2021/09/23 のログ
■グライド > 「カジノとしてやりたい以上、観光名所にされても困るってこったろうな。
それに、眺めが良いってだけなら、まぁ、他にもある。」
(この街は初めてか、と、問いかけるのは
光も人も、喧噪も。 全てが初めて見る光景であるかのように、眺める瞳が有るからか。
そして何より――相手が、其れを隠そうともしないなら。
首を傾け、それから、ふぅむ、と少しばかり考え込むように視線を空に向け。)
「―――――……小遣い稼ぎで良いんなら、用心棒の仕事は紹介してやれるがな。
そうじゃあ無いんなら、そうだな…、……戦争、討伐、護衛。
傭兵か、冒険者の仕事辺りになるが。 ……何処かのギルドで登録はしてるか?」
(ハイブラゼールでも、王都でも。 冒険者や傭兵のギルドは存在する。
勿論、其処に頼らず個人で活動する様な者も中には居るが
先ずは、相手がどの程度まで、この地に根を張って居るかを、問いかけよう。
――戯言の様な調子である事は、判って居るが。
あながち、全くの冗談とも思えなかった。)
「登録してるんなら話は早いがな。 ま、そうじゃなくても、伝くらいは作れる。
―――明後日、此処で俺様の仕事が在る。 内容は単純、商隊の護衛だ。
王都までの道程だが…相方として、紹介しても構わねぇ。」
■イファ > 「そんなものか?ほかにもっといい所があるとは恐れ入る。
難しいな、商売というものは」
単純に自分に金があれば訪れるだろうと思ったのだが
すわ、ヒトの世にはもっと煌びやかな場所だかがあるらしい。
言ってから、男に向けていた身体を再び景色へと向けて、柵から乗り出すようにして下を眺める。
言われてみれば、特段眺めが面白いから、というより
喧噪を静かな場所から眺め降ろす、この時自体のほうにに価値を感じているのかもしれない。
「いや…特に登録はしていない。この国に最近来たばかりでもあるし、少し脛に傷持つ身でもあってね。どうするか様子見しているんだ。
まあ。その様子見ついでにまんまと巻き上げられてしまった訳だが」
肩を竦めるようにして笑う。黒髪の下で女の肩が揺れるのは、背後からでも確認できただろう。ひゅうーとまた夜風が吹いて、何処かで風見鶏が回っているような乾いた音が聞こえた。
「戦争は嫌いじゃないんだが、今は受けられない。
……それは、助かるな」
明後日、と男の言葉を繰り返しながら再び身体を向ける。
本当か?と少し問うような視線が男を見上げているだろう。
「生憎と、器用じゃない。魔法の類は使えないが、露払い程度には役に立つことは約束しよう」
言いながら女は、片手を、両腰に履いている刀の一つに沿える。
そうやって真摯に男を見てから、ふと首を傾げて
「……貴方の相方というなら、どちらかというと魔導士などのほうが向いているのではないか?」
傍から聞けば余計な一言を告げる。他意は全くない、ごくごく不思議そうに。
■グライド > 「そりゃあな、此処に人を入れるってこたぁ、従業員も増やさにゃならん
下がカジノな以上、此処でイカサマの仕込みが入るとまずいから、ちゃんと目の良い奴をなぁ。」
(結果どうなるかと言うと、管理が面倒、と言う最初の問題に戻って来る。
勿論、諸々解決させたうえで、屋上を開放しているカジノも有るだろうが
それは、初めからそう言った目論見でやって居る訳だから、別の話。
もっと高い建物だって有るし、何なら、酒が飲める場所だって有るだろう
そう言った所と張り合うのは、分が悪いと言う訳だ。 己に言わせれば、だが。)
「そうか…なら、実績作りって意味でも先ずは仕事だな
こっちにもギルドは在るが、王都の方が何かと仕事の数は集まり易い
内容も、こっちは護衛とか用心棒だとかが多いからな。」
(王都まで、護衛をして戻った後で、ギルドでの登録をすれば良い、と
あくまで提案、では在るが、さて、相手の反応はどうだろうか。
嘘は言わねぇ、と、聞き返して来た相手に返せば。)
「……事情持ちなんざ幾らでも居る、気にするない。
良いんだよ、魔法使いだろうが犬歯だろうが、選り好みなんざしねぇ
戦場で、そんな贅沢に構成なんざ選んでられねぇからな。」
(バランスを考えれば、と言う相手の言葉は最もだが
相方が誰でも、問題無く動ける方が良いに決まって居る
それに、元々単独での仕事だ。 無論、別口で集まる連中も居るが。
単純に頭数一人増えれば、戦力強化にゃ違いない。)
「まぁ、嬢ちゃんが其れで良いなら、当日直々に話してやるさ。
少なくとも二日はこっちに留まって貰うが…宿くらいは、融通してやる。
俺様と相部屋、でも構わねぇがな?」
(スカンピンの相手に、宿代が在るとは思って居ない故に
後半、冗句交じりに言ってみるのは、男の甲斐性と言う奴だ。
実際、其の方が安上がりには違いない訳だが)。
■イファ > 「なるほど。どうやら考えが単純すぎたようだ。私に商才はないな」
男の回答を最もだ、と頷いてから自嘲にしてはからっと笑う。
それからまた女は腕組みをして柵に背を預け、うっすらと微笑んだまま話に聞き入る。
「頭数合わせでよければ護衛や用心棒でも良いが、余りまだ街中で獲物を振り回すに加減が出来ない。当の主を切ってしまいかねなくてね。
そう言って貰えると、助かる」
事情の事も、己の能力の事も、全て踏まえてくれるという相手に、腕組みを解いて律儀に頭を下げる。それから上げた顔は生真面目に相手を見るが、緩く首を左右に振って背筋を伸ばす。
「大丈夫だ、宿代くらいは残してある。
明後日だな?集合場所はどこだ?」
集合場所と旅程との詳細を男に聞いて、その場はあっさりと別れることだろう。それもまた、女の人付き合いの下手さを示す事になっただろう。
後日その集合場所に現れた姿が、一見性別も解らぬほどの重装備の鎧兜姿であった時
果たして男は『選り好みなどしない』と言った言葉を後悔したかどうか――――
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ屋上」からイファさんが去りました。
■グライド > 「大丈夫だ、俺様も別に商才が有る訳じゃあねぇからな。」
(言うは易いが、実行し、継続するのはまた違う
そうでなくば、己は傭兵などやってはいないだろう
女が仕事の話を聞くのなら、己は事細かく、その内容を伝えよう
別段秘匿事項など無い、人が増えるなら、向こうにとっても都合が良いだろう
今は盗賊も多いと聞く。)
「そうかい? んじゃ、当日は街の大門前だ。
それなりにデカイ馬車組だから、直ぐ分かるだろうよ。」
(女が宿に困らぬと聞けば、成程、と。
集合場所を伝え、きっと己も、あっさりと、見送る
――流石に、当日になって、今宵とは似ても似つかぬ重鎧がやって来た折
己もまた、同じ様に全身鎧の姿であったことを恐らくは
その場にいた善人に、冷やかされるくらいはしたかもしれないが――)
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ屋上」からグライドさんが去りました。