2021/10/30 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 海の見える喫茶店」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 海の見える喫茶店で、豪奢な闘牛士服を着た男が海を見ている。
夕焼けの海は雄大であるが、何処か寂しさを感じる。
赤という色は、どちらかというと鮮烈さを感じるものなのに、考えてみれば不思議だなと思いつつ。

「ま、そんな事はともかく」

と、センチメンタルな気持ちを切り替えて、取り出したるは小型の魔導映像再生機である。
何気に高価な代物だが、クレスの収入ならギリギリ買える程度である。
音量設定をゼロにして、周囲に音が聞こえないようにして。

「さて、それじゃ試合映像でも見るか。研究研究」

此処最近で闘技場で行われた試合をプレイバック。
今日は一日、仕事の研究に費やすつもりである。
……まあ、それには試合後の"お楽しみ"も含まれるわけだが、後ろから覗き込まない限りはそうそう解らない筈である。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 海の見える喫茶店」にミヤビさんが現れました。
ミヤビ > 「じー」

そんな彼を後ろから見つめる金色の眼。
ハイブラゼールにいろいろな薬を納めに来たミヤビは、知り合いを見つけて後ろからただ見ていた。
ただ見ていただけである。

ついでに彼が持ってる特殊な媚薬の作り方とか教えてもらえないかなーと思ったりしながら見ている。気配などは特に消してもいないのですぐに気づくかもしれない。

クレス・ローベルク > 幾らなんでも、後ろから突如覗かれたら気づく。
最近では久しぶりに会う彼女である。
嬉しさはもちろんあるが、それより何より、圧倒的に困惑の方が強い。
何でこの子、後ろからひたすら見てるのだろうか。

「……あのさ。別に断ったりしないから、席に座りなよ。
店員さんも迷惑でしょ」

男にしては至極真っ当な――試合や仕事さえ絡まねば、それなりに社会性はある方なのだ――事を言いつつ、男は彼女に着座を勧める。
流石に、常に後ろに立たれていたのでは、仕事も捗らないのである。

ミヤビ > 「一生懸命見てるから邪魔かなって思って」

そういいながら、言われるがまま座るミヤビ。
さて、膝の上に座るか、横にぴったり座るか。
少し悩んで横に座ってぴったりくっつく。

「試合の研究? それとも試合後の研究?」

どちらかというと試合後の研究の方が興味があった。
ついでになんかとても長ったらしい名前の甘いドリンクを注文するミヤビ。

「にしても、クレスさん、こんな再生機個人で持つなんて、お金持ちなんだねぇ」

クレス・ローベルク > 「いやまあ、邪魔か邪魔じゃないかって言えば邪魔だけど。
でも、死角に立たれる方が落ち着かないって」

なまじ、一度気配を感じてしまうと、見えない所に立たれ続けるというのはどうも落ち着かない。
敵意はないと理解していても、自分の首筋に常に触られているような不快感を感じる。

「んー、まあ主に試合後かなあ。
言っても、完全に研究する感じで見てるから、あんまりエロい気持ちにはなってこないけど」

見栄えの良い体位とか、行為中に反撃を受けないための姿勢とか、考えることは結構あるからねえと言いつつ。
自分ではちょっと手が出しづらいような甘い系のドリンクを注文する彼女を尻目に、男は再生機の方を見ている。
と、彼女が別の話題を振ってきた。

「まあ、お金があるのは事実だよ。
持った分だけ、こういう機材や媚薬の材料に消えちゃうけど……というか、ミヤビちゃんだってお金それなりに持ってるでしょ」

喫茶店とかやってるんだし、と今度は逆にこっちが質問してみる。

ミヤビ > 「貧乏子だくさんですよ。いや、どっかにお金あるのかもしれないですがアオバとかクレハとか、娘が管理しているので私はどこにあるか知りません」

無責任にポコポコ産むものだから、娘たちからの信用がない。
愛されていないわけではないがそれとこれとは別だ。
喫茶店の収入に、狐村での生産物のあがり、何よりも薬物系は非常に収入が大きいはずだが、ほとんど全部子供たちに渡しているので自由にできるお金はあまりないのだ。

