2022/04/16 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”/カジノ」にセリアスさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”/カジノ」にイスラさんが現れました。
セリアス > 至福の島の名を関する歓楽街は、今夜も変わらず賑わっている。
幾つもある遊興施設のうち、一つのカジノ。
その前に一台の馬車が止まれば、出てくるのは黒尽くめの男。

……とある場所で、縁を繋いでから。時折、会うようになった相手を連れて。
本来ならば、貴族の子女を連れまわすような場所ではないかもしれないが。
自身も、相手も、そんなことを気にしない性格であれば。

それに何より、一寸した話の弾みから。
自分の商店に売り込みに持ってこられた、幾つかの、商品の試用に。
その相手自ら、身体を張ってくれるという流れになった故に。

王都でなく、少し遠出もして。
それでも、互いに其れなりに顔も売れていれば、見知った相手もいるかもしれないが。
其処はその相手も、こういう場所での礼儀をわきまえていることを期待しようと。

……なんだかんだと想いを馳せても、『彼女』との逢瀬が愉しいものになれば良いと。
馬車から降りてくるはずの、今宵のパートナーを迎えるように、手を差し出して、待つ。

イスラ > かの人物は本来、王都の学院で関わる人物だった。教師と生徒、というありきたりの関係として。
それがひょんな事から城の中で邂逅し、異なる関わりを持つようになったのが、先日の事であり…そこから。今もこうして、関係が続いている。

一応それなりに。人目を忍ぶ必要が有るのかもしれない。そんな意味では王都から遠く、港湾都市まで足を運ぶのも、悪くないと思う。
そのついでに。普段は出来無いような愉しみ方が待っているのなら。それもそれで良いだろう。
…と。比較的軽い気持ちで、つい数日前に遠出の誘いを受けたのだが。
普段と異なる、というその部分は。どうやら思っていた以上に、色々と本格的な物であるらしい。

「 ――――っ、~~…っ…」

差し伸べられた手に手を添えて、馬車から降りた。その途端僅かに姿勢が揺らいでしまう。
バランスが崩れただの、単純に転びかけた、だのではない。もっと大きな…だが密かな原因が、娘を苛んでいた。

「 ……せん、せ。これって結構…」

蹌踉めいた身体を軽く、相手へ凭れ掛からせるようにして。端から見たならあくまでも、転びかけて支えを求めた風に見せながら…耳打ち。
零す言葉は。それ自体が微かに震えているだけでなく…仄かに。熱っぽい物も含んでいる事だろう。

割と軽い気持ちで受けてしまった、「商品の試用」。それは――こういう街に相応しい品物だった。
今娘の胎はじんわりと少しずつ、だが此処に来るまでの間ずっと。熱を与えられ続けている。
普通ならばそういう効き目をもたらす魔法や呪文…を。簡単に、短期間再現出来るという偽物の紋様。それが、貼り付けられていた。

セリアス > 「ここでは先生では、ありませんよ。イスラ嬢」

上気した、相手の顔をにんまりと、愉し気な笑みを浮かべて眺めながら。
その少年と少女を混ぜたままにしたような中性的な身体を抱き留めて。

少しばかり、悪い遊びにも耐性があるらしい相手だからこそ。
盛り場での逢瀬で釣り、彼女の身体を遣っての、新製品のテストをすることを、巧く了承させた。

一つは、夜の生活のお供にと。服用してから時間が経過するごとに、興奮を煽る、遅効性の媚薬。
次に、所謂淫魔、サキュバス、インキュバス達が使う「淫紋術」を
ライトに楽しめるようにと作られた、淫紋型のシール。
軽く、とはいえ、比較対象が淫魔であれば。
性的興奮が高まれば、それを途端に下腹部、胎へと伝えていく代物。
貼った後は効果がなくなるまで、まるで実際に肌に刻んだよう一体化する、製作者拘りの逸品。

序に、衣装もここぞとばかりに、夜の蝶たちが纏うようなものを着させている。
全体的に男の黒と合わせた色合いの、盛り場での踊り子が着るような、
まるで下着に装飾を施したようなデザインの衣装。

彼女の身体の造りを思ってか、下肢は腰元から下を、スリットの入ったスカートで隠してはいるけれど。
直ぐ上、先程の偽淫紋は、確りと露出している。
ただ、胸元は大きく開けているものの。肩口から下は、シースルー生地の上着で覆われており。

