2019/02/16 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 大通り」にホアジャオさんが現れました。
ホアジャオ > 天は相変わらず高く薄い水色で、それでも午後に入ったばかりの陽の光がやや温かみのある光を投げかけている、少しだけ季節の移ろいが伺える日。
冬の冷たい乾いた空気と、海からのやや湿った風とが混ざり合う、船着き場から歓楽街へと伸びる大通りは、いつも通り様々な人種性別、大きさ形の人々であふれている。

船着き場へ向かう人、歓楽街へと向かう人それぞれでごった返すその路の端で、縁石に腰掛けた女がひとり、頬杖を付いて流れる人々を眺めていた。

ホアジャオ > 今日は午前中の内に、首尾よく一般人を脅しているゴロツキをとっ捕まえて、お礼とカツアゲ…ではなく、『迷惑料』を巻き上げたおかげで、懐はそこそこあったかい。

(後は今日の仕上げに、喧嘩相手が見付かれば最高なンだケドなァ…)

なんて都合のいいことを考えて、自分が知っている中でも色々な人を見渡せる大通りで、喧嘩相手の物色中だ。
当たり前だがそう都合のいいことはなく、女の眼鏡に叶いそうな人影は見付からないまま早々に飽きてきて…細い目の瞼が半分落ちそうになっている…

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 大通り」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 歓楽街へ続く道を、遡る様に歩いてくる男。
少しばかり不機嫌そうに眉根を寄せて、それに気付く度に眉根をもみほぐし、はあ、と溜息をつくのを繰り返していたが、見覚えのあるカンフー姿の女性を見つけると、

「おお、ホアジャオじゃん。タナール砦の近くで会ったぶりだね」

と手をあげて近づいてくる。
先日に出会い、喧嘩の末に衣服を破いたり頭をしこたま殴り蹴られたりした仲である。
先程の不機嫌そうな表情を何処かに吹き飛ばしたように、笑顔で近づいてくる。

ホアジャオ > 頬杖を付いた顔の紅い唇が半開きになって、ゆっくりと傾いて…かくっと落ちかける直前。自分の名前を呼ばれた気がしてびくっと顔を上げる。

「!?……アレ、アンタ…クレスだッけ?」

きょろきょろして近付く男に気付くと、久しぶりィ、と紅い唇が三日月に笑う。そうしてひそかに口の端をぬぐい

「頭の調子どォ?相変わらず?」

けらっと笑って、縁石に後ろ手を付いて座ったまま足を投げ出した。

クレス・ローベルク > あ、もしかして居眠りでもしていたのか、と男は少し申し訳なく思った。
とはいえ、あちらが文句を言ってこないということは、気にしてないか、気にしてほしくないかのどちらだろうと思う。

「そう、剣闘士のクレス・ローベルク。
頭の方は相変わらずだけど、君の服を買ったせいで一時期懐が寒くはなったかな。……君の服結構いい値段するんだね。びっくりした」

と苦笑する。
相変わらず、物怖じしないというか、抜け目のない癖に妙に子供っぽい。
それにしても、

「何か手持ち無沙汰っぽかったけど、暇な感じかい?
俺も今日の仕事が急にキャンセルになってね。
良ければ喧嘩なり飲みなりで、遊んでくれると助かるかな」

対戦相手の奴隷の子が急に体調崩してさ――と溜息をつく。
どうやら、男の方もまた、暇な人を探していたようで。

ホアジャオ > 苦笑する顔に投げ出した足をそのまま組んで、ふふんと口を尖らせる。

「そォだよ。次からは気を付けてよね…」

破かれて必要だったのは上着だけだったが、上下一そろいと他に外套も一緒に買ったのは内緒だ…
暇か、と問われると眉を上げて首を傾げる。

「暇ってェか、喧嘩相手物色してたンだよ。…相手ンなってくれンの?」

細い目を更に細めると、紅い唇の端が上がって、頬が紅潮していく…
そうしてぴょんと立ち上がると腰に手を当てて

「今日はどォする?また獲物アリ?場所もココじゃァまずいよねえ?」

男の顔を覗き込むように首を傾げた。

クレス・ローベルク > 一応、男の方も念の為、購入品を確認している。
それは彼女を疑ったと言うより、万が一手違いで彼女とは別の誰かの代金を支払ったら不味いという意味での念の為。
しかし、上着どころかよもやワンセット全部ツケていたとは思いもしなかった。
とはいえ、男の甲斐性としてそれぐらいはと全額支払ったのだが、

