2015/10/25 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にマユズミさんが現れました。
マユズミ > 「夕暮れ:大衆食堂内」

喧噪が支配する飲食店。
船乗りであろう屈強な男性などが騒ぎ、酒を呑み大騒ぎをする中、端の方でその喧噪を眺めながらパスタを突く。
王都に向かうつもりでここダイラスに立ち寄ったが中々活気があって面白い。
……最も裏の顔も相当根深そうではあるけれど。
頬杖を付き、手にしたフォークでパスタをかき混ぜた。

「……弱ったな」

呟きは喧噪に紛れて注意しているものがいなければ誰の耳にも届かないだろう。
パスタの皿の隣にあるどう見ても残り幾ばくも入って居なさそうな金貨袋に目を落とし、嘆息する。
有体に言えば路銀切れ間近、と言う奴で。
このパスタもなけなしの路銀を削って絞りだした夕食であった。

マユズミ > 船に乗って王都に向かうつもりであったがこれではそれも敵わない。
歩いて行くのも別に吝かではないのではあるが。

道中を考えれば面倒の無く渡れる海路を取りたいというのが本音であった。
海路も危険が無い訳でもないのだが。

「この街で適当に働き手を、とも思ったんだけど」

何にせよぱっと見て回っただけではいかがわしい店が多すぎる。
酒場、カジノ、そういった店。
興味はあれど抵抗の方が強い。
背に腹は替えれないというのも確かであるが。

小さき冒険者はただ悩む。

「いっそ闘技場……」

喧噪は収まる所か更に大きく広がり、少し離れた所では騒ぎでも起きているのか、グラスの割れる音なども聞こえてきた。
彼女のいる場所の周りだけが静かだと思うぐらいに。

マユズミ > すっかり冷えてしまったパスタを一口含む。
放浪をしているので貯蓄などは全くと言っていいほど無い。
特にアテの無い放浪旅。
王都に行くのも特に理由がある訳でも無いのだ。
何処かで腰を据えて一旦路銀を稼ぐいい機会なのかも知れない。

喧噪から一旦目を離してテーブルに視線を移す。
はら、と黒い髪が流れ動いた。

元々剣士なのだから荒事でいいのだが、彼女の致命的な所として身長が無く、そのせいで色々と損をした事が多い。
前など身長が低いと言うだけで報酬額を削られそうになった事すらある。
流石に大反論と説得と言う名の大立ち回りで通常通りと迷惑料として多少頂いたが。
それを思い出し、ギリ、と歯軋りと目を細めた。

「どうしたものかなあ」

結局答えが出ないまま、先ほどと同じようなつぶやきを繰り返す。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にセイウッドさんが現れました。
セイウッド > 「おう、邪魔するぜ」

(夕暮れ時とあって人の移り変わりの激しい店内に、新たに一人の男が足を踏み入れる。
 今まさについたばかりなのだろう、古びて使い込まれた旅装に若干の汗臭さを滲ませながら、
 ズカズカと中へ入り込んで周囲を見回す。
 どうにもこうにも港町、しかもこの時間帯とあっては時間が経てば乱痴気騒ぎになりかねないテーブルばかり。
 そういうのはご遠慮願いたいと見繕ったテーブルの一つに、どうにも沈んだ少女のみの物を見つけて無遠慮に歩み寄り)

「嬢ちゃん、悪いがここ同席していいかい?
 何、好きなモノ奢るくらいはするからさ。他の席だとどうにもなあ…」

(ガラの悪そうな連中の多い席を示すように指を動かして見せながら、
 屈託のない笑みを向けてそのまま手を縦に立てるように動かした)

「あれに巻き込まれて騒動になるのはゴメンだからよ、な?」

マユズミ > 通ってきた店を思い出していく。
酒場。
闘技場。
船着き場。
娼館。

「ん……」

娼館を通った際に嗅いだあの匂いを思い出す。
独特の据えた匂い。
思い出すだけでクラっとする。

「やめやめ」

慌てて思考を排除する。

そんな折、目の前に現れる男。
装備を眼踏みし、同業者だろうと踏む。

「……」

少し考えた末、彼の言い分も最もであるし。
確かにこの騒ぎに混ざるのは誰でも避けたい所であろう。

「どうぞ」

事務的な声で相席を認めた。

セイウッド > 「助かるね。それじゃ、何でも注文してくれ。
 ついでに俺はエールと鶏肉の包み焼きでも頼むかね…ん?」

(旅疲れ故にようやく人心地付けると思えば、上機嫌にもなろうもの。
 それが可愛い女の子との同席ともなれば尚の事、とは男だけではあろうが。
 外套を脱いで椅子の背に引っ掛けながら、ドッカリと音を立てて相手の対面に座り込む。
 じっとどうにも暗い雰囲気の少女に不思議そうな表情を浮かべ)

