2019/04/08 のログ
ご案内:「ハイブラゼール 大通り」にザイヴァーさんが現れました。
ご案内:「ハイブラゼール 大通り」にアデリータさんが現れました。
ザイヴァー > ここはハイブラゼールでも、人通りが多く、誰も他人を気にしないような通りである。
そう、ザイヴァー・グランフォード・カイゼルという有名人が佇んでいようと、
服装が煌びやかな礼服ではなく、お忍びの冒険者風の服装なら、誰も気が付かない。

『はー。人間ってなんで、こんなに人口密度が高い場所に来るんだ?』
「ふむ、興味深い問いだな……まあ、そこに金があるからだろう」

そういう一人と一振り。ここに来たのは、ものすごく珍しいことに、
魔女アデリータから手紙をもらったためで。

『しっかし、鬼のザイヴァー将軍も、アデリータお姉ちゃんには形無しだよなぁ。ケケケ』
「黙れ、愚剣……その不快な笑いをやめないと、質にいれるぞ」
『冷たいなぁ……』

そんな漫才をしていながら、今回のデートの相手を待とうか…

アデリータ > 「ひひっ ちゃあんと来てくれたようだねぇ。
 すっぽかされたらどうしようと悩んでいたところさね」

そう声がかかるのはザイヴァーの頭上から。
箒に腰掛けて宙に浮いているのは幼い外見の魔女。
この街では魔女だろうがなんだろうが気にする人間は少ない。
皆、己の欲望を満たすのに忙しいのだ。

「おやおや、今日はお忍びなんだねぇ。
 どんな買い物をしてきたんだい、お兄ちゃん」

ザイヴァー > 今日はお忍びなのかと言われれば、軽く笑って。

「はは、流石に俺が礼服着てこんな街のど真ん中にいたら、騒ぎになるよ」
『っへ、まー。有名人だからな~。ザイヴァーは』

そう言いつつも、箒で空飛ぶ相手を見て、騒ぎにならないのなら、
もしかしたら、自分が将軍用の礼服着て立ってても、案外大丈夫だったかなと思いつつ…
お兄ちゃんと言われれば、頬を軽く染め…

「お、お兄ちゃんって……姉さん。やめてくれよ恥ずかしい……」
『今更何恥ずかしがってんだよ。ザイヴァー、テメェら、
何度も情熱的に突き合ってる仲じゃねぇか』
「……質屋はどこだったかな?」
『あー、悪かったよ……恥ずかしがり屋が』

と話しつつも、何を買ったかいわれれば……

「ん?姉さんと……その、こうやって一緒に買い物に行くのは、40年くらいぶりだろ?
だから……これ」

そう言って、差し出したのはちょうど子供の指にはまる、ダイヤのついた指輪。

「あの頃はさ、玩具のダイヤだったけど……これは、本物のダイヤ使ってんだ。
……まあ、俺と姉さんは一緒にはなれないけど、さ。
プレゼント、したかったんだよ。本物を」

何て言って、その指輪を相手の手に……

アデリータ > 「魔女の邪魔するやつは豚か蛙に変えられちまうのさね。
 ひひっ……慣れたもんだよ。
 馬鹿騒ぎも嫌いじゃないしねぇ」

慣れた感じで、箒から飛び降りる。
箒にはバスケットが引っ掛けられているので近くで浮いたままだが。

「たまにはいいかと思ったんだけどねぇ。
 ほら、昔に言ってたろ?『俺のが背が高いからお兄ちゃんだ』って」

意地悪そうに笑っていたが指輪を差し出されてきょとんとした顔になる。

「まったく、そんなとこばっかり大人になってまぁ……。
 どこで覚えてきたんだか……」

右手で被っていた魔女帽子をものすごく深く被った。
大人しく左手を差し出すが、その耳は真っ赤に染まっている。

ザイヴァー > 豚か蛙に~と言われれば、ふふっと笑い……

「姉さんが言うと、本当にそうかもしれないって思うから不思議だよね」
『いや、絶対今までに何百人くらい豚か蛙に変えてきてるぜ?このロリ魔女』

何て言いつつも…なぜお兄ちゃんと呼んだか分かれば。

「……あの頃は、ガキだったんだよ。仕方がないだろ?実際背は俺の方が高かったんだし……」
『っへへ、今日はそーいうプレイで楽しめばいいじゃねぇか。ロリ魔女にお兄ちゃん呼びさせながらよ』