「(まさか悪びれるどころか動揺もしないとは……)」

ちょっと年上として心配になるレベルの強かさだ。
とはいえ、説教をくれる立場でもなし。
ホアジャオが立ち上がり問うと、男もふむ、と顎を撫でる。

「流石にこれだけ人通りが多いとね……
近くの路地裏に、割と開けた場所があるし、そこでやろうか。
獲物は……君に任せよう。俺は素手でもそれなりに戦えるしね」

ついてきて、と言うと、少し離れた所にある脇道に案内する。
暫く歩くと、まるでそのスペースを作るために建物を敢えて作りませんでした、とでも言うような、真四角の開けた場所に出た。
よく見ると、路地裏を構成する建物の一つは、大きな酒場になっている。
恐らく此処は、搬入用のスペースなのだろう。

「今の時間は、誰も来ないから、此処なら存分にできるよ」

と、広場の中心に立って男は言う。

ホアジャオ > ついてこい、という男の後を上機嫌に、弾むような足取りで付いていく。そうして辿り着いた開けた場所にぽかんと口を開けて

「哎呀(あれまあ)…おあつらえ向きだねえ?」

良く知ってンね?と微笑うと、腕を組んで視線を落とし少し考え込む。
しばらくそうして、かくりと首を傾げて男を見た。

「…じゃァ、今日は素手でいい?前とおンなじってェのも興がないだろ?」

クレス・ローベルク > 「剣闘士の間では、時に殴り合いでなければ解決できないアレコレが発生するのさ。
例えば美人の女選手が試合に登録してきた時に、誰が彼女と戦うのか、とか」

そういう意味じゃ、君も闘技場に来たら俺達の争いの火種になりそうだが、と苦笑する。
尤も、男は闘技場に囲い込まれている立場なので、試合を選べる立場であることは少なかったりするが。

「成程、確かにそのとおりだ。
俺としても、素手での戦いはあんまりないしね。いい機会だし、練習しておきたい……と、じゃあ、ちょっと待ってて」

そう言うと、一旦隅に行って剣と、それから硝子でできた薬瓶の様な器具を置いてくる。
そして、準備運動と言うかのように、肩を回しながら戻ってくる。

「じゃあ、前と同じで、君の一撃から始めよう。
前負けておいて恐縮だけど、仕事の訓練も兼ねてるんで、付き合ってくれると助かる」

そう言うと、半身になって腰を落とし、右手を彼女の眉間に対して向ける。そして、左は身体に添える様に腹に。
右で払いや突きを担当し、左はいざという時の為に取っておく構えだ。

ホアジャオ > 「ヘーエ?アタシだったら全員でも相手してあげるのにねえ?」

闘技場は行かないケドね、と付け加えて男の言葉にけらっと笑った。
男が準備をしている間、その場でぽんぽんと跳ね、腕を片方ずつぐるんぐるんと回して準備運動めいた動きをする。それから男の言葉に、紅い唇を尖らせて細い目を更に細くした。

「ホント…懲りないねえ?」

言葉を紡ぎ終えるが早いか、構えもせずにたん、と地を蹴った。
瞬きの間に男の懐に飛び込む…寸前で軌道を僅かに逸らして横を擦り抜ける。

「アタシもちょッと…実験!」

そうして片足を踏み込むと背後に回り込むように身体を滑り込ませ、男の膝裏に向かって身体を沈めながら横から弧を描いて蹴りを放った

クレス・ローベルク > 「仕事熱心だと言って欲しい……とおおお!?」

まるで逆巻く風の様にこちらの背後へと回る女。
足の動きは金的や後頭部を狙う振り上げの構えではないと見るや、男は後ろに跳んだ。
所謂、"バク転"の動きだ。ホアジャオの蹴りを飛び越えるように、倒立を経由して直立の体勢に。

「回避性能だけなら、両手が開いてるほうが断然上だもんね……!」

お返しとばかりに、今度はホアジャオの背中を蹴り飛ばすように、飛び足刀。
腰の捻りを加えた蹴りは、当たればただでは済まないだろう。

ホアジャオ > 飛び越して蹴りを避けた動きを目で追いながら一瞬口を尖らせるが、そのままうっすらと笑みに変わる。

「そォこなくちゃね…!」

回し蹴りを放った勢いのままぐるんと地を転がって男に向き直った。
次には男のほうから此方に向かい跳び、足刀を放ってくる。
その鋭さに更に笑って

「中々いいの持ってンじゃァないの!」

膝をついた姿勢からぽおんと前転しながら高く飛び上がって男の上を飛び越え――身体が交わる、その瞬間に後頭部に向かって踵を振り下ろした

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 大通り」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ホアジャオ > 【継続予定です】
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 大通り」からホアジャオさんが去りました。