2018/11/23 のログ
クレス・ローベルク > 「あー、一般の人が思ってる職業のイメージと実際が違うって良くあるよね。剣闘士もあれ、どっちかっていうと戦士って言うよりサーカスの芸人に近いんだけど、普通に戦う人ってイメージが強いし」

そういう意味じゃあ、誤解されやすい職業同士なのかなあ、錬金術師と剣闘士って、等と呟きつつ。
それにしても、と男は思う。本当に一々動作がエロい。もしかしてこれは誘っているのでは、と思うが、しかし単純に男性側の見方の問題かもしれないと思うと、軽々に踏み込むのも難しい。

「(まあ、そもそも変にナンパとかして、貴重な教師を逃したら目も当てられないし)」

そう思い、むしろ真面目に話を聞こうと、姿勢を少し前のめりに。

「お金はなあ。金額にもよるけど、然程余裕がある訳じゃないし……取り敢えず、そうだな……。そういえば、最近だと、魔法の銃に苦戦することが多かったな。何だかんだ、物理系の魔法に当たること多いし……その辺、何とか出来る?」

そういえば、自己紹介がまだだった、と頭を掻いて。

「俺は、クレス・ローベルク。剣闘士だ。お嬢さんのお名前を聞かせてもらっても?」

フランネル > 「フランネルですよ。肩書は錬金術師です。
 それじゃ、クレスさん。そういう直接攻撃系は、結局魔法防御がないとダメです。
 何か魔法の武器をお持ちなら、矢を弾く感じで弾けますけど。
 どうしてもだめな時は、個人の精神力頼みですね。
 集中力で、魔法の影響をいくらか逃れることができます。
 ちょっとしたコツがあるんですけど、えーと……。そうですね」

 ううん、と、小さく唸ってから、何か悪戯でも思いついたような表情を見せると、
フランネルは一度くつろげたローブの裾を引き合わせた。その中でごそごそと手を
動かしながら、ふふ、と、笑って。

「たぶん、視線経由が一番簡単だと思います。
 防ぎたい魔法、無効にしたい魔法をじっと見て、頭の奥からそれに視線の光線を
 ぶつける感じです。ちょっと練習と思ったんですけど、攻撃術は危ないですから
 こういうのはどうです?」

 言ってからローブの前を開きなおすと、す、と、唇で笑みの弧を描く。
 そこには、先ほどと変わらぬ黒いワンピース。だが。

「……ふふ、一見さっきと変わらないですけど、
 実はいまわたし、上はローブだけです。
 ワンピースと、ブラウスと、下着を別々の幻術で作ってます。
 こういうご褒美があったほうが、力入るでしょう?」

クレス・ローベルク > 「フランネルさんか。ふむ、精神力……。確かに、前に戦った魔法少女も、精神の状態で、大分魔力の流れが変わっていたしな……成程一理ある」

頷くが、しかしフランネルが何やらローブを閉じてごそごそやると、首を捻る。あの笑み、どうも嫌な予感がするなあと思いつつ。

「あー、何か視線で呪いを掛ける奴とか居たなあ。それの防御版みたいな奴か。ん?練習って言ったって、何か目から物理的な物出さないと確認できない……ってえ」

思わぬ言葉に固まる。
完全に痴女の行いだが、フランネルの振る舞いは何処か貴人の様に上品であり、その服の中を覗けるというのは、涎が出るほど魅力的な訓練だ。しかし、

「いや、確かに気合は入るよ?すっごい入るよ?でも、良いの?俺すっごい集中しちゃうけど。まず間違いなく今日中に物にして帰るけど」

既に、目を皿にしてフランネルの双球を舐め回すように見ている男。
最早スケベ心を隠そうともしない。

フランネル > 「アプローチは色々ですけれど、人が使う魔法なら、
 精神の力がどうしても基礎になります。
 その基礎の部分に自分の精神の力をぶつければ、その上に建ててある魔法を
 揺らがせて効果を弱めたり、力の具合によっては消し去ることもできるですよ」

 両手でローブの裾を支え、からかうような笑みで彼を見つめながら解説を続ける。
 その相手の視線を、それこそ魔法のように自分の胸元に吸い寄せながら、フランネルは
ゆっくりとひとつ頷いてみせた。

「ふふ。ダメだったら、最初からこんなことしないですよ。
 でも、やるんだったら早めにね?
 ほんとは裸ですから、実はちょっぴり寒いですし……」

 言う間にも、彼の視線には相当の精神力がこもっているのか、黒いブラウスの生地は
うっすらとぼやけて、その下の白いブラウスが透けて見えつつあった。1枚目の幻像を
早くも打ち破る勢いのその力に、まあ、と、少し呆れたように、だが楽しそうに。

「ほら、がーんばれ、がーんばれ。ふふ」

 幼子を応援でもするかのように、少しからかい混じりに。

クレス・ローベルク > 「成程。魔法相手にはまず精神を揺らせ……か」

したり顔でつぶやいているが、既に視線は胸元に行っている。
これは絶対に物にしなければならない。
そう、現に一枚目が見え……

「ぐ、ぐぬぬぬぬぬ……!」

集中。というか、最早怨敵でも睨むかのように、男はブラウスを凝視していた。
ワンピースの色素が薄れ、徐々に透明度が上がり、中のブラウスがほぼ完全に見える。だが、男が用があるのは、最低でも後一枚後ろなのだ。