胸を包む下着か水着かというような衣装や、偽淫紋も、一応それで隠れてはいる。
ただ、隠れ方が、余計に淫靡な雰囲気を醸している気もするが。

……それに、色々と。その衣装の内側にも、仕込んでいるようで。

イスラ > 「 ――失礼。…セリアス様?」

耳打ちの距離だからこそ、慣れ親しんだ「先生呼び」が出てしまうのだろう。
指摘されて気が付いたのか。は、と淡い息を吐いてから。普通のボリュームで返した声は、きちんと、呼び名を変えてみせた。

そういう礼儀と言うべきか、場に合わせた対応の出来る素養は有るのだが。
生まれというか性格というか。夜遊びなどにも興味の尽きない、不良生徒に片足突っ込みっぱなしの娘である。
だからこそ。男という監督者が存在する上での。謂わば不測の事態の心配をする事の無いスリルと快感。それを確信出来る、悪い誘いに。ついのってしまったものの。
相手の用意した品物は、どうやら学生が囓った程度の魔術とは、比較にならないような。相当の精度を持って作られているらしかった。
俗に言うタトゥーシール。そう呼べば良い代物ではあるのだが。肌へと貼り付く一体感は、本物と一切見分けがつかない程に精巧な物であり。
そして効果の方も…こちらはもう、正しく、期限付きである事以外は。本物と何一つ変わらない。
試供品にも幾らか種類が有ったようだが。その中から選ばれたのは、興奮すればする程に、快感が。或いは興奮が。具体的に蓄積されていく代物。
だから、例えば。物理的な刺激を、何一つ受けていなかったとしても。娘自身が、何かしら興奮を覚えてしまえば。それだけで、感じさせられてしまうのだろう。

…そして。興奮を煽る材料も、しっかり準備されていた。
馬車から降りたのなら、途端、幾つもの。カジノ客達からの視線が、こちらに突き刺さってくる。
何故なら娘の格好が。背徳の街に相応しく、なかなかに扇情的な代物であるからだ。
胸元から下を包むドレスは、だが、酷く頼りないものであり。ぎらついた不夜城の照明を浴びれば、容易に透けてしまう。
其処から覗く身体はそれこそ。海辺の水着姿と大差無い。…胸を、下肢を、ギリギリで抑え込んでいるような物だろうか。
一応スカートも存在しているものの。それこそ下着レベルの下肢が見え隠れするような、深いスリットが入っているし…
それ以上に。落ちる間際で引っ掛かる浅さは。臍よりもずっと下、其処に貼られた偽淫紋を、シースルー越しに見せ付けてしまう。
どうあってもこれは。見せる為――見られて、羞恥を覚える為。そのスリルを愉しむ為の衣装だった。

「 っ、 ぁ――」

だから。店内へと歩き始めつつも…ぶるりと。小さく身震いしてしまう。
娘の半陰陽を、無理くり押さえ込む程に、下着上下はなかなかにキツく。その分股や尻に、胸にも食い込んでくる。
それだけである程度感じさせられてしまう程…もう一つの仕込み。薬によって熱を帯びている身体。
その肢体を、じろじろと無遠慮に睨めてくる男達の視線は。…相当に。熱を加速させていくのだろう。

セリアス > 「おや。旦那様、とかでもよろしいのに」

頭の中では、悪徳商人とその愛妾とでもなっているのか。
戯れ交じりに、彼女に返しながら。

此方を覗う……ほとんどは、腕の内の少女に向けられた視線。
それに対して、自分のパートナーであると主張するように、細腰に腕を回して。
普段ならば、中性的な容姿である生徒ではあるが、今日の恰好や、表情を見れば。
どう見ても女性にしか映らないだろう。

「さて、何から始めましょうかねぇ……
 私たちも、掛けでもして遊びますか?」

するりと。彼女の腰元を、薄い布地越しの肌を、指先で撫でる。
周囲に、自分の相方を愛でる様子を見せびらかすように、身体を寄せさせるようにしながら。
スロット、ルーレット、カードを使ったゲーム。
店内の其処彼処で煌びやかな衣装の店員が、客と賭け事に興じていて。
少なくないチップが其処ら中でやり取りされている。
けれど、一応は学生の彼女に。大金のやり取りを、まして賭け事を。
直接させるのは忍びない。……そういう、言い訳でもって。

