2016/05/11 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス ハイブラゼール 高級奴隷取引場」にマリアージュさんが現れました。
マリアージュ > 湊にある奴隷市場とは違いまして、小さな個室も与えて貰えるような少しお高い奴隷を取引します場所。
流され、幾人かの人の手を渡り、マリアージュが来たのはここなのです。
少しいい場所に売られることがありますが、高級娼婦にされることもあり。
そのために商品には過ごしやすくされています。
そんな場所で‥‥。

「みゃあみゃあ、みゃーん」

マリアージュはとても呑気に、顔を出すにゃんこさんの前足をとりまして。
勝手に考えましたにゃんこ体操をさせているのです。
猫はなにかいやいや付き合っている顔をしますが。

暫く遊んでいますと、声を掛けられます。

「はーい、待ってくださいましですわ?」

猫とお別れして、とてとてと呼ばれたほうへといきます。
――売られるために取引場に出されますためにですけれど。
マリアージュはよくわかっていないので、素直に笑顔でついていくのです。

ご案内:「港湾都市ダイラス ハイブラゼール 高級奴隷取引場」にナルラさんが現れました。
ナルラ > ハイブラゼールはなるラにとって庭のような場所であった
闘技場での興業、カジノ、そしてホテルの経営、彼の商売の一部であるが
この街は多額の利益を出し、彼またそれなりに顔役であった。

今日はとある奴隷市場へと、騎士を数名引き連れてやってきた。

なんでもナルラ好みの奴隷が入荷したとのこと。

彼の趣向に関しては、この街の顔役から色々誤解を受けているかもしれないが、
いま探している者は、この街の顔役が知るナルラの好みの容姿をしている。
そしてまた、彼が足早にこの奴隷市場に足を運ぶのは奴隷商人のこの言葉。

『どんなに犯しても、元のおとめに戻るんでさ』

彼女の行き先はダイラスまでは掴んでいた、だからその可能性は高い。

『王子、こちらです』

通された部屋に、ナルラはゆっくりと足を踏み入れた。

そして取引所に現れた少女の顔を見て、思わず声が漏れた

「マリアージュ……」

そこにいたのは紛れも無く、探していた少女の姿であった。

マリアージュ >  
きちんとした感じの方に手を引かれまして。
とてとてと歩いてきますマリアージュ。
人が多いのを見ますと、手を引かれてきた方の後ろに少し隠れまして。
お洋服の裾を掴んで、こわごわと顔を見せるのです。
頭をなでられますと目を細めましてから。
立って歩いたり回ってみたりしなさいと優しく言われますと。

「こ、こうですかしら?」

ゆっくりと歩いては、手を引いてきてくれた方を振り返り不安そうに。
くるりと回って髪を広げましたら。
行く時よりも少し速足で戻るのです。

「あの、これでいいのですかしら‥‥?」

凌辱をされなければ残る記憶。
世話係のその人には優しくされたのでしょう。
ちょっと懐いた子犬のような感じなのです。
それを少なくはない買い手の人々が値踏みする目を向けています。

ナルラ > 場内がそのまま騒然となる、一人の男が数名の騎士を引き連れて壇上へと向かっていく。
彼の顔を知るもの、彼が何者か判ったものは自然と道を開け、男はそのまま壇上へと上がる。
そのまま男は少女の元へと近づいてくれば、そのまま少し腰を落とし少女と目線を合わす。

「探したぞ……マリアージュ」

この長い期間、彼女と会えなくなってどれほどの時がたったであろうか?
やっと会えた少女の顔を見れば、男は安堵の表情を浮かべる。

何人か静止にかかろうとするものがいるが、彼の騎士が
『プリンセス・オブ・セレネル号事件の参考人である、また王子の妾婚約者であらせられるぞ』
そう声を上げれば、場内は徐々に静寂を取り戻していく。

先日の秘密社交倶楽部摘発事件のこともある、一部の上流階級のものはこっそりとその場を抜けだそうとするものまで現れる始末である。

マリアージュ >  
よくできましたかしら?、と頭を世話係の方に撫でて欲しそうな。
尻尾があればぶんぶん振ってそうな姿。
でも、足音がしますとびくんっと少し飛び上がるようにしまして。
振り返り目が合いますと‥‥。

