2019/06/03 のログ
イグリー > 「あなたは何もかもをわたしに買われるの。
 だから、最初に人としての当然の力から失ってもらった」

それが、小さくされるということなのだろう。
小さな部屋ほどの広さになった手のひらに、レチュアを乗せて、
休憩スペースであるバーカウンターに戻ると
カウンターの上にレチュアを置く。

人形と言っても、身体の機能は生きた人間のまま変わりはしない。大きさ以外は。
拘束もされていないので、逃げたり、声を上げて助けを呼ぼうとすることはできるかもしれない。
それが成功するかどうかはさておき。

「どういう遊び方をしましょうか?
 選ばせてあげてもいいわよ」

レチュアを見下ろしながら、少女らしいなめらかな指先(だが、レチュアの腕よりも太い)を近づけて、
あちこちを突き回す。頭。胸。腰。脚……

レチュア > 「はぁ!?な、なにも・・・かも?
 まって、一晩相手するとかって意味じゃないの?」

手のひらに乗りながら必死に抗議している
カウンターに置かれた後もなんとかできないかと自分の体を見ている

「ちょ、つ、つつかないで!そんなねえ、こんな体にされて遊ぶも何もないわ、帰る!」

突っつかれながらも詠唱を行い空を飛んで帰ろうとするが当然のように空が飛べず帰れない

イグリー > (過激描写部屋に移動)
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からイグリーさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からレチュアさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にカーレルさんが現れました。
カーレル > カジノのオーナーからの依頼の仕事は数日間にわたった
「簡単な仕事」という甘言と報酬に目が眩み、ついつい引き受けてしまったのがそもそもの間違いだった
オーナー曰く「簡単な仕事」もなんとか片付けて、報告と報酬の受け取りに行く頃にはすっかり日も落ちていた

正直に言えばあまりこの街は好きではないからさっさと王都へ戻ろうと思っていたのだが、この有様
依頼主は仕事の結果にとても満足したらしく、豪勢なホテルの一室と遊んでいってくれ、とカジノのメダルを
小遣い程度に寄越したが、そんな気にも慣れず、とりあえず、カジノの中のバーに陣取り、無為に時間を過ごしている

カジノの中は一見、貴族や裕福そうな商人が多く見られるが時折、それに混じって明らかに堅気でない人物も混じり、
それを眺めているとこの街の縮図を眺めているような気分であった

「あー…、同じもの、おかわり…代金はオーナーに付けておいて」

そうして良い、と言われたので遠慮なくたかい酒を注文していく
味なんか判りはしないけれど、王都の貧民地区あたりで出回っている密造酒何かとは比べ物にならない事は判る
琥珀色の液体に満たされたグラスをバーテンダーから受け取れば、くい、と軽く唇を湿らせ
ギャンブルを楽しむつもりもないから、行き交う人々をただ、何となく眺めて過ごす

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にルドミラさんが現れました。
ルドミラ > と、行き交う人々の中に加わるのは黒いドレスに黒髪の女。
砂漠の国からの客と思われる、ターバンに長衣姿の一行と連れ立って貴賓室から出てくると、
代表者らしいひとりと挨拶を交わし、カジノを出てゆく彼らをにこやかに見送った──。

そうしてから、ふと視線をあたりへ一巡させたところで。黒目がちの双眸がバーでひとり酒杯を傾ける男の上で止まり、瞬いた。
肉付きの良い唇が「あら」という形に動き、絵に描いたような温顔に微笑を浮かべてそちらへと歩み寄り、

「カーレル。珍しいところで会うものね。いつも王都で働いているのかと思っていたわ。
今日は遊び? それともお仕事?」

王都で娼館を経営する女主人は、気軽にそう声をかける。
知人の貴族からの紹介で、ライバル店への悪評流布工作など汚れ仕事を何度か頼んだことのある相手だった。
内容が内容であるので、一見穏やかそうなこの女の本性がなかなかにえげつないことは相手には知られている。
そして、それを悪びれもしない程度に面の皮が厚いことも。

女の背後、少し離れた場所では護衛役が何人か、こちらの様子を伺っているようだった。

カーレル > 蠱惑的な酒の香り、芳醇な味わいも自分にとっては密造酒と大差はない
いくら飲んでも酔えないのだから味わうことはとっくに辞めた。そういう意味では水と何ら変わりはない
いくら飲んでも変わらんのじゃあなあ…と空になったグラスに視線を落とし氷を揺らす