「店員と、お金の遣り取りをするのでなく。私と、イスラ嬢とで勝負をしましょうか」

そんなふうに、賭け事もどき、を。持ち掛けて。

イスラ > 「 おや良いね。…旦那さま。それとも…ふふふ?ご主人さま、でも良いんだよ?」

腰へと回された腕に抱き寄せられれば。そのタイミングもまた、距離がしっかりと縮む為に。また、耳元に囁いてみせた。
普段学院で、出会う際のような、悪戯な物言いが出来る辺りは。どうやらまだ、ある程度は、余裕を残しているという事なのだろう。
それがいつまで続くのかは、きっと。この後の流れ。…或いは。賭け事次第、という風に。なりそうである。
何せハイブラゼールという街、此処のカジノ、という事は。勝ち負けがそのまま、性的な結果へと、直結していても。何ら不思議はないのだから…女性ならば尚の事。
娘が、厳密な意味で女性なのか、は置いておくとしても。此処の所すっかり、そちらに偏っている気がするし…彼に対しても。実際、女として扱われている。
そして、何も知らない、カジノ客達からも。れっきとした女――性的な対象として。欲のこもった眼差しが、向けられているに違いがない。
事実、肌をくすぐる男の手付きや。すっかり身体を預ける娘の態度を見て。どこかの誰かが、舌打ちの一つでも。もしくは、唾を飲む音でも、させたかもしれず。

「 ぅーん…?そうだね、どういうのが――…ぉっと。こほん…」

種々並ぶゲーム類。店員と勝負する物、機械仕掛けの物、客同士が争う物、その他色々。
興味深げに見回しつつも。返事を一度、咳払いと共に区切ったかと思えば。

「 ――では。 …だんなさま、と。一手お願いいたしましょうか―――…?」

傍らから見上げるようにしながら。それこそ本物の妾のように、微笑んでみせた。
そんな風に演じるのも。なんだかんだで楽しいのかもしれない。普段から、娘は…色々と。演じて生きているのだから。

客と客が勝負するというのなら。…矢張り真っ先に思い付くのは。お互いに当たりを掛け合うルーレット…だろうか?
それとも、お互いにカードを引き合うというのも。解り易いかもしれない。

セリアス > 「主人、というのは、意外と大変なんですよ。きちんと、持ち物のケアもしなければいけませんし」

何やら、拘りか。あるいは持論のようなものでもあるのか。
迂遠に主人呼びを厭うような物言いをしながら。
耳元で、まだ余裕があるようなふう、囁いてくる声に。
腰を撫でる手は、そろりと。そのまま、彼女の身体に巻き付いて。
相変らずの、薄布越し。偽淫紋を、すり、すり、と。指の腹で、擦ってやる。
彼女の身体のことは知っている故に、下肢は目立ちにくいよう、スリット入りとはいえ、スカートを履かせて。
そうして、当然の如く、男も彼女を『彼女』として、扱っている。
周囲の羨むような反応には、侍らせている極上の雌をすれば当然とばかりに、赤い瞳を細めて。

「そぅですねぇ。ルーレットで、シンプルに。赤か、黒かでいきましょうか。
 私が勝てば、また別の商品の試用にお付き合いいただいて。イスラ嬢が勝てば……どぅします?」

艶やかに笑む彼女に、男もにやけた顔を返しながら。
そのように彼女が演じるのなら、セリアスも遠慮なく、彼女を一層、身体を寄せさせるように抱く。
まさしく、周囲から見れば、愛妾を侍らせて遊興に耽る、貴族か、成金かというところか。

近場のルーレットテーブルでは、丁度盤が回され始めたところ。

先にどぅぞ、と。彼女に、赤が良いか。黒が良いかと。選ばせて。

イスラ > 「 ………ふぅん?」

そういうものなのか、と言いたげな。何やら興味深げな声が出てしまう。
持ち物という表現については色々。思う所が無いではないのだが――そんな時に、思い浮かべてしまう誰かと。
実際に目の前で言葉を発した、この人物とは。大いに違いの有る別人である為に。言われた事自体については、そう気にしないのだろう。
それに。どのみち、本当の主従関係という訳ではない。幾つかの品物達と同じ、いわばプレイの一環、という事になるのだから。
例えばそれこそ。外観だけを見たのなら、ボーイッシュ寄りな、夜の街の小娘…めいた格好である、今夜の娘が。
年上の異性へとしなだれかかりつつ、「ごしゅじんさま」などという言葉を吐いてみせるのを。
囁き声であれ、直ぐ傍らを行き過ぎた客の一人が、偶々聞き留めたらしく。少しだけ、ぎょ、とした視線を向けてから。通り過ぎていく。
……ふるりと。少しだけ、肌の震える感触を。見られている事に対する興奮が、形となっている事を。淫紋を撫でる彼の指へと。伝えてしまうだろうか?

