2019/09/26 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 出店広場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 青い空の下、男が広場の脇のベンチに座って、サンドイッチを食べている。
一見すると牧歌的な光景だが、その足元は少しおかしい。
たくさんの食べ物が男の足首までを埋めているのだ。
男の食べ方も、何だか荒っぽく、ガツガツと貪るように食べている。

「あー、クソ、面白くねえ」

男にしては、かなり荒っぽい言葉を吐きすて、また食べる。
食事をしている、というには、やけに不機嫌そうな表情で。
見る者が見れば解るだろう。これは――ヤケ食いである。

「くっそ……あんにゃろお……」

今日の朝の試合。
男は、とある選手に負けた。
実力で、ではない。上層部の判断で、だ。
曰く、スポンサーの娘だったとか、王族だったとか、そんな説明を受けたが。
それを知ったのが、苦労して勝利を収めた後だったというのが、男の怒りの原因だった。

「別に負けるのは良いけど、先に言っとけって言うんだよ……」

そうすれば、『客に受ける』負けっぷりを披露することも出来ただろうに。
観客の方だって、消化不良だったはずだ――何せ、男が『敗北』したのは、正に彼女を剥いた後だったのだから。
観客にも情けないし、自分が鍛えた技術にも情けない。
そんな訳で、今日の男の昼はヤケ食いに費やされているのであった。

「あー、何か面白いことないかな……」

空を仰いで男は呟く。
どうにも、ヤケ食いだけでは、収まらないようだ

クレス・ローベルク > ――男のヤケ食いは、まだ終わりそうになかった。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 出店広場」からクレス・ローベルクさんが去りました。