2019/11/15 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」にシルフィエッタさんが現れました。
シルフィエッタ > 怪盗としての潜入調査を始めてから、幾日かが過ぎた。
お陰でカジノの見取り図や盗むべき対象の場所はしっかり掴むことが出来た。
後は防犯用の魔法具や罠の類と警備の状態を確かめれば、情報としては十分。
後数日で調査も終わる――破廉恥な服を纏っての生活も、それまでの辛抱だ。
などと考えながら日々を過ごす少女だが、今日に限っては勝手が違っていた。

「……うぅ、まぁ、可能性として考えてないわけじゃなかったけど、さ」

頬を朱に染めつつ、呟く少女。その姿はホールの奥、数段高く作られたステージの上にあった。
普段は高名な吟遊詩人やら踊り子やらを呼んで、その技術の粋を披露させる場である。
しかし、今壇上に居るのは一糸纏わぬ人影が数人のみ。その誰しもが首に赤い首輪を身に着けていた。
それこそ、このカジノで不定期に行われる、"贄の日"と呼ばれるお祭りだ。
ルールは単純。1000ゴルド程度のチップを積めば、壇上の従業員を好きに扱って良い。
個室で二人きりになるもよし、壇上で嬲るもよし。それすら全て、一夜の主の自由となる。
そんな祭りの贄の一人に運悪く選ばれてしまった少女は、スポットライトの下、細身の肢体を晒す羽目になっている。
時折向けられる視線を感じながら身を竦める少女は、なんとも所在なさげだった。