「――!…‥?。どなたですかしら‥‥?」

世話係の方の後ろに急いで隠れますと。
そーと顔を出して見上げるのです。
瞼をぱちくりとしまして、小さく首を傾げさせます。
今のマリアージュは1年前ほどまでの記憶が消えているのです。
傍の方が声をあげれば、ひゃっ、と。
びっくりしたのか目を瞑って急いで世話係さんの後ろに隠れて。
次はちょっとびくびくとした様子でお顔をだします。
お船でのことも、初めの1日しか記憶がないのです‥‥その後、ずっと凌辱されてましたので。
首を小さく傾げさせて、どなた?、と尋ねる目を見せるのです。
王都に来る前のマリアージュは、こんなに人に慣れていなかったのです。

ナルラ > 彼女の反応に、ナルラは少し寂しそうな顔をする

こういう可能性は考えられていた……秘密社交倶楽部を捜査した際、非合法な記憶封印薬等を押収した。
また、彼女には何か特殊な術がかけられている可能性はある。
魔術・神術・道術・妖術、何かは判らないが、その影響もあるのだろう。
そう思考した時、彼女の頭に嵌められたサークレットの宝石が鈍く輝いたような気がした。

「少し忘れているようだな……お前に何かあったら、私はケイン義兄様へどう顔向けすればいい?」

彼女の知る人物の名前をあげ、再び彼女に近づけば、そっと髪に触れようとする。
触れることができたなら、いつも彼女を撫でるように優しく、その銀色の髪を指ですくうだろう。

騎士たちは観衆に静寂を要求していた、またここのオークショニアと現在話をしている騎士もいる。
彼女の身分、そして家柄、彼女が何者であるか判った上で取引しているのかと
そして彼女がナルラの妾婚約者である証拠の映像等も、こっそり見せたりしてもいる。

マリアージュ >  
幻影の様にもやっと見えますラリエット。
その幻影のラリエットに付けられた宝石と同じ色に。
若草色でした瞳の色が菫の色に変わっているのです。
兄の名前を聞きますと、目を大きくしまして笑顔を向けるのです。

「ケインお兄様の‥‥お友達さん?。こんにちわですの」

花がほころび咲いて行くような無邪気な笑顔。
手が近づいてきますとちょっとびくっとしまして、
世話係さんの服の裾とぎゅっと摘まんで目を閉じますが。
髪を触られますと、ほぉーっと体の力が抜けまして。
くすぐったそうな顔になります。

「くすぐったいですわ。えと‥‥プリン様」

くすくすと笑いながら、プリンセスの初めの3文字だけの名前なのです。
どんな映像を他の人が見せられているのか判っていないので。
無邪気な様子で、世話係さんの服から手を放しまして。
両手で髪を抑えようとするのです。

身分や、家柄、そして色々で。高くなっていくのでしょうか‥‥。

ナルラ > やはりケイン義兄の事は覚えていた、ありとあらゆることを忘れているわけではない、そこは少しホッと胸を撫で下ろす。
様々なモノを《解析》する彼の手、彼女に触れれば少しずつであるが彼女の身体に残された痕跡、何をされたかが判明していく。

徐々に寂しそうに、悔しそうにする表情を彼女に見せてしまうことになるだろう。

「そうだな、子供の頃に良く遊んだ……今も良く話をする」

彼女の兄ケインは、追手により命狙われる身、彼や彼の騎士たちがその護衛に辺り、現在はとある場所で匿っている、それさえも今の彼女は判らないのだろう。

「言っておくが、私の名はプリンではないぞ……」

そう苦笑を浮かべる、どんな事をされようが彼女はいつもの様にお日様のような笑顔を浮かべる。
それがせめてもの救いだろうか?

「私は君の父コンラート卿、いやエラン様から君のことを頼むと託された。妾でも良い、側においてやってくれと」

彼女がいなくなっている間、屋敷の地下の書庫から彼女の父からの手紙が発見された。
まるで、彼の手に渡るのが“視えていた”ように、その手紙にはナルラへのメッセージ、
そして地下の秘密の部屋の入り方まで指示されていた。

オークショニアは顔を青くしながら、説明を受けている。
だがオークションにはルールが有る、彼女が壇上に上がった以上オークション止められないのである。

彼女の身分家柄、だが事故物件であることから、オークションは15万ゴルドからはじまった。

「2000万ゴルド!!」

彼女の頬に触れながら、男は宣言する、オークション開始価格を大幅に上回る価格
そして会場を一瞥する……ここで入札をするということは、彼に喧嘩をしかけるも同然のこと、
場内は静けさを保っていた。

