2021/10/23 のログ
■キニス > 「ははは、いやはや、その誠実さがこっちにも伝わったよ」
彼女の表情が一瞬にして変わり、営業スマイルであることは見抜いていたが
そこは敢えて触れるということはせず、ハンカチを辞退されれば胸ポケットに収める。
「そうだぞ。お兄さんはイケメンなんだぞ。
はは、俺も酔わせて何かしようなんて考えちゃいないさ。好きなのを頼みなさいな」
彼女の言葉を聞けば、そのノリに乗って、笑顔で返す。
あくまで酔わせて何かしようとは考えておらず…というか、こちらは一応、仕事中の身。
酔ってもらっては逆に困るなんて思いながら、彼女に注文をゆだねる。
ちなみに足は何回か踏まれた。
頑張って、笑顔で耐えた。
「どうもイケメンです。
…あぁ、よろしくジギィ。俺は『キニス』。
まぁ、君と同じアルバイトだよ。と言っても、カジノに雇われているわけじゃないけど」
紹介をされれば、マスターに自己紹介をしつつ、こちらはワインを注文する。
ぐえーっと机に突っ伏す彼女の言動に幻滅するよりかは、むしろその表裏の無い行動に好感を得て。
胸に手を当てて、自己紹介を済ませる。
■ジギィ > 「よろしくーイケメンキニスさん。
そっか、同じアルバイトなんだ。普段は何してるの?
ちなみに私は、こう見えても冒険者とか占い師とか薬師もやってるー」
冷えたタオルの反対の手に冷たい水が届くと、ありがと、とマスターに言葉だけ伝えてずずずとグラスを引き寄せ身体を起こす。
ひとくち、飲むとすうっと汗が引く感覚。
「まー…みたところ、おちぶれた3男坊か、こわい組合の3番手ってとこ?」
タオルで額を押さえつつ、首を傾げるようにしながら相手をまじまじと見つめて、真面目顔で告げてからけらけらと笑う。少なくとも、彼はカジノに連なる職業でカシコク儲けを得ようという職業には見えない。
「我慢強い所をみるとー……どっかのお嬢様のイケメン家庭教師とか」
女エルフはふたくちめを口に含んで、勝手な事を言ってはまた笑っている。
■キニス > 「ただのキニスでいいよ。かわいいジギィさん
へぇ、冒険者っていうのは予想出来たけど、占い師と薬師かぁ…
今度、俺のことも占ってもらえるかい?」
こちらもワインが届き、乾杯をしようと思った矢先、彼女が一口飲んでいる様子を見て
(まぁ、いいか)といった具合にこちらもワインの匂いを楽しみながら口に含む。
この世界に冒険者は多い。
神官兼冒険者だったり、魔王兼冒険者だったりと。
ただ、占い師という単語に惹かれ、彼女に冗談交じりにそう問いかける。
「何故全部3番目なんだ?俺結構強いんだけどなぁ…
はは、家庭教師。悪くないね。ませたお嬢様にはモテるかな?
正体は君と同じ冒険者だよ。意外じゃなくて悪かったね」
彼女の言葉を聞いて、こちらも笑いながら一つ一つの言葉に返す。
こんなにも色々と言葉が思い浮かぶ女性は久しぶりで、ついつい自然体で話をしてしまって。
■ジギィ > 「いやん、ありがと。よく言われるー
貴方の事占うの?いいよー
何か悩みでもあるの?恋バナ?恋バナ?」
かわいい、に関しては片手の拳を口元に当てて上目で見て見せる。本気なのか冗談なのかはわからないが、兎に角軽い口調だ。
ただ恋バナの辺りはかなり強め。ネタに飢えた女子の目つきで、ずいっと男の方へと乗り出す。
「まー見ての通りのエルフで割と長生きだから、多才なの。
占いは精霊が教えてくれる範囲だから、そおねー…来年の大根の収穫量とかはよく当たるよ」
割と真剣な口調で答えてみせて、片目でウインク。ふふふ、と笑ってまた水を一口。ライムが口から鼻腔へと香って、若草色の瞳を細める。
「何言ってるの、3番目は大体『秘密を抱えたイケメンキャラ』なんだからいいポジションだよ!…まあ、子悪党とかだったりも多いけど(小声)
へー、強いんだ? 前衛だったりしたら、どっかで依頼いっしょになるかもねー。
ここの国のお嬢様の家庭教師とか大変そうよね。イケメンキニス先生、貞操の危機になりやすそう」
カウンターに寄り掛かりながら、すごくすごく無責任な会話を続けている。
またタオルで額をぬぐうとすっかり汗は引いたようで、マスターへお礼を言ってカウンターの向こうへと返して、改めて彼へ視線を戻す。
「キニスは結構この国に住んで長いの?私は割と新参者なほうで、まだあんまり地理がよく解ってなくて」
■キニス > 「はは、よく言われると思って言ったのさ。
これからの人生の事とか…かな。
いや、恋の悩みは今のところ無いよ!?ってか相手居ないし!」
そんな彼女に対して、こちらも冗談交じりに笑いながら返す。
占いの内容に関して告げている最中に茶々が入れば少し赤くなってそう反論する。
少しだけ、彼の本音が出ているだろうか。
「流石エルフ。アンタらの種族にゃ敵わないなぁ…
んっ、そんなもんなのか…」
人生のことは難しいかと、しゅんとする。
彼女に合わせてワインを仰ぎ、身体にアルコールを回して。
「それって2番目とか2枚目って言うんじゃないか…?
