2018/10/22 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2/賭博酒場」にカインさんが現れました。
カイン > ハイブラゼールが誇る有象無象の一夜の興を提供する店の数々。
その中でも特にひしめく酒場の一つ、外から聞こえる様々な呼び込みの声を聞きながら
酒を片手にテーブルを覗き込んでいる男の姿があった。
回るルーレット盤に跳ねる玉、そしてそれが止まった位置に合わせて様々な声が鳴り響く。
狂ったような笑い声に本気の泣き言、果てはその様子をあざ笑う言葉まで。正に欲望の坩堝である。

「……今日はツイてないな」

そんなただ中にあって一言ぼやいて自分の賭け分が回収されていくのを肩を竦めて眺めて大げさにぼやく。大負けの様子。

カイン > とはいえ、男の反応は比較的冷静な部類だった。場所の悪名に違わずに、賭場まがいの酒場が多いこの通り。
近い事なら王都の酒場でも時折見かけるものの、下手すると命のやり取りになるのがこの街の怖い所である。
暴れようとして取り押さえられた男が連行されていくのを横目に見ながらエールを煽り。

「人間も魔族も人外も区別なく、度を越した欲望ってのが一番おっかないかねえ」

一攫千金など夢見ねばこんな事にはなるまいに、とは思うだけに留めて一旦懲りたのか壁際に下がり、
背中を預けながら次のゲームの始まりを眺め始める。ゲームが一息つく度に悲喜こもごも、
声が上がる様子は中々に面白い。あくまで傍目に見る分には、という但し書きはつくのだが。

カイン > 「一勝負?いいとも、受けて立とうじゃないか。
 ただしサマは無しで頼むぜ」

間を置いてからになった目前の席に人影が現れる。
持ちかけられた勝負に乗りながらまだ近くで勝負ごとに耽っている筈の、
先程勝負を仕掛けてきた男に釘をさすと聞き取った周辺の客の大小差はあれど笑いが響く。
反応に気を良くしながらも勝負事に加減などする気はない。配られるカードを手に取って、
未だ冷めやらぬ喧騒の中に身を委ねて行くのだった。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2/賭博酒場」からカインさんが去りました。