2021/05/04 のログ
エレン・ローズマリー > 屋上といえば、開放的なその場所で酒場を催すことが多い
もしくは 人知れず という言葉があるように、どこか秘密めいた休憩所のように用いるだろうか
故に、施設内とは違う静けさとくつろげるこの場所を、なんとも満月が濃い日だからと
今日は月光浴の場として開かれた静かな場所に仕上がっている

エレンや他の夜が好きな部類
月明りに密接する獣の者
ハイブラという熱に火照る体を冷ますように、この涼夜の空気の中、月明りを存分に浴びながら力を抜いている。

ビーチチェアのようにくつろげる椅子と最小に抑えられたランプが一つ置かれたテーブル
その組み合わせが点々と広がっている 明かりがそれぞれの領域を区切り、示すかのよう
その淡いぼんやりとした洋燈は月明りを遮らず、テーブルに静かに控えている。

エレンはこの屋上で広く、月明りや星見の場に使用されそうな場所で端寄りのほうで寛いでいた
小柄な体は赤いブーツを交差させ、木造りの寝そべり椅子の上で何も考えずに月明りを浴びている。
愛用の拳銃は脇に差し込んでいても、剣は傍に立てかけているだけで全くの、無警戒の姿。

何の明かりもない草原を青白く染めることができそうな光量
明かりの絶えないこの一帯で言えば、余計な明かりの無いこの場所はここは一番月明りが全身に塗されてくる
スタッフがテーブルに静かにおいていった、濃厚な橙の果肉色で満ちたトロピカルグラスが一つあるだけ
そのカクテルと思える濃厚な甘さと酒気が漂うそれを、掌で掬うように携えては、ストロー状の管に指を添え、ゆっくりと飲み下し。

「……今日はもうお仕事、お休みにしようかしら。」

一時の休憩のつもりが、ハイブラ内でまだ勤めをするべきであるのに
朝を迎える前は働くべきが 濃い満月が、私を離さない

ご案内:「港湾都市ダイラス ハイブラゼール 屋上 月光浴場」からエレン・ローズマリーさんが去りました。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】」にリーアンさんが現れました。
リーアン > 其の日、己はいつもの長袍姿ではなかった。

艶やかな紫の、シェンヤン風ロングドレスに、同系色の布靴。
櫛目も美しい髪に藤紫の花を飾り、薄化粧まで施した己は、
天鵞絨張りのどっしりとした肘掛け椅子に深く腰掛け、項垂れて目を伏せている。
細い両手首は其々、肘掛けに枷で繋がれていたが、
此処へ運ばれる際に盛られた、弛緩作用のある薬はそろそろ、
効果が薄らぎつつあるように思えた。
そっと握り込もうとした指は、大分滑らかに動くようになっているし、
聊か朦朧としていた意識も、随分とはっきりしてきた。

日々、不確かな情報に振り回され続けている感はあれど、
持って生まれた性格上、探索を止めることも出来ない。
本日、競り落とされる『商品』たちに混じり、最も近い場所で、
情報の真偽を確かめたかった。
勿論、本当に売り飛ばされては堪らないので、競りが始まる前には、
何とか拘束を解き、逃げ出さなければならないが――――、

其れにしても、異様な熱気を感じる。
帝国からの女など、然程物珍しくも無かろうに、
買いたがる男が、未だ、此れだけ居るということか。

「……全く、腐ってる」

呟く声はきっと、誰にも聞こえない。
僅かに尖らせた唇も今日は、普段より紅く、濡れたように彩られていた。

リーアン > そう―――――――もう、少し。
じりじりと薬の効き目が失せるのを待ちながら、周囲を窺う。

そうして、己が目に映ったものは―――――――。

ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】」からリーアンさんが去りました。