そうだな。俺はかなり強いぞ。おまけに前衛だし、今度どっかの依頼でも行くか?
確かに…お嬢様って聞くと大体高飛車か、清楚か…はは、俺のせいで戦争なんか起きたら大変だからな。
手出しは一切しないさ。」
彼女の無責任な言葉にも一言一言丁寧に返す。
ちょっとツッコミを入れながらも、イヤイヤではなく楽しそうに会話を続けて。
「俺は…そうだな。もう何年住んでるか忘れてしまうくらいには、住んで長いよ。
はは、なら、この国の名所を案内してやろうか?」
少し意味深に、言葉を紡ぐ。
その表情には一瞬、陰が差すが…即座に笑顔に変わり、彼女をデートに誘って。
■ジギィ > 「まあまあ、うすらぼんやり希望か絶望かどっちでも取れるようなものは示してくれるから、今度いちど試したげるよ。ちなみに、コイバナになったらネタ頂戴ねー」
しゅんとする相手に呑気に景気づけをして、ちゃっかりネタ提供の約束を取り付けようとする。気にするな、とでも言うようにひらひらと手を振って見せて、カウンターに寄り掛かったままワインを仰ぐ相手をにまーと笑って見守る。
「そういえばどうなんだろ?この国でもそーいう『責任取って』みたいな脅しって効果あるのかな。この間街の薬屋に入ったらふつうに『貞操を復活させる薬』とか売ってすごくびっくりしたけど…
あ、ううん、名所はいいや。
代わりに何か、変な植物生えてそうな所とか、変な動物が居そうなところとか教えて欲しいなー」
瞳をくるりとさせ、考え込む様に言葉を告げた後
後半は両手を握り合わせて『おねだり』のポーズ。内容が内容なので、色気とかは無い。むしろ感じたらそれはそれで不味い。
彼が良い淀んだところは気付かないふり、デートのほうは本気で気づいていない。
「薬草とかのため、ってのもあるけど…変なもの見るの、好きなの」
最終的には完璧に変人の言葉だ。
■キニス > 「希望か絶望か…わかった。是非とも頼むよ。
はは、あるかなぁ~?そんなこと」
彼女の言葉を反芻し、ネタ提供には苦笑いを浮かべて頬をかく。
笑う彼女に対してこちらは素直に笑えず、「はぁ」とため息をついてワインに口を付け。
「ある所はあるような…貞操というよりかは、襲った事実を差し押さえられるからな。
本当に跡取りが欲しい時はその薬を使わないってなるんじゃないか?
