2020/09/02 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】」にボジェニスさんが現れました。
■ボジェニス > その日、ボジェニスは元の故郷であるダイラスへは久しぶりに戻った感覚だった。
いつものように日焼けした肌を包むオーソドックスな、白の生地に縁取り模様に染料を用いたローブ
手には巻貝を模した朱杖を握り、人が雑多に存在するつぎはぎだらけの箱の中を歩く。
「なんだコレ……いろんな建物がくっついてるのカ……?」
狸に化かされた小路のよう
ひとつの巨大な商店街とも言うべきか
賭場や搾取された者が目立つらしいものの、酒場や売り店もおおくくっついている。
船着き場では海を感じることができるのに、ここでは感じ取りにくい。
品物も輸入も含めるのかより取り見取り。
建造物の中だから、屋根もあり潮の香もしない。
はぇー……と歩きながらも スン、スンスン
フードを外すとひとつの出店へ。
多足貝の香りがするものの粉焼きらしいそれ
ジュウジュウと焼ける球体なそれは、葉折りのケースに乗せられていく。
「おばちゃん、アタシにもひとつくれないカ」
値段は出ていたのでゴルドをあらかじめ払うと、ぶつ切りにした多足貝を生地に入れ
焼きながら整え、発酵ソースと粉乗りに出汁魚の削り出し。
うねうねと踊っているそれを差し出され、受け取りながらどこか場所を探すようにうろつき始め。
■ボジェニス > 箱の中はどうにも馴染みにくいように、人が雑多に通る太通りを行く。
ベンチなどはあるはずもなく、一角の段差で腰を下ろすようにして場所を決めた。
杖を膝に置き、片手で器用に結わいを解くと、まだ皮がカリッとなっているままのそれを串に刺してパクリ。
「あふっあふっ」
粉の海苔味が効いている。
中は多足貝の出汁が滲んでいるほかは、潮葱の味がする。
「なんだ、意外とそれっぽいのもあるじゃないカ」
もっと気軽に、都市の中で海のものを食べながら潮風を浴びる
仕事の依頼をこなしながら民と交流するようなものを考えていただけに、この発展した複合商場は未知のもの
はぐもぐと屋台飯といきながらも、あまり長居はしないほうが良さそうな空気を、ボジェニスは感じ取る
「此処より都市の中を歩いてるほうが馴染めそうだナ。
食べたら行くカ。」
にしてもこれ、美味いナ
あんむっと海苔と魚と貝の味が混ざり合う、粉焼きの屋台飯を良ーく噛んで味わい。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】」からボジェニスさんが去りました。