マリアージュ >  
「どうしましたの‥‥?。お兄様の子供の頃‥‥」

ナルラ様のお顔を見上げて、少し心配そうな表情をいたします。
その後、人差し指を唇に当てまして、ちょっと想像をしてみますが。
兄はいつもマリアージュより大人でしたので、子供の頃が想像できないのです。

「あら、違いましたの。申し訳ございません。あの、お名前は‥‥」

人差し指だった指が4本そろえられて口元を隠します。
そしてちいさくぺこりと頭を下げるのですが。

「お父様もご存じですの?。お父様とお母様、どこにいらっしゃるのかしら‥‥?」

きょろきょろと来ている方々を見渡すのです。
でも、居るはずがありません。
今は記憶にない、1年間に亡くなっているのですから。

「――きゃっ!?」

頬を撫でられてくすぐったそうにしておりますが。
大きなお声にびくっとしまして。
軽く握った両手を耳元で、目を閉じてぷるぷるとするのです。

ナルラ > オークショニアは声を震わせながら、会場内に訴える
『ほ、他にありませんか?』

マリアージュの心配そうな顔を見れば、慌ててナルラは笑みを浮かべる。

「そうだな、私の名前は」

『ナルラ様、マリアージュ嬢はナルラ様が落札されました!!』

「ナルラだ……決してナリアではないぞ」

そう笑って言った、出会って間もない頃、彼女が良く言い間違えた名前を出して、彼女を抱き寄せれば彼女の唇に、そっと己の唇を重ねキスを奪った。

「まあ、これで名実とも、マリアージュ君は私のものになったな」

オークションの落札が決定すれば、会場に拍手が沸き起こった。
ナルラは騎士を手招きをすれば、一つの魔法結晶を彼に渡した。

マリアージュの身体にかけられた、術の分析結果である。
これを元にプリンセス・オブ・セレネル号事件において、彼女はテロの道具として使われた事を証明することになる。

「ああ、よく知っている……君の両親はココにはいない」

そう口ごもる、彼女は忘れているのだと、その忘れた今は、辛い思い出を無理に思い出すことは必要ないだろう。

彼女にかかっている術式は、どれも非常に弱まっている、どんな呪いであれ魔術であれその身に受けたものは解呪し、また浄化する。
彼女の持つ能力のおかげだろう、記憶の封印も、時が経てば解ける、其れまでの間は彼女には両親の死を忘れていてもらおう。

マリアージュ >  
マリアージュは、何が起こってますの?
と泣きそうに潤んだ瞳できょろきょろしてしまうのです。

「ナルラ様とおっしゃられますの?。
 わたくし、マリアージュ・コンラートと申しますわ」

ぺこりと、スカートの裾を少し持ち上げて名前を言うのです。
でも、オークショニアさんのお声に。

「ナルラ様がらくさんされましたの?。――そんな、まちがえ‥‥!?」

唇を重ねられますと、目を大きくして固まってしまいます。
暫く固まっているのです。
拍手が沸き起こっても、まだ固まっているのです。

「―――」

話しかけられて、両親のことを言われても初めて、ぴくっと反応しまして。
すっごく遅れて、お顔が真っ赤に、耳まで真っ赤になっていくのです。
ゆっくりと顔があげられまして、真っ赤なお顔、菫色の瞳の端にじんわり涙。
そして、両手で唇を慌てて隠すのです。

「あ、赤ちゃんできちゃいますっ!?」

思わず言ってしまい、唇を隠したまましゃがんでぷるぷるとさせるのです。
両親がここにいないことよりも、大事件なのです。
(マリアージュにとっては、ですが)
――次の日にまで、キスされた記憶が残るのでしょうか。

