2020/03/16 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にロスマリヌスさんが現れました。
■ロスマリヌス > 歓楽街の夜には、派手な格好の女など珍しくはない。それは貴族の令嬢であったり、趣味の悪い女冒険者であったりもするが、大抵は娼婦だ。
「らん……♪らんらら、ら……♪」
鼻唄を唄いつつ往来をごく当然のように歩くはぐれホムンクルスのロスマリヌス……「マリア」も娼婦のようなもの。が、娼婦(もどき)であることを差し引いてもその風体は異様だろう。
ペンキを塗ったようにド派手なピンクの髪が腰を通り越して膝裏まで伸び、膨らんだ乳房は子どものような背丈に見合わぬ……というより、もはや人間離れしてすらいる。大きいとか、豊満であるというよりいっそ「巨大」な膨らみ。
■ロスマリヌス > 道行く人々が好奇の、あるいは嫌悪の視線を投げ掛けても、マリアはまるで気にしない。そんなものはいつものことだし、そもそもそれがどのような意味や意図を持っているのか気づいてすらいない。
マリアは娼館街が好きだった。というよりも、そこに漂う男の欲と精の匂いが、だろうか。
「ふふん、ふふーん、ふん……♪」
隠しきれず、下半分を剥き出しにした乳房は、マリアがスキップをすれば大きく弾み、上にかぶせられているに過ぎない布切れはめくれ上がりそうになる。これで(やや物好きな)男を誘惑しているつもりがないと信じてもらうには、子ども同然の純粋そうな笑顔だけを見てもらうほかないかもしれない。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」に断さんが現れました。
■断 > 港湾都市に並ぶ賑わう店で、「喜食館」というレストランの料理人の男は、
ここにしか流通しないダシをとる乾物やスパイスなどを買い漁っていた。
一月ぶんほどのそれを紙袋におさめ、両手で抱えてどのようなメニューにするか思案しながら歩いていると、娼館や客引きが増えてきた歓楽街を通り…
「よし…と、これで当分は材料の心配も―――んおっと…っと!」
姦しい女の声や、欲望を掻き立てる匂いや光にうつつをぬかしていると、
紙袋を抱えて少し不自由な視線のせいで、ぽむ、と自分より小柄な誰かとぶつかった感触が、下半身に。
そのサイズ感から、この場に相応しくはない小さな子供とでも接触事故をおこしたかと心配し、すぐさま屈んで手を差し出す。
「悪い!…大丈夫、…―――かな?」
と、印象に遠くはない小柄で幼な気な顔立ちに対する、柔らかな感触の正体…盛り上がるふくよかさに目を奪われて、
倒れ込んだか、バランスを崩している相手に手を差し出した格好のまま、数瞬かたまってしまい…。
■ロスマリヌス > 「るん、るんるる……♪きゃっ!」
機嫌よく鼻唄を唄い続けていると、向こうから歩いてきた何かとぶつかって思い切り尻餅をつく。その勢いで冗談のように大きな胸が、これまた冗談のように派手な弾み方をした。それもマリアにとってはいつものことなのだけど。
「あいたた……ひゃっ!こ、こちらこそごめんなさい!お荷物は大丈夫です、か……?」
尻餅をついて座り込んだ姿勢から、あわてて立ち上がろうとするも(胸についた重りのせいで)うまくいかず、とりあえずアヒル座りのような姿勢になって頭を下げる。が、向こうが呆然としている?のに気づくと、今度は子犬のように首をかしげた。
■断 > 数瞬の思考停止から、はっとしたように相手の安否や状況に意識が向いて、
衝撃でいくらか中身が地面に落ちた紙袋を片手に持ち直し、
もう片方の手を差し出して立ち上がりにくそうな少女の背を抱き、
ゆっくりと起こしてあげようと一緒に立ち上がって。
「ああ、こっちのはまぁ、ただの食材だし…
それよりケガは無いかい?立てそうなら、掴まって。」
そのときにも、掛け値なしに初めてお目にかかるサイズの、
彼女の巨大な膨らみが男の下肢に、コックコートの腹部分に僅かに擦れて
「よっと… ごめんな、この先でレストラン、やってんだけど…
メシ、まだだったらお詫びに何か食べに来ない?」
