2021/08/06 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】 カジノ 特設ステージ」にロブームさんが現れました。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】 カジノ 特設ステージ」からロブームさんが去りました。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】 カジノ」にロブームさんが現れました。
■ロブーム > 「……ふうむ。意外と勝てんものだな、カジノというものは」
タキシードを着た太った男が、そんな風に渋い顔を作ってみせる。
先程、テキサスホールデムにて大量に持っていかれた後の台詞である。
今は、カジノホールをふらふらと彷徨いているが、とはいえそれは彼がオケラになったという訳ではない。
彼が手の中で弄んでいるチップケースの中は、最高価値を意味する紫のチップがたんまりあるのだから。
「神に嫌われるような事をしているのだから、運否天賦では敗けて当然――とも言えるか。別に儲けが欲しいわけでなし」
と、意味深に呟く。
実際、彼は負けが込んでいるにも関わらず、然程困った表情はしていない。
チップは、減ったらまた換金して足せばいいとでも思っているかのようである。
では、何故この様な場所で金の浪費をしているのかといえば――
「(美しい心を持つ者がもしいたら、それに越した事はない、が。
それより何より、私の資金力を周囲に見せる事が今回の目的――だからな)」
悪い言い方をすれば、売名行為である。
派手に散財すればするほど、彼の顔を多くの人間に覚えてもらいやすい。
だから、ロブームとしては、なるべく派手に金を使いたい。
「(とはいえ、ただ金を使うだけではインパクトに欠けるか……何か、面白い勝負でもできれば良いのだが)」
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】 カジノ」にユエインさんが現れました。
■ユエイン > 「むふふふ……やはり大きいカジノは羽振りが良くたいいのう。ファイトマネーだけで他の所とは桁が違うとは」
顔の上半分を覆う狐面の下、緩んだ口元を隠さずにニヤつきながらフロア内を歩くのはチャイナドレスを纏った長身の女性。
先程まで下のフロアに設営された闘技場にて試合を行い、その勝ち分を受け取った女は次の試合が組まれるまでフロアを徘徊して時間を潰していた。
「勝利の美酒…と行きたいところじゃが生憎そうもいかん、うーむ……」
ギャンブルに興じて時間を潰すにも手頃なテーブルはいずれも塞がっており空きそうにない。いよいよ手持ち無沙汰となったそんな中、近くのバーカウンターに座る客から妙な客の話が耳に入る。
大金の賭けを躊躇いなく行い負け続けても特に気にする様子もない男。
様々な噂を飛び交わしながら客らが指指す先にいた件の男に興味が湧いたのか、女はカツカツと男の方に歩み寄り声を掛けた。
「お主、もしやギャンブルのやり方を知らぬのか?もし良ければ儂が教えてやっても良いがどうじゃ?」
■ロブーム > 「……む?」
いっそ、勝てばカジノの経営が傾く程金を賭けてしまおうかと考えていたその時。
狐面を被った女性から、急に声をかけられた。
その内容は、ギャンブルのやり方を教えてやろうと言う、初対面の相手には失礼とも言える物言いだったが、
「(しかしまあ、仮に好奇心だったにせよ、親切で声をかけたのは事実であろうな)」
流石にそれを以て美しい心を持つ、と言うには些か小さな親切だが。
とはいえ、小さくとも親切は親切。
無碍にしたのでは、自らの信条に関わる。
尤も、無碍にせずとも、その親切を裏切る事はあるかもしれないが――裏切りと騙しは悪魔の常套手段である。
「おお、お嬢さん。ご親切に。
そうですなあ、金はあまり心配は要らないのですが。
何分、負けてばかりでは面白くはない」
と、人好きのする笑みを返す男。
実際問題、勝とうと思えば何時でも勝つ事はできるのだが――それは彼の扱う高度な魔術や、数百年の時を生きる手慰みに覚えた手技に依るもの。
真っ当なギャンブルの方法、となると、少しばかり疎い。
なので、教えてもらえるなら嬉しいのは、嘘ではないのだ。
「して――どの様にして教えて頂けるのですかな?