「どうしたどうした、せっかくの飯だってのに暗い顔してたら運が逃げちまうぜ。
 なんか困りごとでもあったんなら、差し支えなきゃ聞かせて貰えないか?
 ま、何の力に並んでも吐き出しゃ少しは楽になることってのもあるだろ」

(力になれるかもしれない、などと安請け合いはしない程度の気軽さではあるが、
 酒飲みばなしの代わりにでもと問う言葉。
 店員を呼びつけ、自分の注文を済ませて相手に促しながら様子をなんとなしに眺め)

マユズミ > 「……じゃあ、遠慮なく」

普段なら断りもするだろうが、今の手持ちから考えれば少しでも腹に入れておき、気力体力を少しでも充実させたいと言う気持ちが勝っていた。
腹が減ってはなんとやら、である。
セイウッドの頼むものと同じものでいい、とだけ伝え。

「え、ああ。いや何。路銀がちょっとね」

どうしたと聞かれればそう答えた。
大方はそれだけで察せるだろう。
身長、年齢の割に若干大人びた、というよりかは男らしいと言うべきなのだろうか。
そんな口調で。

「それで少し働き口の事を考えていたら、ね……そんなに暗い顔だったかな」

自分の頬にぺたぺたと手を当てた。
そしてくん、と思わずセイウッドの匂いを嗅ぐ。
男性特有と言うのであろうか、それに匂いに少しだけ眉を顰めた。
不思議と、悪い気持ちではないのだが。

セイウッド > 「どうぞどうぞ、そこで遠慮される方が俺としては困る。
 男ってのは格好つけだからな、格好が付かないほうがみっともないのさ」

(それならば、と頼んだのは鳥の香草焼き。
 一羽丸々に中に詰め物という実に豪快な料理である。
 女性には多いかと一瞬考えるが、旅をしてるなら問題無いだろうとそのまま注文し)

「ああ、路銀なあ。そいつは大事だ。
 暗い顔ってのはちょいと言いすぎかも知れないが、
 物憂げな様子ではあったな。それもまた魅力的ってもんだが」

(お手上げとばかりに両手を上げてみせるも、
 続いた相手の動きに思わず自分の左右に視線を向けて困った顔になる。
 確かに、多少臭う気がして頬をひっかき)

「そんなに臭うかい?到着がついさっきだから、ロクに洗う暇もなかったからなぁ…。
 まあ、そいつはそれとして。そうだな、ここだったら一番手っ取り早いのはやっぱ荒事だろうな」

(ちょっとだけ傷つきかけた心持ちを引っ張り戻し、運ばれてきた鶏肉にフォークを突き立てながら指を一本立て)

「次に荷役。力に自信があるならコイツがある意味一番稼ぎがいいかもな。確実にある仕事でもあるし。
 後はまあ、女性ってんなら…夜の方、とかな」

(二つ、三つと指を立てながらの言葉。
 最後の一つは少しためらいがちだったのはやはり相手の見た目の問題ではあるのだろう)

「ああ、でもそうだな。3つめをする気があるなら、今夜俺ととかどうだい?
 勿論礼は弾むし、ちょいとオマケくらいはしても良い」

(だが続いて口から飛び出すのは何とも下卑た言葉。
 とはいえ大分調子が軽い当たり、半分以上冗句のつもりなのだろうが)

