2018/11/22 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 海沿いのカフェ」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 何時もは王都でお茶を楽しむが、今日は少し気分が違った。
なんとなく、海を眺めていたい気分であったのだ。
そんな訳で、ダイラスの海沿いのカフェに来ていた。

今日は快晴で、海も凪。
遠くから微かに聞こえてくる波の音を聞きながら、静かにコーヒーを楽しむ。

「ふぅ。まあ、そうは言っても、読書はしないとなんだけどね……」

最近解読中の魔術教本、『魔術概論Ⅰ』を取り出し、読み込む。
今日は静かな一日に、なりそうだった。

クレス・ローベルク > 取り敢えず、第一章の基本的な理論は解った……と思う。
自信はないし、実経験から外れる部分もあるが、それは勉強していけば明らかになる例外なのだろう。
ともあれ、第二章。魔術の行使と実践に移行するわけだが……

「……前よりも難しくないかい……?」

算術で言えば、今までは基礎で、これから応用なのだから当たり前だが。
果たして自分はまともにこの本を読み終えられるのか、少し心配になってきた。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 海沿いのカフェ」にフランネルさんが現れました。
フランネル > 「こんにちはですよ。ご一緒、よろしいです?」

 客もまばらな店内で、フランネルはあえて男性のかけているテーブルに歩み寄ると、
彼が本の内容に対して呟きをこぼした直後を狙って声をかけた。
 黒いフードをかぶり、記号された目の刺繍が入った目隠しを巻いたまま、唇だけで
微笑んで訊ねた後、ゆるりと首を傾げると、フードの隙間から亜麻色の髪がはらりと
こぼれた。
 右の手には湯気を立てるカップが乗ったソーサーを持ち、もう片方の手にはパイが
一切れ乗った皿を持って、彼の返答を穏やかな気配で待つ。

クレス・ローベルク > 声をかけられると、本に一旦栞を挟み、女性の方を見る。
お、美人さんだ、と思うが、普通に違和感はある。

「ん、ああ。勿論構わないけど……他の席開いてるのに、わざわざ対面に来たがるなんて変わってるね。もしかして、時間を持て余してるとか?」

だとしたら、君みたいな美人さんの話し相手になるのは歓迎だけど――と言い掛けて、今やってる事を思い出し、少し口をへの字にする。

「あー、そうだった。勉強しないといけないんだった……」

ちくしょー、いい機会なのになーと思いながら、取り敢えず女性の出方を見る。
別に怪しんでいる訳ではないが、初対面の女性だ。どういうつもりで声をかけてきたのか、見定める必要はあった。

フランネル > 「ありがとうです。それじゃ、お邪魔します。
 ……ふふ、もてあますほど暇じゃないですよ。
 まず、ここは一番海に近い席でしょう?」

 彼の問いに笑ってそう返すと、コーヒーとポテトパイの乗った皿をことり、ことりと
テーブルに置く。そして、空いた両手でローブのフードを後ろへ追いやると、亜麻色の
ウェーブのかかった髪がふわりと広がった。
 続いて胸元の結び目を解いてローブの前をくつろげると、同じく黒色のワンピースが
露わになった。そして、両手を自分の頭の後ろ、髪の中へ差し入れて目隠しの結び目を
探ると、肩が上がったせいで豊かな胸の膨らみがぐいとワンピースの生地を押し上げる。

「あと、その本。独学で読んでらっしゃる方ってちょっと珍しいですから、
 ちょっと気になったですよ。見た感じ、バーテンダーさんかディーラーさんですのに、
 魔法に興味おありなんです?」

 言い終えたあたりではらりと目隠しが外れると、柔和な印象を与える瞳が現れる。

クレス・ローベルク > 「あ、こりゃ失礼。てっきりお休み中かと……。成程、確かに、俺もそれが理由で選んだんだし。って、大丈夫?それ、目が見えてるとは思えないんだけど……」

と言いつつ、彼女が料理やコーヒーを置くのを見守る。
彼女がフードを追いやると、色素の薄い肌が露わになる……まではいいのだが。

「(うっわ、何だあのおっぱい。でっか!?)」

ロープを着ていたので余り目立たなかったが、こうしてみると総統な物だ。とはいえ、男とてそれなりに女性経験は積んである。じろじろと胸を見ること無く、女性との会話に応じる。

