2019/07/16 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 公園」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 燦々と照らす日差しの中、男が一人剣を構えてゆっくりと踊っている。。
この真夏の日差しの中、長時間上着着用で剣を持ってなにかしている男に、周囲の者達は近寄ろうとせず、寧ろ遠巻きに見ている者さえ居るが、男は彼等を無視している。

「(い、いたたまれない……!)」

正確に言うと、彼は踊っているのではない。
何時もの十倍ぐらい遅く、剣を"振って"いるのだ。
ゆっくり、ゆっくり時間をかけて、振る時の力の入れ方を確認する。
ただ、それが余りにゆっくりであるため、周囲の人からは踊っているように見えるのだ。

「(くそー、修練所も闘技場も休みとは、ついてなかったな……!)」

そう思いつつ、男は剣を振る。
あくまでも、ゆっくりと。

クレス・ローベルク > あれから暫く。
ひたすら剣をゆっくり振るという奇行、もとい訓練を終えた男は、今は近くのベンチに座って水分補給中。
水筒から直飲みで水を飲むが、

「あー、くそ、温い……」

この気温では仕方ないが。
氷の魔法でも使えれば別だが、男は魔法は殆ど使えないのだ。
ないものねだりをしてもしょうがないと、作業的に水を飲む。

「あー、でも流石に疲れたな」

敢えて身体をゆっくり動かす、というのは動きのチェックの他に、身体能力の鍛錬という意味もある。
人間の体は、早く動くのとゆっくり動くのとでは、違う筋肉を使う。
そして、意外なことに、エネルギーを使うのはゆっくり動く方だったりするのだ。

「さて、一息ついたら再開しなきゃだけど……アレだな。休日に一人で鍛錬ってクソ寂しいな……。知り合い居ないわけじゃないんだけどな……」

とはいえ、知り合いの大半は剣闘士で、つまりは"商売敵"である事を考えると、軽々に誘いにくい。
鍛錬から、動きを読まれても困るのだ。
この際鍛錬を切り上げて遊びに行こうかなーとすら思うが、しかし特に理由がなければ鍛錬してしまうのは、男の悲しい癖であった。

クレス・ローベルク > 「さて、それじゃあ続きと……お?」

立ち上がった瞬間、立ちくらみと共にぐらり、と体が揺れる。
先程水分補給をしたので、日射病ではない筈だ。
だとすると、答えは、

「……あー、単純な疲労か」

最近、タフな仕事が増えていた。
そのせいで、身体にストレスと言うか、疲労の澱の様な物が溜まっていたのだろう。
その上で、今みたいなトレーニングまですれば、それは身体が悲鳴をあげてもおかしくはない。

「まあ、しょうがないな。後で改めて休もう」

今はトレーニングの時間帯だ、と男は疲労の身体に無理を押し通し、再び鍛錬を始める。
今度は、逆に素早く剣を振り、身体を激しく動かす。
架空の相手を想定して行うタイプの型だ。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 公園」にミユさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 公園」からクレス・ローベルクさんが去りました。
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