2018/12/24 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”/酒場」にホアジャオさんが現れました。
ホアジャオ > 港近くの、そこそこの大きさの酒場。漁師や航海士、その他海にかかわる者たちが外の寒さなど何のそのの雰囲気で歌い笑い奏で、相変わらずの陽気な喧噪と熱気で溢れ返っている。

その店の扉を押し開けて、中の者と比較すればかなり小柄な人物が店内に足を踏み入れる。
素早く店内を一瞥するその女に、気付いた見知っている何人かが揶揄する声を掛ける。その声にいっと歯を剥いて威嚇して見せてから、女はずかずかとカウンターへと歩みを進める。

ホアジャオ > カウンターのスツールに飛び乗ると、店主らしき中年の男がジト目で迎える。元漁師らしく、店主の体格もなかなかのもので少々圧が強めだ。
その視線から逃れるように、女はメニューを取り上げて顔の前に上げる。

「…なンかご飯。お腹にたまるやつで、暖かいやつ……」

しばらくしてから。女はメニューからほんの少しだけ視線を覗かせて、ぼそりと注文を伝える。

ホアジャオ > 腕組みをしたまま、一向に微動だにしない店主に根負けしたようにメニューをテーブルに置いて

「ごめんッて…やりすぎたよ、昨日は…」

両手を合わせて頭を下げる。
昨日、女が絡んできた男相手に(過剰に)暴れた結果、テーブルと椅子が3つ、見事に粉々になってしまった。店主としてはすぐにいい顔をする訳にはいかない、というところなのだろう。
しばらくの間のあと、はあっと大仰にため息を付く店主が今回だけだからな、と言い置いて調理場に入っていく。女は顔を上げてその背を見送って、小さく舌を出す。

ホアジャオ > 反省はしているものの、今日の所は免罪符を得たようだ。
そうとなればもう上機嫌で、足をぶらぶらさせながらカウンターにいる別のバーテンに水をねだる。
苦笑しながら差し出された水のグラスを満面の笑みで両手で受け取る。一口飲むと片肘でカウンターに頬杖をついて、身体をすこしひねって店内を眺める。

ホアジャオ > やがて店主が調理場から戻ってきて、むっつりとした表情で女の前に湯気の立つシーフードリゾットの皿を置く。女が細い目を輝かせて皿の香りを嗅いで、屈託なくありがと、と声を掛ければ元々気の良い店主も根負けした様に笑みを返すしかない。

スプーンでリゾットを掬って、時折グラスを拭くバーテンと、明日の天気やら他愛のない会話をしながら口へ運ぶ。
そうしてあっという間に皿を空にして、まだ暖かいそれをごちそう様、と向こうへ押しやる。

「美味しかったよ。またくるからね!」

ポケットから代金をカウンターの上に並べて、別の調理のために奥に引っ込んだ店主に聞こえる大声を掛ける。
店主から返ってきた悪態に、バーテンと顔を見合わせて笑って、スツールから飛び降りる。

またね、と手を振って踵を返すと、喧噪溢れる店内から、冷たい空気の横たわる外へと…

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”/酒場」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 絢爛豪華な内装と煌びやかな金貨が行き交うこの場所は、王城や貴族の屋敷にも引けを取らない。

多くの者が財を失い、僅かな者が財を成す。そんなカジノの奥深くに構えられた個室――所謂、VIP席とでも言うべきもの――で、グラスに注がれた洋酒で口元を潤しながら手にした書類をパラパラと眺めていた。

「支払いが滞り始めた連中が増えてきたか。そろそろ担保の取り立てを出さねばならんが…」

荒事の得意な連中に、素寒貧になった顧客の取り立てを行わせる。
自分から武器を買うのは大概貴族なので、土地や屋敷。鉱山や荘園の経営権。或いは、貴族の家族や本人。

金になるものは全て取り立て、後釜には自分の息のかかった者を据え置く。
王位争いに参加するつもりはさらさら無かったが、一応仕事はしておかねば本家から何を言われるか分かったものではない。

空になったグラスを置き、書類に視線を落としたままテーブルに置かれたベルを鳴らす。
何事もなければ、酒の注文を伺いに来るはずだが――

ギュンター・ホーレルヴァッハ > ベルを鳴らして直ぐに表れたのは扇情的な衣装を身に纏ったバニーガール。
取り合えず今しがたまで嗜んでいた酒を頼むと、優雅に一礼して女は立ち去っていった。

「……いかんな。仕事に集中せねば」

その姿に僅かに劣情の炎が灯ったのは、仕事に奔走する余り欲求を発散していないからだろうか。
小さく溜息を吐き出すと、再び書類に視線を落とし、取り立てを行う実行部隊の選別を始めた。