と、純粋な謝罪の気持ちと…ここが、男と女がお互いを欲し、誘い合う場で、
男にとっては蠱惑的な肉体の彼女が、それを承知し了承しているならと、
ある種ストレートな「誘い」の言葉をかけて。
男からは、美味しそうな食材の他にも、同種の欲望を抱いているものなら嗅ぎ取れる「おいしそう」な匂いが漂うだろうか。
■ロスマリヌス > 「あ、す、すみません、ごめんなさい……」
自分も落ちた荷物を拾うのを手伝おうとしてみるも、転んだポジションや生来の動きの鈍さもあって伸ばした手があっちこっちするばかりで全く手伝えていない。
結局、伸ばした手は彼の手を取って立ち上がらせてもらうのに使うことになる。そのとき、胸の膨らみが不可抗力的に彼の着衣に触れたのだけど、それもマリアにはいつものことで。それよりも気になったのは、
「食事、ですか?」
さっきからずっと『美味しそうな匂い』を嗅いでいたマリアには、彼の誘いの意図が半ば無意識的に察せられていた。目の前の男性についていきたい、という願望ははぐれホムンクルスのの本能に近いもの。
「はいっ、お邪魔させてください!」
寄り添うように……しかし奥ゆかしく半歩離れて歩くつもりだったのだけど、本人の自覚以上に前に突き出ていた膨らみは彼の身体にむにっと押し付けられた。
■断 > 「いや、こっちこそ… ああ、無理して拾わなくていいよ。」
地面に落ちてしまった食材だからという理由と、この期に及んで手伝わせてしまうのは申し訳ない思いでそう告げるが、
一生懸命に手を伸ばし、小柄なカラダとその邪魔をする自身の胸の膨らみに奮戦する様子を見て、
男の中で身を起こした雄としての欲望…だけではなく、どこかそんな可笑しさを見守りたくなるような思いにかられて。
「ああ、よかった。 この辺りは店の数はあるけど…味がいいとは限らないから、ウチのはきっと、満足するよ。
じゃあこっち、気をつけて…。」
店と味、 それが食事の味を指すのか、それとも別のものか、両方か。
すくなくとも巨大な丸みを2つ抱えた小柄な身体の背に手を添えて歩く男の言葉には、ある種の自信が充ちていて。
「俺は、ダン。 断っていうんだ。
もうすぐ見えてくる『喜食館』って店をやってる、料理人。
―――君は?」
と、常軌を逸した乳房の娘を連れ歩く周囲の好奇の目を浴びながら、
それを逆に悠然と受け流して店へ歩みながら、
彼女の名と…答えるのであれば、おおまかな素性も訪ねて。
■ロスマリヌス > 「えへへ、ありがとうございます。ちょっぴりお腹すいてたところで……」
優しくされると(あるいは別に優しくされなくてもそうなのだけど)嬉しくなってついニコニコと顔が綻んでしまう。妙に腰が低い物言いに目をつぶれば子どもらしい態度で、くっついて甘えるようにして歩く。しかし、顔に微かに微かに浮かんだ赤らみはなにかを期待する風でもあった。
「私は、ロスマリヌス……マリアとお呼びください。ただの……えと、ただのホムンクルスです」
自分の立場、職業、そういうものについてどう答えるべきなのか、マリアはよくわかっていなかった。
■断 > 背に手を添えて、歩幅を合わせて歩むたびに揺れる巨大な丸みと、
相反して子供のように無邪気な表情に時折目を奪われながら、
半身に寄り添われれば、その華奢な肢体から左右にも溢れる、薄布一枚に見える乳肉の感触に、
また、微かに雄の香りが濃く空気を漂う。
「マリア…ね、 ホムンクルス!へぇ、あまり会ったことがなかったな…。
好きなモンあったら、なんでも言ってくれな?
―――なーんでも、ご用意、させていただくよ。」
と、赤らんだ顔と、何かを期待する瞳に答えるように、そ、と少女の頬を手の甲で撫でて。
そうしてほんの数分歩けば、男の牙城、職場、自宅でもあるレストラン、
『喜食館』の文字の看板に行き着いて…。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からロスマリヌスさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」から断さんが去りました。