騒がしく活気に満ちたカジノ内であったが、自分の名を呼ぶ声に気がつくと顔を上げる
視線を向けた先には結い上げた黒髪が特徴的な美女が長い睫毛を揺らしている
普通の男であったらだらしなく鼻の下を伸ばしそうな場面であったかもしれない
…が、しかし、彼女と視線があうとサーッと顔から血の気が引くのを感じる

「女主人(マダム)ルドミラ、脅かしっこはナシにしてくれ、美人に声を掛けられるのは光栄な事だが、
 相手がマダムとなると色々と勘ぐっちまう…」

以前、彼女には仕事を振って貰ったことがある
悪評を流す仕事だったが、笑顔を浮かべながらそれを指示する彼女は商売人以上の恐ろしさを覚えたものである
視線をチラリ、とカジノ内に彷徨わせれば顔を見知った彼女の護衛たちを見つけ、軽く手をあげてそちらへ挨拶を

「仕事だよ…ルドミラは…まあ、仕事か
 相変わらず商売熱心なようで何より…見たところ景気も良さそうだな」

恐ろしい、とは言いつつも会話するだけであったらどうということもない
なんと言っても見目麗しい御婦人である。相変わらず?なんて問いかけつつ、もう一杯酒を注文する
当然、代金はオーナーに付けてもらう

ルドミラ > 蛇に睨まれたカエル、と形容するに足る相手の反応は、
借金取りに出くわした多重債務者のようでもあったかもしれない。
当然のようにそれを歯牙にもかけぬ様子で、女は彼の隣席へ高々と盛り上がった尻の丸みを乗せた。
鼓膜を撫で転がすような笑い声をたてて、

「まあ、勘ぐるってどんな風に? いつもどこかで悪巧みをしているように思われているなら、
あたくし大変心外だわ」

ビビる相手をつついて遊ぶ。……という表現はあまりに身も蓋もないが、そんな気配すらなきにしもあらず。
背後で護衛たちが男の挨拶に対して無言で頷きを返す一方、女主人は男の注文の品がかなりの高級酒であることを見てとった様子。

「ええ、こちらは相変わらず。でも景気がよさそうなのはあなたも同じようよ。
あたくしも同じものをいただくわ」

そして、自分でも注文を。

カーレル > 会話の邪魔にならぬようそっと置かれたグラスを手に取る
軽く唇を湿らせれば幾分かは気分も解れるかと思ったが、酒に一切酔えぬ体質であるから、意味はなく
彼女が隣に腰を下ろす間にナッツを摘んでは口に放り込み、油分の余韻を酒で流し

「噂はかねがね耳に届くからな…ま、あくまで噂だから真実ではないのかもしれないけど…
 よく言うぜ、吹けば消し飛ぶような市井の何でも屋の勘ぐりなんて屁でも無い癖に」

クスクスと笑いながら再び彼女に視線を向ける
高級そうなドレスに豊かな身体を包み、浮かべる笑顔…如何にもやり手の女主人という風で関心すらしてしまう
言ってみれば『絵になる女』という風に思える

彼女が自分と同じ酒を注文すれば、バーテンダーの方へと顔を向けて

「ああ、その一杯もオーナーに付けておいてくれ
 どうせ、一杯も十杯も変わらねえんだから…」

どうせ飲むなら1人より、恐ろしくとも美人が傍にいた方が良い
自分の財布から金貨銀貨が飛んでいくわけではないから、これくらいしても腹は痛まない

ルドミラ > 「情報通も相変わらずのようね。
あら、そう卑下したものではないわ。前の仕事でのあなたの手腕には感心していたの。
だから、あたくしの店に同じような工作を頼む仕事が来ても、決して請け負ってはダメよ?」

まんざら冗談でもなさそうに、女主人は彼の隣で白い指を唇の前に立ててみせる。
そしてむしろそういう仕事を頼んできたのが誰かを教えてちょうだいね、と、
如才なく、やはり柔和な笑顔で付け加えるのだった。
相手のさりげない観察の視線には気づいているのかいないのか。

何でも屋の整った横顔はかなりのペースでぐいぐい酒を喉に流し込んでいるが、酔いの気配がないのが不思議である。
彼のおごりで自分の分の酒杯が来ると、妙に遠慮することもなく片手に取り上げて、

「それでは乾杯しましょうか。思いがけぬ再会に。……ねえ、カーレル。
一杯も十杯も変わらない、というのは、なぜ?」

己も杯を傾けながら、先程から気になっていたことを尋ねてもみる。