マユズミ > 「魅力的、ね。同僚の女子にはよく言われていたけど」

どちらかというと小さいから可愛い。
そのくせ凛々しい顔をしていると言うギャップからか、同性への人気はそれなりにあったな、などと思い出す。

「まあ世辞にしても悪い気持ちにはならないかな」

はは、と少しだけ笑う。

「路銀はね、ちょっと前にまあ色々とね」

具体的には装備一式をほぼ買い直すハメになったのだが、まあそれは彼には関係の無い事だ。

「あ、いや別に……すまない、そういうつもりじゃない」

匂いを嗅いだ事にしまったな、と思いつつ。
少しだけ言うかどうか迷った末。

「別に……嫌いな匂いでは無いし」

それだけを呟いた。

「やはり荒事かな、それが一番性に合う、積荷を運べない事もないけど、力自慢と言う訳でも無いし」

ちら、と己の持つ刀に目をやった。
実際それで路銀は稼いでいたワケだ。
その方が手っ取り早い。
そう結論付けようとしたその時に。

「……え?」

鸚鵡返しに三つ目の提案に声をあげた。
さきほど娼館、その時の匂いと目の前の彼の匂いをまた想起して。
少しだけ頬を紅潮とさせた。

「ぁ……ええと。アナタと?」

思わず当然の事を聞いた。

セイウッド > 「ああ、確かに女性に人気はありそうな気がするな。なんというか空気が、だが」

(自身の知り合いにもそういう手合は居ると得心がいった様子で頷きながら鶏肉を頬張り、エールでそれを流し込む。
 お世辞にもお行儀が良いとは言いがたいものの、疲れ果てた体が活力を取り戻していくのを感じて息を吐き)

「ふうん?ま、災難があったのは仕方あるめえよ。
 命があるだけましって思ったほうが旅をする分にはいいことだ。
 …あー、それなら、いいんだけど、な?」

(嫌な匂いではないと言われて少しだけ基を持ち直して頷いた後、
 相手の言葉を聞いてそれならと口を開きかけた直後。
 以外な反応に今度はこちらが驚く番だった。クックと喉を鳴らしつつ、頷き返し)

「まあ、勿論そいつを選んで、相手を俺でいいと定めるならそうなるわな。
 別に無理にッて言うような事でもないけど、そういう経験はあんまりないかい?」

マユズミ > 「そんなものかな」

若干のジト目と共に呟いた。
本人にはピンと来ない事であるのでこればっかりは致し方ない事だろう。

「……一度だけ、かな」

ぽつりと経験と聞かれれば割と素直にそれだけを呟いた。
興味が無い訳でも無い、人並みの性欲もあった。
それにここで知っておけば、いずれ「そういう手」しかなくなった時も生き延びれるしそういった搦め手への抵抗力にもなるかなどと考えながら。
ちら、とセイウッドを見る。
少しばかりの想像を働かせながら。

セイウッド > 「そんなもの、だ。男と女ってのは違うもんだからな」

(故に、どうしても咬み合わない所は咬み合わないかもしれない。
 こちらはかなり飄々と言い放ち、相手の言葉にすっと目を細め)

「なるほどな、まあそいつは何というか。
 あんまり粗末にゃあ扱えなさそうだが――どうする?」

(意地悪く、口の端を持ち上げて見せながら右手を差し出してみせる。
 判断は任せる、と言わんばかりの様子。
 此処で手をとっても振り払っても、あるいは保留したとしても特に文句をいうことはないのだろうが)

マユズミ > 「ん……む」

軽く唸る。
色々と思慮渦巻き難しい顔になったと思えば、今も生きていると言うのはもうけものという考えも頭をよぎり若干吹っ切れた顔になったと思えば貞操とはそれほど安いものなのかとこれまた眉を顰めたりと。
コロコロと表情を変えていた。
ああでもない、こうでもないと色々と考えた末に。

やがて。

「……マユズミ」

一つの結論と共に、名前を告げ右手を取った。

セイウッド > 「はっはっは。結構表情が硬いと思ったら、案外面白いな嬢ちゃん」

(目の前でコロコロと百面相を披露する相手に喉を鳴らしながら、
 名前とともに取られた手。それを握って上下させながら立ち上がり)

「俺はセイウッドだ。よろしく頼むぜ、マユズミのお嬢ちゃん。
 それじゃあ…っと。おーい」

(近くの店員に声をかければ、部屋の手配。開いてる部屋があると聞けばそこでいいと頷いて返し)

「そんじゃあ、行こうかい?」

マユズミ > 「む……」

そしてそれは無自覚で行われてたようで、そう言われてまた別の意味で唸った。
どうやら、自覚している以上に、表情に出ているようだった。
治さないとな、などと考えていれば。

「あ、ああ。セイウッド、だな。よろしく……うん」

後戻りは出来ない。
急にしおらしくなったがこれもまた、無理のない事だ。
手を引かれ、セイウッドにその小さな身体を任せるだろう。

セイウッド > 「ま、そういうのも愛嬌だ。この場面だと悪か無いな」

(暗に状況次第だと悪くなりそうだと告げながら、
 クツクツと喉が鳴る音が強くなる。
 威勢の一気に消え失せた相手の手を少し強めに引きながら、
 用意した部屋へと足を向けてゆくのだった)

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からセイウッドさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からマユズミさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にマユズミさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にセイウッドさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からセイウッドさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からマユズミさんが去りました。