2019/04/05 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > ソファに座り、左手でカップを持ち、ゆっくりと紅茶を啜る。
"ゆっくりと"なのは、片腕だからと言うより、身体のあちこちを、痛めているからだ。
前回の試合で、切り飛ばされた右腕を始め、あちこちを痛めた。
治療術師曰く、右腕含め、完治には一週間かかる――これも闘技場の治療術師の治療魔術を、毎日かけてもらっての話だそうだ。

「……まあ、逆に一週間かかれば治るのが凄いよな」

とはいえ、それまでの間は試合には出られない。
収入減るの痛いなあと想いつつ、お茶をすすっている。

クレス・ローベルク > 茶をすする間に、色々なことを考える。
試合の反省、これからの事、自分が最後に見た、あの光景。
そして――自分の恋人の事も。

「……心配、するよなあ」

勿論、彼女は優しく、強い。
自分の怪我を見ても、仕事をやめてくれとは言うまい。
しかし、心は痛める。それは確かなことだ。
そして何より、男の心が痛いのは――

「俺自信は、そこまで気にしてないってことなんだよなあ……」

収入が減るのは痛い。
治療費もかかる。
彼女が心を痛めるのは悲しい。
だが、それと同時に、最後に見た、あの光景が忘れられない。
全てが、戦いの中にある、あの光景が。

「……」

はぁ、と溜め息をつく。
日常にも、戦いにも、どちらにも振り切れないこの身が恨めしい

クレス・ローベルク > 「……いや、そもそも、俺は激しい修行とかそういうのが嫌だから家出したんだよなあ……!」

今更、修羅の世界に飛び込もうとも思えない。
ごくごくとティーカップの中身を飲み干し、音を立てて置く。
苛ついたように立ち上がり、

「お会計!」

男は、帰っていった。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からクレス・ローベルクさんが去りました。