレベルで対策されているのかは、現役の剣闘士に聞いておけば出場した時のイメージもつかみやすい。
一応、闘技場自体は出場経験はあるが条件を勝手に設定されたり、その当時は魔法が殆ど封じられてたりで大規模魔法への対策は具体的にどうかは知らないし。
■クレス・ローベルク > 「(ふむ……)」
はぐらかされれば、それ以上問うこともないだろう、と男は思う。
元々、下世話と言えば下世話な探りだ。
怒られないだけ感謝すべきだろう、と思うが、それにしても。
「へえ、強いのか。確かに、そう言われてみれば……」
内に結構な魔力を感じる。
具体的な容量を測るのは、今の精神状態では難しいが(魔力を感知するのは結構な集中力が必要だ)少なくとも言うだけのことはあるのだろう。
「ああ、確かに稼ぎ頭が他に居ないと、自分で稼ぐ必要があるもんね。
それで闘技場はどうかと思うけど、妊婦さんじゃ仕事のアテもなさそうだしね」
その身体で金を稼ごうという意欲は、正直感嘆するものがある。
今から成るとはいえ、母は強しと言った所か。
そういう事ならば、情報を提供するにやぶさかではない。
僅かながら真剣に、彼女の質問に答える事にする。
「魔法使いの出場は可能だよ。派手な魔法は、客受けもいいしね。華のある試合が欲しい時は、運営も優先的に試合に出す。
ただ、十全に魔法を使えるかと言うと、難しいと言わざるを得ないな」
と男は語る。
そして、持っていたステーキ串を一息に飲み込み、串を紙袋に入れて咀嚼。
飲み込んでから、指を二つ立てて、
「理由は二つ。一つは、ルールの問題。闘技場では、対戦相手の殺害は禁止だ。これは、『殺すつもりは無いが、死ぬのが明らかである攻撃』も含まれる。
ルール上は、『街を吹き飛ばす大魔術』も使用はできるけど……それを使って死なないように手加減するのは、相当厳しいでしょ?」
だから、『できる』けど『誰もやらない』が正しい。
わざわざ大魔法を手加減して撃つぐらいなら、普通に炎の玉なり衝撃波なり撃てば良い。
そういう意味では、ルール自体が魔法使いを制限しているとも言える。
「そして、もう一つは、アレだ。運営サイドの問題。
特に呪い系は、『観客も良く解らない初見殺しで何も出来ずに相手は気絶!』が起こりうるからね。
そういうのを使う選手の場合は、運営側が発動体を取り上げたり、魔法封じの薬をこっそり飲ませたり、まあそういう事をする
君も、凄い強いって前触れの魔法使いに賭ける時はきにしたほうが良いかな」
とはいえ、これは魔法に限らず、毒使いや暗器使いも似たような事が起こりうるが。
瞬殺は、実戦では有効だが、闘技場ではご法度なのである。