「いや、俺、剣闘士なんだよ。アケローン闘技場の。
だから、魔法使い対策で、魔法の基礎だけでも抑えておきたいんだけど……やっぱり、急に勉強してどうこうなるもんでもないね。
所で、不思議な格好してるけど、もしかして魔法使いさん?」

だとしたら教えを請いたいものだけど、と半ば冗談めいた口調で。

フランネル >  実はこれ魔法の目隠しで、巻いてるほうがよく見えるんです、と、笑いながら、
目玉の刺繍がされた目隠しを畳んでローブの懐にしまい込む。冬の海風が穏やかに
吹いて髪を揺らすと、フランネルは少し寒そうに首をすくめた。

 そして、フォークでアップルパイを少し切ってその一欠けを刺すと、彼の答えに
ひとつ、ふたつ、驚いたように瞬きしてから少々恥ずかしげに、困ったように笑う。

「あら、そうなんです? 失礼しました。
 剣闘士さんってもうちょっとこう……。なんでしょう。むくつけきっていうか、
 そういう感じの方ばっかりなのかなと思ってたですけど、こんなスマートな方も
 いらっしゃるですね。魔法使いの方もいらっしゃるとは思わなかったです」

 答えてから、フォークの先のパイを口元へと。肉感的な唇で、はむ、と、それを
捉えて飲み込んだあと、首を浅く横に振ってフランネルは言葉を返した。

「大枠では魔法使いですけど、わたし、魔法使い[ソーサレス]ではないんですよ。
 わたし、錬金術師[アルケミスト]なんです。錬金術師のフランネルと申します。
 教師なんかもやってますから、お教えするのは構わないですけど……。
 あんまり実戦的じゃなかったらごめんなさいね」

クレス・ローベルク > 「巻いてるほうが良く見える目隠しってのもあるのか……やっぱ魔法使いって凄いな」

寒そうに首をすくめる女性に対して、少しなにかしなければという感覚にとらわれるが、生憎と上着も懐炉も持っていない。
ともあれ、彼女が恥じるように笑えば、こちらもいやいやと手を振って

「まあ、闘技場なんて行かない人は本当に行かない所だからね……。
実際、剣闘士としては俺みたいなのとか、魔法使いみたいなのは少ないんだけど……逆にかち合うと大変なんだよ。魔法使いって」

炎とか出してくるならともかく、呪いとか、幻術とか、そういうのを使われるとね……と言いつつ。
しかし、一々食べる所作が艶めかしいなあと、唇の奥へと消えていくパイを見る。
しかし、流石にじろじろ見るのも失礼なので、視線を戻して。

「錬金術師……マジックアイテムとかポーションとかを作る学問だよね。俺も簡単な薬品の調合ぐらいはできるけど……。
でも、案外そういう、モノづくり系の魔法使いさんの方が、理論とか詳しく知ってるのかな。どっちにしろ、俺より知らないって事はないと思うし、是非お願いするよ」

と嬉しそうに微笑む。
実際、此処で教師を得られたのは男にとって僥倖だった。

「でも、具体的に、どんな事を教えてくれるのかな……。
正直、魔法のことは右も左もわからないから、これを教えてくれって言うのは、難しいんだけど」

フランネル > 「はいです。一般的にはマジックアイテムとか作る職業ですね。
 わたし的には、錬金術って言うのは総合的な学問なんですけれど……
 って、これ話し出すと長くなっちゃいます」

 いけないいけない、と、困ったような笑顔で唇に指先を添えると、腕を押し付けられた
乳房がふにゅりと歪む。んふふふ、と、笑ってからカップを手に取り、コーヒーを一口。
ふ、と、息をついてから、彼の言葉に考えるようにフランネルは視線をさ迷わせた。

「正直なところ、ルールと予算が許すなら
 対抗魔法の符とかを準備するのが一番簡単ですね。
 そういうのがダメでしたら……うーん。対抗手段って魔法によって違うですからね。
 いっぺんに詰め込むのもよろしくないですから、どれかに絞りましょう。
 とりあえず、何がいいです? えーと……剣闘士さん」

 お名前、何でしたっけ? と、後に付け加えてフランネルは笑った