あっ、そう?…変な植物と動物か…変な……」
彼女の疑問にそのように返す。
ただし、自分も貴族・王族の相続のあれこれには詳しくない。
自身の経験に基づく予想を立てながら、デートをきっぱり断られたことに少しショックを受ける。
しかし、それは表に出さず、彼女の変な植物・動物発言にどこが良いかと思考を巡らせ。
「変なもの……んーーー…ちなみに、今まで見た中で一番変なものってなんだった?」
腕を組んで、思考を巡らせて、彼女に言葉を投げかける。
自分は世界を旅をしすぎて変なもの…もとい、珍しいものは見慣れ過ぎているところがある。
目の前の変人の発言をする彼女に引かないのも、彼女のような人物をたくさん見てきたからだ。
だからこそ、逆に変なものが何か、正確には『彼女にとって変なものは何か』わからなかった。
■ジギィ > 「『人間万事塞翁が馬』よ。シェンヤンの言葉だったかな?」
苦笑いと溜息をつく相手を見て意味深にエルフは笑う。
こちらもライム入りの水をもう一口。それで空になってしまったグラスをまたマスターに「ごちそうさま」と言ってカウンターの向こうへと。
「そうねえ、例えば地中に花を咲かせる植物とか、とある動物の頭にしか生えない花とか、ある種の昆虫と共生していて、その巣でしか育たない植物とか苔とか…
動物だと…海の生き物かな。うん。森の生き物は大体変とは思わないけど、海の動物は変。イソギンチャク?とか、珊瑚とか」
思い出すように視線をシャンデリアの下がる天井へと向けて、背中をカウンターに預けて『変』なものを指を折りながら上げていく。
言い終えると独りうん、と頷いて。
「そうね、海の生き物は大概変だから、こんど行ってみる!」
ひとりでに行先は決まったようである。
満面の笑みを浮かべ、ありがとう!と彼の空いている手を握ってぶんぶんと上下に振るだろう。
そうやって元気に何回か振った後、女エルフはおもむろにふわっと欠伸を零す。
「……ごめん、眠くなってきちゃった。
そろそろ裏に下がるよー」
彼の手を開放すると、涙の浮かんだ目を擦る。
■キニス > 「あぁ、人の幸、不幸は予想出来ないって例えだったかな?
そんな言葉よく知っているな」
伊達に長く生きてはない、とエルフの知識に感嘆の声を上げる。
自身の彼女と同じタイミングでワインを飲み干し、グラスをカウンターの奥へ押し込む
「ふむ…なんかどれも心当たりがるようなないような…
イソギンチャクとか珊瑚が珍しい…?」
彼女の言葉を聞いて、自分の旅で出会ったかどうか思い出す。
その後の海の生き物についてに移れば、一気にレベルが下がったようで逆に不思議そうに彼女を見る。
「あ、あぁ、何も言ってないけど、解決したようでよかった」
海の旅も何年かしたことがあり、海の更に珍しい生き物を述べようとしたものの
既に彼女の中では完結してしまったみたいで、手を取られればブンブンとなされるがまま。
終始彼女のペースで困惑しつつも、次の瞬間には疲れたようにあくびする彼女を見て
「それなら、今日はこの辺でお開きにしよう。
俺も仕事が残っているしね。裏への扉まで送るよ」
椅子から立ち上がって、彼女に手を差し出す。
それは、馬車から降りる姫を迎える紳士のような手付きで…
その後は、不慣れなヒールで歩く彼女をサポートしながら、バックヤードへと送り、自身も護衛の仕事へと戻るだろう――――
■ジギィ > 実はそれほど長く生きていないが、ふふ、と更に意味深に笑って見せる。
森で生まれ育ち、そちらへの造詣はすこぶる深く仕込まれたものの、海に関しては知識はまだまだだ。甲殻類も貝も珍しい。
薬師としての生かし方はどこかで学ばなければならないかも知れないが、兎も角も出来る事の幅が広がる予感に胸の内はホクホクだ。
「ん?ありがと。年寄りに優しいなんて、やっぱりキニスはイケメンだよ」
手を差し出してくれるそれに素直に縋ると、もう片手でぽんぽんと彼の背中を叩くのは余計な仕草だったかもしれない。
バックヤードへ導いてもらう途中また危うく彼の足を踏んづけそうになりつつ、今宵の仕事を終えたエルフは宿へと帰途に付いただろう。
明日以降の、海への散策計画を胸に。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ会場」からジギィさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ会場」からキニスさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にピッチさんが現れました。
■ピッチ > 数多あるカジノの中には、一風変わった場所もある。
客は人間ばかり、に見えるが、実際には人間の姿をした別の何かが多い。
そういった存在たちが羽根を伸ばせる場所であり、
それを知っていて特に気にしない肝の太い人間もいる。
そして何も知らない者は、前者と後者の餌食になる……
少年は何も知らない者に含まれるが、あくまで仕事で訪れただけ。
そういう者は遊戯に興じない分餌食になりにくいが、ならないわけではない。
隣接する様々な宿泊施設や浴場や果てはトイレに残された餌食たちに共通するのは、
結局のところ捕食者を退ける力が足りない、という一点のみ。
薄氷の上にいるとは想像だにせず、少年は配達を終えてフロアの隅を歩き…