2019/03/27 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 修練所」にロズさんが現れました。
ロズ > 「実戦形式ね。軽くでいいなら付き合うが」

それまで飛んだり跳ねたり軽業のようなことをしていた男。
声を掛けられれば手にしていた長剣を肩に担いで休めの姿勢をし、気安く請け負った。

「こちらとしても願ったりだ。決着は?」

一撃先取か。それ以上か。それとも互いの気が済むまでの無制限か。
この辺を疎かにすると泥試合になりかねない。

クレス・ローベルク > 練習といえど、実戦形式であるならば、実力差は近い方が良い。
機敏な彼の動きを見る限り、少なくともあちらが実力不足で成立しないということはないだろうという確信の上での誘いであった。
それを引き受けられれば、男は安堵したように笑い

「勿論。練習で怪我してもつまらないしね。真面目にやってくれれば十分だ。
決着については……そうだな。無制限だとかえってダラケたり、逆に意地になるかもしれないから……『一撃当てたら仕切り直し。その後、もう一回やるかどうかは決める』でどうかな?」

どちらかというと、試合剣術に近い練習方法だが。
初対面同士でやるならば、最初の練習はこんなものだろう、と提案してみる。

ロズ > 「いいね。おあつらえ向きだ。それでいこう」

仕切り直しが出来るというのは実に良い。
相手の手を知ってそれに対処をする時間がある。良い勉強になる。
初対面なこともあり気を遣ってもくれたのだろう。中々のやり手だな。

「ところであんた、剣闘試合で――」

ヒュッ

まるで小枝でも振るうように、殺気も予備動作もなく、男の小手を斬って落とそうと。
長剣の刃は潰してある。もし当たっても滅多なことにはならないはずだ。

クレス・ローベルク > 取り決めがあっさり決まって、じゃあこれから改めて試合開始するか――ぐらいに思っていた所で。
いきなり、こちらの試合について触れられた。

「うん?」

自己紹介もしていないのに、もしかして闘技場のファンなのだろうか――などという思考とは別に、反射的に身体が動いていた。
腕を蛇のようにくねらせ、最小限の動きでロズの剣筋から外し、そのまま腕で、ロズの剣を側面から払いのける。

「あっぶなっ!」

ロズの身体が横に流れた隙に、こちらは二歩下がって剣を構える。
構えは、剣を胸の辺りに構えて、切っ先を上に向けるスタンダードな構えだ。

「いや、驚いたよ。危うく一瞬でケリがつくところだった。
じゃあ、今度はこっちから行くよ!」

そう言うと、腰の高さを変えずに、一直線に踏み込む。
そのまま、ロズの胴体を両断する構えに入る――実際には、彼の剣には魔法がかかっているため、両断はされないが、それでも勢いのある鉄の棒で殴られれば、結構な痛みはあるだろう。

ロズ > 「やるぅ」

実戦というからには不意打ちだって一つの手だ。
最小限の動きで剣を払いのけられながら軽口を一つ叩いて、微かに頷きを返す。
そう、知ってるさ。あんたのこと。賭けの対象として。仲間と観戦すると盛り上がるんだこれが。

「媚薬デスマッチ最高でしたぁッ!」

軽口をもう一つ叩きながら長剣を引き戻す。体の横に振りかぶって同じく一直線に踏み込んだ。
鉄の塊がぶつかり合う耳障りな金属音。しかし剣と剣は揺れもしない。痺れる程の衝撃もない。
等しいだけの力をぶつけて相殺したのだ。そこから、鍔迫り合いへと持ち込む。

「オオオオォォッ!」

膂力には自信があった。魔物の如き力で刃を相手の剣ごと押し込んでいこうと力試す。

クレス・ローベルク > 「そりゃどうも!でもそういうのは公共の場で言うのはどうかと思うよ俺は!」

まさか、こんな所でファンとの交流が行われる事になろうとは。
人生とは何があるかは解らない。
だが、それとは別に、戦闘そのものは予想通りに進行していた。
動きが解りやすい長剣で戦っている以上、基本的にお互いの初太刀は受け止められるのが前提。

「なんだけど……っ!」

"重い"。
鍔迫り合いの形に持ち込まれ、一見お互いが五分のように見えるが、あちらの膂力が半端なさ過ぎる。
押し込まれるように、身体が後ろにずり下がっていく。

「(こりゃ……やばいな、想像以上だ……!)」

ロズ > 「それもそうだな!」

場所が場所だ。何事かと集まる視線が痛い。どうか忘れて練習に戻ってくれ。頼む。
さて、戦況はこちらの有利に傾いた。ここまでくればやることは決まっている。

「せっ」

一度強く押し込んでから一気に引いた。鍔迫り合いの基本。体勢を崩させる。
あとはそのまま脇を潜り抜けながら、横に振りかぶった剣の刃で脇腹を撫でていけばいい。
ゆるりとした動作で、しかし自身の最速で動いた。どうなる。

クレス・ローベルク > 「うおっと!」

見事に受け流され、身体が前に流れる。
とはいえ、そこで硬直はしない。
そして、同時に固執もしなかった。男は、即座に剣を捨てると、更に一歩を踏み込み、腰を落とし、その腕でロズの頭部掛けて肘打ちを放つ。

「(まさか、練習のつもりがこんな曲芸をするハメになるとは……!)」

とはいえ、これはカウンター。
肘が直撃するより前に、ロズの撫で斬りが入れば、それで決まってしまう。
勝負は未だ、こちら不利と見えた。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 修練所」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 修練所」からロズさんが去りました。