2019/02/15 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > テーブルクロスもかかっていない、古いテーブルと椅子が幾つか置かれただけの、シンプルな安食堂。
メニューも肉主体で、肉体労働者向けの何処にでもある食堂。
だが、この国では中々見られない、ある特色があった。それは、
「おお、成程、こんなんなのか」
"日替わり定食"を頼んで出てきたのは、千切りされたキャベツの付いた、鳥の竜田揚げタルタルソース掛けと、ご飯、そして味噌汁。
男は竜田揚げなる料理は初めて聞いたが、店員から要は鶏のカツレツだと説明されていた。
そして、出てきたものは、随分と香ばしい匂いをした、カツレツとは違った感じの揚げ物だった。
「カツレツよりやや衣が薄いかな……?いや、色合いが薄いからそんな風に見えるだけかな」
ともあれ、匂いと見た目だけでは味は解らない。
フォークでカツレツを一切れ口の中に。
「うまあああああっ!なにこれ、カツレツとは全然違うじゃん!」
肉とソースの味で食べるカツレツと違い、肉自体が甘い。
その上で、白いタルタルソースの甘酸っぱい味が合わさって、それがいい塩梅で口の中に広がるのだ。
「値段が安いから味もどうかなって思ってたけど、全然行けるじゃん!」
パクパクと肉を食べ進める男。
安食堂とはいえ、いや、だからこそ、肉の量はまだまだ山盛りあるのだ。
■クレス・ローベルク > 「っと、肉ばっか食べてた」
美味しかったのでつい半分ほど食べてしまったが、そういえば米もあった。
やや茶ぼけたご飯……玄米というのだったか、を、スプーンで一匙掬って食べてみる。
「んー……?」
別に不味くはない。
が、淡白で特に言うこともない。強いて言うなら噛み続ければ少し甘い事ぐらいか。
「(まあ、主食なんだし、あんまり味の主張が強くても困るか。
……そういえば)」
隣のテーブルに座っていた男が、肉を米に載せて食べていた気がする。
主食の上におかずを乗せるというやり方は、あまり見ないものだが、
「(考えてみれば、サンドイッチやピッツァはその系統だよな……)」
となれば、米も肉と一緒に食べれば美味しいんじゃないだろうか。
物は試しと、フォークで竜田揚げを更に細かく切って、それをスプーンに載せた米の上に、更に乗せる。
そして、落とさないように慎重に口の中に運ぶ。
「ん!これはまた美味い!」
肉の旨味と米の甘さが、いい具合にマッチする。
成程、これは最初から肉と一緒に食べる料理なのかと感心する。
米と肉の相乗効果で、更に食事も進む。
■クレス・ローベルク > 男の食事は続く――
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からクレス・ローベルクさんが去りました。