口伝か、それとも実践か。どちらでも構いませぬが」
■ユエイン > 「ふむ……話しかけたものの特に考えてはおらなんだ。」
完全に勢いで話しかけた故に先の事は考えておらず、恰幅の良い男の言葉に顎に手を添え思案する様子を見せる。
「無難にカード……それかルーレットが良いか?それともお主、何か興味のあるギャンブルはあるかの?試合を待つ身ゆえ出切ればあまり時間が掛からないものだとありがたいのじゃか」
男にそう返しながら辺りを見渡す。大型カジノ故一通りのメジャーなギャンブルは揃っており、幸いその殆どに一応の経験は女にあった。どれを言われてもトンチンカンな説明をするは目になるということは無いだろう。
■ロブーム > 「成程。まあ、偶然の出会いですからなあ」
流石に、彼女が自分を探していたと思うほど、自惚れては居ない。
咄嗟に声をかけたというだけなら、具体案が無くても仕方がないだろう。
しかし、そうなると話が終わってしまう。
カード、ルーレット、ダイスゲームなどもあるが――しかし、時間がかからないゲームとなると、難しいもので。
「そうですなあ。それでは、カード……ブラックジャックなどは如何でしょう?」
然程時間がかからず、長考も生じづらいとなると、ポーカーよりはそちらだろうと考え、提案してみる。
■ユエイン > 「ブラックジャックか、悪くないのう。ならば……これ。そうそう、そこのディーラーじゃ。」
教えるギャンブルが決まり、テーブルを見渡せば少し離れた場所にちょうど参加者がいない卓があった。
ディーラーに事情を話し、少しテーブルを貸して欲しいと頼めば男が上客であるのを把握していたのだろう。フロアのスタッフらとやり取りをした後、カードをセットした状態でテーブルが譲り渡されて。
「お主、よほど気前良く浪費したのう……少しの間じゃが貸してくれるそうじゃ。とりあえず儂がディーラー代わりをするからほれ、まずは手札からじゃ……」
噂以上の男の散財っぷりに呆れながら慣れた手付きでカードを配り、ルールや賭け方、簡単なノウハウをテーブル越しに教えていく。
深い技術や心理的な作戦等までは流石に教えられないが勝負する分には困らない知識は伝授出来る自信があった。
■ロブーム > 「いやはや。お恥ずかしい。久々にこの様な場所に来たというのもあって、少々浮かれ気味だったのかもしれませんな」
等と、照れた様な笑みを浮かべながらも、しかし一度説明が始まれば真摯に聞く。
ルール自体は既に知っていたので、講習を始める前の復習と言った感じだったが、ノウハウについてはある程度参考になった。
「(流石に、遊びと散財を目的としているのに、数学的な確率の計算などやらんのでなあ……)」
とはいえ、それも割とあっさり飲み込んでしまう――
打てば響くというか、人生経験が百年単位で豊富であるため、一を聞けば十を察してしまうからだ。
「ふうむ。中々面白い。
そういえば……いや、そういえば、といえば」
と、そこで何かを思い至り……しかし、それを話そうとした所で、別の事に気を取られた。
別のこと、というか、基本的なこと、であるが。
「まだ、お名前をお聞きしておりませんでしたな。
私は、ロブーム。王都の方で商いなどをやらせて頂いております」
■ユエイン > 「随分と良い身なりをしておると思ったか商人じゃったか……そういえばすっかり紹介を忘れていたのう」
恭しく自己紹介をする男に対して狐面を外し顔を晒して見せる。
「儂はユエインという者じゃ、退魔師をしておる。普段は王都で仕事しておる故、お主も何かあれば相談に乗るぞ?」
テーブルに軽く身を乗り出してそう告げると、先程までディーラーをしていたスタッフが女の方へ話しかけてくる。どうやら次の賭け試合のマッチアップが決まったようで。
「っと、すまぬな。次の試合が決まったようじゃ。儂はこれで失礼するぞ?」
カジノを楽しんでくれ、と言葉を続け、踵を返すとそのまま下のフロアへ続く扉へ女は歩いていく。
■ロブーム > 「成程、退魔師。
試合というのは、此処の賭け試合でしたか」
ある意味、ロブームの天敵に近い様な職だが、しかしそこで怯えるほどロブームの初心ではない。
どちらかというと、狐面を外した、整った顔の方が、印象に残った。
「うむ、その時は頼りにさせていただこう。
……と、お時間か」
スタッフが彼女に話しかけてくれば、男も特に引き留めようとはせずに。
そのまま、彼女を見送って、解散の流れになるのだった。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】 カジノ」からユエインさんが去りました。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】 カジノ」からロブームさんが去りました。