ナルラ > 「ああ、知っているよ、良く知っている……今は忘れていると思うけど
 君と私は同じ屋敷に住んでいるんだぞ」

でも、忘れたままは少し悲しい、彼女に記憶を失っているのだとここで初めて伝えた。

「ああそうだ、マリアージュ君は私のお妾さん、お嫁さんになったな」

真っ赤になる彼女、そして妾であること、そして彼女がお嫁さんと昔返したことを揶揄しながら言葉を紡ぐ。

「何を言っている、キスは毎日朝にしていたんだ、挨拶のようなものだ、それにキスでは赤ちゃんはできないぞ?
 赤ちゃんの作り方はまた別だ」

そうして彼女にキスは性行為ではないと『定義』させる。
性行為を忘れるサークレット、彼女がそう認識したのならキスの記憶は消えることはないだろう。

マリアージュ >  
「‥‥庵に帰りませんの?。お父様やお母様。お兄様も心配しますわ‥‥」

少し不安げな表情になりますが。
お嫁さん、と言われますとびっくりしたお顔になります。

「そ、そうなのですの?。あの、らくさんって結婚ということですの‥‥??」

ぱちくりと瞬きをして長い睫毛が動きます。
そして、かくりと首を傾げさせましたあと。

「えと、ご挨拶‥‥あの、ここらへんですとご挨拶でそうしますの?」

ふるふると手をやっと口元からどけます。
知らないことばかりなのです。

「精霊さんが言っておりましたもの。キスしましたら、って‥‥」

お顔を真っ赤にしたままなのです。
凄く恥ずかしそうに、両頬に掌を添わせて、熱いほっぺを抑え。
俯き気味にしながら、ちらりとナルラ様を上目に見上げるのです。

ナルラ > 「いや、今はあそこが君の住んでいる場所ではない、君のご両親の住んでいたマグメールの屋敷に今は住んでいるぞ」

忘れているのはしょうがない、だが情報は少しずつ追加するのもいいだろう
1年前の彼女に、現在の彼女のことを少しずつ教えていく。

「元々君は私の妾だ、だが君がおっちょこちょいをしたおかげで、色んな人に売られてな、やっと今買い戻したんだよ。
 で、今マリアージュは私のもの、それはこの会場にいるすべての者が承認になっている」

照れる姿の彼女、もう一度唇を重ねる。

「誰でもというわけではない、恋人同士、主人と妾の挨拶にはキスは当然行われる」

純粋な彼女の姿に、ほんのひと月前の事を思い出す。あの時も同じようなやり取りをしたなと。

「キスは赤ちゃんを作る時の最初の入口、したからできるわけではない
 私とマリーは何度も赤ちゃんを作るような事したんだぞ」

記憶が戻るまでは学院には休学とでも伝えておこう。
あまりにも成績が悪いので、顔のない騎士団が直々に鍛えているとでも伝えれば、単位がおろそかになることもあるまい。

マリアージュ >  
マグメールと聞きまして、またきょとんとしたお顔。
そして上を向いて、お父様やお兄様から教わったことを思いだすのです。

「まぐまぐ‥‥あっ!。大きなお城とかございますところですわね?」

両手を合わせまして、笑顔を見せるのですのですけれど。
おっちょこちょい、と言われますと。
ほっぺをぷくっと柔らかく膨らませます。

「わたくし、きちんとできますわ。
 そりゃあ、くまさんのお腹の上でお昼寝してしまって、
 おやつの時間に遅れたりしたことはありますけれど‥‥。
 ――!?」

顔が近づいてくるのに警戒心がまるでないので。
簡単にまたキスをされてしまい。
身体を固まらせてしまうのです。
慣れていなくて、でも、キスは思ったよりも体がくすぐったいものなのです。
先ほどよりは早く硬直が溶けるのですが、またお顔がまっかっか。
急いで唇を両手で守るのです。ガードなのです。

「そ、そ、そ、そんなにいつキスってしましたの?」

もごもごもごと小さなお声なのです。
よく考えるのです。
――もしかして、ルミナスの森で口にべろべろよくしてきました狼さん?。
ちょっと似てますかも?。
なんて考えているのです。