なんか、甘酸っぱい気分になりつつ、バスカードを地面にたたきつけて、拾う。

そして、相手の左手、その薬指に、ダイヤの指輪を、そっと差し込もうか。

「…………」

耳まで真っ赤なのは、何も魔女だけではない。将軍もまた、顔が真っ赤なのは気のせいではない。

「……姉さんが言ったんだろ?玩具の指輪を薬指にはめようとしたら……
そこは、恋人同士がつける場所だ。本物を用意したら、薬指に指輪はめてやるって……
覚えてないだろうけど、よ」

なんて、青い甘酸っぱい記憶をたどったことを告白しようか…

『……ザイヴァー、甘い空気のとこ悪いけどよ、けっこー目立ってるぜ?
ロリにガチ告白してる変態みてぇな目で見られてるぜ?』

と、バスカードがややうんざりした声で……

アデリータ > 「まぁ、10やそこらの子供と比べるとアタシャ小柄さねぇ」

ひっひっと笑うが顔は見せないようにしている。
実は耳どころじゃなく首あたりも真っ赤になっている。
かなり照れているらしい。

「魔女ってのは約束をずっと覚えてるもんさ。
 ……むしろアンタが覚えてたことに驚きさね」

んんっ と軽く咳払いしてから。

「それで、幼女にガチ告白してるお兄ちゃん。
 今日はこれからどこに連れて行ってくれるの?」

言いながら自分の左手を見て にんまりと笑う。

ザイヴァー > 自分が約束お覚えていたのを驚かれれば……

「……まあ、憧れの、姉さんだったし。あのころは負けん気強かったから。
いつか、絶対プレゼントするって強く思ってたんだよ……ま、40年以上かかるとは、
思わなかったけどね」

そう言って、指輪を見ながら笑む相手に、此方も頬が緩むが…
流石に。「幼女にガチ告白しているお兄ちゃん」呼ばわりは、心にクる。

「そう言わないでくれよ、姉さん……どこに行くか、か」

そう言えば、右手を差し出して……

「とりあえず、海の近くのカフェにでも行こうか。
酒場は……さすがに、姉さん連れてったら、俺、向けられる目に耐えられないし…
カジノも、多分入れてくれないだろうしなぁ…」

そう言って、手を繋いで、ハイブラゼールのカフェへと向かおう……
その姿は、まさに年の離れた兄妹の様で。
あるいは、連れ去りのように見えるかも……

海の近くのカフェ。そこには「恋人様限定!ハートのクッキー付きケーキ」と書かれたパネルが……

アデリータ > 「まったくさねぇ……別の女に熱を上げるとばかり思ってたからねぇ。
 何を泣きそうな顔してんだい、ザイ坊」

エスコートされるつもりで、右手を取る。
そのまま握り返すのだがその握り方は、属に言う恋人繋ぎであった。

「王都の酒場で普通に名乗って、普通に酒を飲んでいるから今更かねぇ。
 あと、この街はそんな細かい事を気にしない町さね。
 むしろカモが来たとばかりに構ってくれるかもしれないねぇ」

ひっひっと笑う魔女。
その背中からは常習犯じみた黒いオーラが……見えるかもしれないし、気のせいかもしれない。
歩幅が違うので、せっせと足を動かしてついて行く。

「いっそ抱きついた方が楽かねぇ……?」

なんてからかっていたのだが。
パネルを見るとニヤリと笑った。

「“お兄ちゃん”アデリータ、あれ食べたーい」

猫を被った、それは見事なぶりっ子であったと後に聖剣は語る。