「 よし、よし、これならボクでも解るから――」

男の選んだルールは。なるほど、非常にシンプルだった。頷いてみせると共に、回され始めたルーレット。
しげしげと見つめるような眼差しを、盤上に転がり始めた白球へと向けながら。

「 …勝てたら、だんなさまに――今度、ご褒美でも。期待してみようかな?
という事で、そうだね、先ずは―――赤でいってみよう?」

今度、という事はきっと。普段暮らす王都へ戻ってから。学院での生活に戻ってから。という事なのかもしれない。
…流石に。成績に色を付けてくれ、だとか。そういうズルはしない…しない、筈、だが。

そうして。程無く回転を止めた球が示すのは――
[1d2→1=1]奇数が赤、偶数が黒
セリアス > 彼女の興味を引っ掛けてしまったらしい、疑問とは別の色を乗せる声に。
少しだけ、困ったように眉根を顰めてから。直ぐに、何時もの薄ら笑いに戻す。

此方を見て驚いた様子の客を見つければ、殊更に笑みを深め、見送ってやり。
指先の、印しから感じる震え。それに、満足するように……或いは焦らすように。
指を離せば、そっと、彼女の腰に添えるだけにして。

「ええ、お互いの勝率もイーブンですし。お試しには、丁度よいでしょう」

廻る、ルーレット盤。からからと、ボールが放られ、幾度か跳ねていく。
そのうちにスムーズに回るようになれば、彼女の選択から、己は黒と。

「ご褒美、ですか? ……ふむ。曖昧なのが、少し怖いですねぇ」

何処までを、どんなことをご褒美と言って要求されるか。
怖くもあるし、楽しみでもある。

彼女は何だかんだと言いながらも、きっと、お互いに楽しめる提案をしてくるはずだ。
……ある程度気心知れてしまっては、悪戯な要求も、甘んじて受けるべきものかも知れず。

そうしているうち、ボールは赤のポケットに落ちる。
嗚呼、と。わざとらしく声を漏らしては。傍の彼女の顔を見て、わざと眉をひそめて見せる。

「あまり、無理な要求はしないでくださいね……?
 さて、もう少し、遊びますか。負債が増えないと、良いのですが。……黒で」

先程は彼女が選んだから。今度は自分で選んで、黒と告げ。
残念、残念と言いながらも、再度回り始めたルーレット盤の前で、少女の尻臀を、
まるで、負けた腹癒せのように。むにゅり、と。掴み、指を蠢かせて。

イスラ > 何処がどう引っ掛かったのか。それを口にする事は……多分ないだろう。
彼とは、こうやって。良好な…そして淫靡な関係を構築していたい。あまり良からぬ感情や。過去に触れるような事は、持ち込みたくなかった。
寧ろそれでも良いと、認めてくれる相手である事も。関係が続いている、その理由の一つである筈。
結果としてこちらからも、男の過去を怪しんだり、訪ねたりする事がない為に。いつまで経っても、相手の正体、という物に。気付けないのだとしても。

さてどうやら。一回目は、娘の方が。賭けを的中させたらしい。からりと音をたてた白い球が。赤の側へと、転がり落ちる。
同じ盤に着く他の客達は、より複雑に、赤の何番に誰某が賭け、チップを手に入れるのか、に悲喜交々の様子を見せているのだが。
そうした客達を尻目に、二分の一の勝利を手にした娘は。ふふふと上機嫌の含み笑いを零しつつ、男の肩へと頭を載せて。見上げてみせる。
途中で下腹から腰へ、そして更に椅子の上の尻にまで。這い落ちていった手に、少し強めに尻たぶを捏ねられて。
ひゃ、と軽く声を揺らしてしまう様子を見せつつも。

「 うん、そうだね?――次は何処に遊びに行くのか。ボクが決めちゃう権利とか…そういうのは、どう?
行ってみたい所。王都だけでも結構有るんだ、ボク一人じゃ面白くないし――」

それがどんな所になるのかを、口にしない辺りが。彼にとっては不安材料になるかもしれないが。
多分それはわざとだろう。不安要素という精神への揺さぶりで。二戦目も、物にしようという魂胆なのである。
さて男が先に、黒の方を選んだから。引き続き、娘の方は赤となる。
ディーラーが、回転し始めた盤へと球を転がして――そして、結果は。
[1d2→2=2]