2019/02/03 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 商店街」に徒綱さんが現れました。
■徒綱 > 不夜城。そう呼ぶのが正しいハイブラゼールだが、それでも店の流行り廃りは存在する。
冒険者によりもたらされた好景気や人々の流行、そういうものに乗れなかった店は淘汰される。それもまた人の世の常というものだ。
そうやって主も逃げ出し、次の主人が入るのを待ちわびるような寂れた店。かつては飲み屋だったであろうその扉に動きがあった。
ほんのわずか、瑠璃色に輝いたかと思うと、その扉が不意に押し開けられたのである。
「……よし。さほど問題はない、な」
薄い笑みを浮かべ、扉を押し開けたのは涼やかな佇まいの男である。
欲望のたぎる町にはやや不釣合いの、その空気を味わうような風体で表情をほころばせ、扉を閉める。
彼の背後では、小さな光を放っていた扉がその役割を終えたかのように、瑠璃の輝きを落としたところであった。
■徒綱 > ふう、と息を吐き出し。そのまま周囲を睥睨する。
人々の流れを何とはなしに見ている姿は、どことなく風流という言葉が似合う佇まいではある。
ただし、人々の欲が渦巻くこの場所ではそれが悲しいほどに浮いてしまっているのが悲しいところではある。
「ふむ。こうなると煙管でも持ってくるべきだったかな」
薄く笑いながら、ともかくどことはなしに歩き出す。客引きの声を聞こうともせず、商店に並んでいるさまざまな物に目をやっている様はこういう場所では浮いているだろうか。
■徒綱 > ひとしきり周囲を見やり、納得したのか、ひとつの店に入る。
おそらくは遊女が使っているであろう店の一軒で一通りの交渉を行い、そうして納得したのかひとつ商品を買って帰ってくる。
「まあ、最初はこんなところであろうな」
くつりとひとつ笑いながら、今日買っていった香水のビンを少しの間、手でもてあそぶようにして数度眺め、その状態を確認すると。
再び夜の街に消えてゆく。その後彼が何をどうしたのかは、また別の物語としようか。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 商店街」から徒綱さんが去りました。