ナルラ > 「ああ、そのお城にも俺は住んでるし、君の両親の住んでいた屋敷を別宅として使っている。」

そっと手を差し出す。

あの日、学院で出会った男装した少女にしたように。

握手を期待して出した右手。

「改めて……私はナルラ、ナルラ・ホーティ・カルネテルだ」

そう言って笑みを浮かべる。

「マリアージュは動物に好かれているからな、今度ペガサスに合わせる約束もした
 それと家でアリスが待っているぞ……」

そう言って彼女をひょいと両腕で、お姫様抱っこで抱き上げる。

「忘れているかもしれないが、毎朝だな……ん?」

ルミナスの森の狼のように、やんちゃそうな笑み
だが彼はある意味狼かもしれないが、ちゃんと人間?ではある。

マリアージュ >  
「お父様のお家って、ルミナスの森の庵ですわ?」

王都のお屋敷のことなんて物心つく前なのです。
差し出された手と、ナルラ様を見比べますと。
そっと、片手をナルラ様の手の上に乗せるのです。

「ナルラ様、あの、ありがとうございます。
 ペガサス!。ペガサスって、お羽が生えたお馬さん?。
 わたくし、角がぴーんとありますお馬さんならお友達ですけれど。
 お羽のお馬さんはまだ会ったことありませんの!」

小さくぴょんぴょんと跳ねるように。
そうしますと、長い髪やスカートの裾が呑気にふわりふわりとするのです。

「アリスって‥‥?。きゃあっ!?」

ふわり。
軽い身体はかんたんにお姫様抱っこ。
思わず、ナルラ様の首に両手で抱き着きます。
でも、毎朝と聞いて。やっぱりきょとんとしたお顔です。
また、何か思い出そうとしているお顔。
う~ん、う~んと思いだそうとしまして。
でも、朝と言うと。両親や兄のほっぺのキスぐらいしか‥‥なのです。

ナルラ > 「それは王都から出てから住んでいた場所だろ?
 エラン様とマリア様が昔住んでいた屋敷が、私の別宅で君の今住んでいる家だ」

できるだけ丁寧に、反復の説明も行う、彼女とキスをしたおかげか
気分はだいぶ落ち着いてきている。

手の上に置く彼女の手、その様子には目を細めて

「初めてであった時と、同じ返し方だな」そう目を細めてつぶやいた。

「ああそうだ、私の騎士団には天馬の部隊があるからな、いっぱいいるぞ
ああ、角の生えた馬か……そっか」

ユニコーンが彼女と今も友人なのか、少し心配になる。
処女に戻るとはいえ、彼女の正真正銘の処女はナルラが奪ったからだ。

「マリーが名前をつけた猫だ、腕輪を持って心配そうに鳴いていたぞ」

壇上から降りると、ゆっくりと部屋の隅のソファーに向かい彼女と一緒にそこに座る。
そうするとオークションは再開しはじめるだろう。

「なら、これはどうだ?」

そう言ってマリアージュとまたキスをする、今度は舌を差し入れ絡め合う大人のキスで。

マリアージュ >  
「いつのまにお引越ししましたの?。わたくし、知りませんでしたわ‥‥」

顔をあげますと、つぶやきに。
違いましたのかしら?、と。
「わん」と口だけ動かしてみるのです。

「たくさん‥‥。にゃんこさんもおりますの?。わぁ、お友達になれますかしら‥‥」

と楽しみにしてそうですが。
まだお膝の上に座ったまま。
えと、どうやっておりましたら‥‥と考えておりますと。
次は舌も入ってくるようなキス‥‥。
息を止めて目を閉じ、身体を硬直させまして。
小さな舌が嬲られてしまいますのでしょうか。
キスが終わりますと、くたぁ、と力が抜けて。
深呼吸なのです。

「――し、死ぬかと思いましたわ‥‥」

キスされている間、ずっと息を止めていましたので。
身体がくたくたと、体力を使ってしまったのです。

ナルラ > 「ちょっと事件があってな、マリーは少しの間のことだけ忘れているんだ。
 でも時期に思い出す、少しずつ何があったかは教えていくよ。」

彼女の身体に刻まれた誓約、その高価は徐々に薄らいでいるのは判っていた
だが記憶の部分に関するものは、怖くて手が出せない、その部分だけは自然に任せるしかない。

彼女が「わん」と口を動かすなら、よしよしと頭を撫でる。

「ああ、心配しなくてもマグメールの小さなお友達はいっぱいいるよ」

彼女が膝の上に座る、そうすると久しぶりの感触に股間はちょっと膨張してしまうかもしれず。
ただ彼女の唇をひたすら貪っていた、そして手は、自然と彼女の胸に触れていた。

「ああすまん、久しぶりに大人のキスをしたので夢中になってしまった」

くたっとする彼女を抱きしめ、頭の上に自分の顎を置く
屋敷にいた頃、二人でソファーに座りくつろぐ時の格好だ。