「飲みます? おいしいですよ?」

半分ぐらいストローで吸ったのをクレスに差し出した。

試合後の研究画像は流れていくが、いまいち見栄えは考えたことがないミヤビはどれがいいのかよくわからなかった。

クレス・ローベルク > 「経営者とは思えない適当さだな……」

などと呆れた様に言うが、まあクレスもそこまで計画性を持って金を使っている訳ではない。
この再生機だって、必要だから買ったというだけであり、買った後のことはあまり考えてなかった。
まあ、男の場合収入がファイトマネーなので、尽きたら稼げばいいという考えになってしまうのも大きいが。

「お、いいの?一度試してみたかったんだけど、こういう奴って甘すぎると全部飲めなかったりするからねえ」

今更間接キスをどうこう言う間柄でもない。
ずずず、と飲んでいくが、意外と飲みやすい。
その分、太りやすいんだろうなと思うが、まあ多少甘いものを多く摂った程度で太るような鍛え方はしていない。

とはいえ、その彼女はと言えば、モニターを見て首を傾げている。
どうやら、あまりピンと来なかったようで。

「まあ、そもそもこういうのって男向けだからねえ……。
それに、君の場合性経験が豊富すぎて、見て楽しむってのはあんまりしない気もするし」

実際はどうか解らないが。
しかし、少なくとも娘の数と同数程度には性経験があるはずで。
そんな彼女なら、わざわざこういう映像や試合を見て自分を慰めるという事はしないのではないかという推測だった。

ミヤビ > 「経営は娘たちがしてるようなもんですからね。名義だけです」

実際やりたい放題な自分ではとても経営なんてできない。材料となる食材を育てたり、薬を調合したり。
そんな原材料作り役だからしょうがないのだ。

「見て楽しむのはピンとこないですねー。でもやりたい気持ちはいつも持ってますよ」

とか駄目なせりふを吐き始める。

「ほら、このねちねち責められて狂いながらおねだりしちゃうの徒過興味あります。練習でもしてみますか?」

そんなことを言い始めるミヤビ。
やろうがやるまいがどちらでもいいような、適当な誘いである。

クレス・ローベルク > 「剛毅だなあ……。色々と」

経営を娘に任せるのもそうだし、それだけ多くの娘を持っていて尚、未だに性に興味があるというのもそうである。
正直、何がこの娘を駆り立てるのかと思うこともあるが、多分本能なのだと思う。

「あー、それは俺も好きなんだけど、そろそろ仕事の時間がな……」

今日は夜にも試合がある。
会ってそうそう別れるのも少し惜しいが、タイミングが悪かった。

「また、今度会おう。試合か、それとも街の何処かかは解らないけど」

そう言うと、男は再生機をカバンの中に入れてお会計を済ませるのだった。

ミヤビ > 「あらあら、残念ですね」

時間もいい時間だししょうがないのだろう。

「今度は研究の成果、楽しませてくださいね」

そういってクレスと別れるのであった。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 海の見える喫茶店」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 海の見える喫茶店」からミヤビさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にピッチさんが現れました。
ピッチ > 数多あるカジノの中には、一風変わった場所もある。
客は人間ばかり、に見えるが、実際には人間の姿をした別の何かが多い。
そういった存在たちが羽根を伸ばせる場所であり、
それを知っていて特に気にしない肝の太い人間もいる。
そして何も知らない者は、前者と後者の餌食になる……
少年は何も知らない者に含まれるが、あくまで仕事で訪れただけ。
そういう者は遊戯に興じない分餌食になりにくいが、ならないわけではない。
隣接する様々な宿泊施設や浴場や果てはトイレに残された餌食たちに共通するのは、
結局のところ捕食者を退ける力が足りない、という一点のみ。
薄氷の上にいるとは想像だにせず、少年は配達を終えてフロアの隅を歩き…