「く、おぉぉぉ、そういうからかうような事言うな現実に戻るからああああ!」

と何かを振り払うように首を振りながらも、視線はあくまでも胸。
力強く見続けるその執念が実ったのか、白いブラウスも少しずつ、色が透けつつある。

「後もう一枚……いや、こうなったら絶対生おっぱいを拝んでやるぅぅぅ……!」

既に尋常ならざる男の凝視に、周りの客が若干引いてたりするのだが。
知らぬは男ばかりである。

フランネル > 「あん。これぐらいで集中乱しちゃダメですよ。
 戦いの現場のことはわからないですけど、
 闘技場はもっといっぱい気が散るものがあるんじゃないんです?」

 もはや黒のワンピースの上半身部分は残っていない。
 冬用の厚手のブラウスも、真夏用のように下の肌が透けつつあった。
 次第次第に露わになる、豊かな丸みと深い谷間。そして、その半ばから下半球を覆う
薄桃色の扇情的なレースをあしらった下着。じわじわと脱がされるような状況に興奮を
憶えているのか、目元に朱をほんわりと登らせながらフランネルは密やかに笑った。
 周りからは、両手でローブを開いているその中を彼が覗き込んでいる光景。あまりの
気合の入れように、その内側がどうなっているのか気になったのか、客たちはそれぞれ
席で背筋や首を伸ばして様子をうかがっている。

「ふふ、すごいすごいです……。このままじゃ、ほんとに裸にされちゃうかもですね。
 クレスさんたら、えっちなんですから……」

 ブラウスが透けると、薄桃色のブラジャーの他に、薄い腹の白い肌が見えてくる。
 そこで、くふ、と、フランネルはまた悪戯っぽく笑って彼に視線を投げた。

「ね、クレスさん……。ワンピースの上半身だけ幻像って、変だと思いませんでした?
 こっち、本物だと思います?」

 訊ねながら、ちょいちょい、と、ローブの端を握った手の人差し指だけでスカートの
部分を示して見せる。

クレス・ローベルク > 「それはそうだけどオオオオ!」

とはいえ、男の執念と言うべきか。
遂に、ブラウスの奥の、最後の一枚に手が……いや、目をかけた。
此処までくれば、最早集中を乱すことはない。っていうか、目が釘付けになって他のものなど目が入らない。

「乳首来い乳首来い乳首来い乳首来い……!」

東国のネンブツでも唱えているのではというレベルの早口でぶつぶつと呟きつつ、これ以上無く汚れた精神集中。しかし、そこに、悪魔のささやきが。

「え、まさ……ああああっっ!」

人差し指の先に視線が行った瞬間、集中が途切れた。
今まで透けていた黒のブラウスもその色彩を取り戻し、彼女の肉は完全に男の視線から遮断された。

「ち、畜生……俺がエロかったばかりに……エロかったばかりにエロい目に遭えなかった……ッ!」

拳を握って悔しがる男。こらえてはいるが目には一筋の涙が。

フランネル > 「あら、残念……。
 ふふ、でもコツは掴めたんじゃないです? クレスさん」

 おかしそうに笑いながらローブを支えていた両手を離すと、舞台の幕が下りるように
その裾がふわりと閉じる。まだかろうじて湯気を上げているコーヒーカップの持ち手に
ほっそりとした指を通すと、それを唇に寄せてくいと一口。

「はふ……。ああ、ちょっぴり体が冷えちゃいました。
 とりあえず、それだけの集中力があれば、
 並の魔法使いの術ならそれなりに防げると思いますよ。
 あとは……
 んふふ、相手の魔法使いさんが、露出度の高い衣装を着てなければいいですね?」

 くすくすとおかしげな、からかうような笑いは止まらない。
 そうしながらコーヒーを飲み終えると、そこでフランネルは席を立った。

「それじゃ、わたしは今日はこのあたりで失礼しますね。
 もしまだ練習したいなら、わたしのアトリエまでどうぞです。
 ……その時は、たっぷりまた個人授業してあげちゃいますから、ね」

 ローブの胸元で軽く手を振り、フードをかぶりなおす。
 そして、フランネルはゆったりとした足取りで、店を後に――。

クレス・ローベルク > 「うう、確かに、コツは掴めた。それは本当に有難う。助かった……」

意気消沈しながらも、何とか取り繕って元の表情に戻る。
ちょっと肩が落ちているのは、ご愛嬌と言ったところか。
身体が冷えたと言われれば、男も少しバツが悪そうに

「ああ、それは本当にごめんね。俺が言えた義理じゃあないけど、風邪とか引かないように……ってそれは言わないで。俺だって恥ずかしいことしたとは思ってるんだから……」

別に蔑まれている訳でもないと思うが、つい顔を赤くして反らしてしまう。
そして、女性が席を立つのを、男は座って見送った。
まだ、読書を続けるつもりのようだ。

「ああ、今日は本当に有難う。
うん、練習……もだけど、お礼も兼ねて、おみやげでも持って。
……本当に最後までからかうんだから、全く」

最後に少し拗ねた表情で、彼女を見送る。
再び本に目を落とすが、果たして男は集中できたのだろうか――

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 海沿いのカフェ」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 海沿いのカフェ」からフランネルさんが去りました。