2018/12/03 のログ
タマモ > 「玉座?処刑台?…ふむ、妾は難しい事は苦手じゃ。
もっとあれじゃ、分かり易く頼む」

はふー…溜息を吐きながら、手をひらひらと。
分かり易く以前に、考える素振りさえ見せてない。
まぁ、魔法は使えないが、呪術は使えるのだから、本来は理解出来るだろうに。
見た感じはあれである、かなり投げやりになっているっぽい?

「何じゃ?」

きょとん、とする少年に、首を傾げたまま少女が返す。

「もちろん、気付いておらんかったに決まっておるじゃろう?
まったく、ここらには気安い連中が多過ぎるのじゃ。
もう少しあれじゃ、遠慮深さと言うものをじゃな…」

またも、自分を棚に上げる少女。
もっとも、そんな事を相手が知る訳もないのだから、気にしたら負けである。
やれやれ、とわざとらしく肩を竦めてみせた。

「して、その気安い男子の一人が、何を目的でこんな事をかのぅ?」

正直、思い浮かぶのは恩を売ってあれやこれやとか。
言葉にしたら、こう、相手に失礼な思考が巡り捲くりである。

アネラ > 「あはは。失敗が少なければ、左うちわ。多ければ生ゴミ漁りですよ」

どうにも、語ってしまったなあ、と少し赤面。
学者のこういうところが鬱陶しがられるところはよくわかっているはずなのに。
それと、この子はだいぶ、うん、投げやりである。

「あら。お嬢さんは顔が広いんですね。
じゃあ、僕が入るまでもなかったかなあ。
すみません。せめて下で紙でも渡しておくべきでしたね」

こんな年格好で賭場にきてあそんでいるのだから、もしかすれば
この一帯の親分の娘だったりするのだろうか。
それに準ずる『自警団』の家族だったり。
だめだな、やっぱり。何でもかんでも行動ばかりが先に出る。

「目的ですか。 『楽しくないからですよ。』
もし貴女が何の後ろ盾もない女の子なら、自分の限度を大きく超えた負けを背負った場合
まあ、よくて慰み者でしょう?
楽しく無いんですよね。眼の前でそういうの。だからです」

恩や、情や、あいてに何かを押し付けて救い手の顔なんてする気は頭に最初から存在していない。
ひどく楽しくないことだから、それを無しにする。
信用されるかどうかは、まあ、こういう事情のある国だ。期待はしていない。

タマモ > 「うむ、そうかそうか、確かにそんなものじゃろう。
今のは分かり易い、良かったぞ?」

うんうんと頷き答える少女、偉そうなのは…やはり気にしない。
年上は敬え?何を言う、己の方が年上である、見た目は違うが。

「ふむ…そうじゃな、王都の者達であれば、一目は見た事があるものじゃろう…多分?
まぁ、心遣いが出来るのは良い事じゃ、変に気にせん事じゃな」

王都内で色々と歩き回っていたのだ、着物やら姿やら見れば忘れるものでもないだろう、きっと。
少年へと言葉を掛けながら、ぽんぽんと肩を叩く…うん、言ってる本人も気安い。

「あぁ…なるほどのぅ…
そんな事にはなる事もないじゃろうが、それならば、素直に離れるのも手ではなかったか?
それが気になるのだと、一人一人にそうしていては、お主がもたんじゃろうに…のぅ?」

この少年、所謂あれだ、良い人って言われる存在だろう。
もっとも、どこまでそれを貫くタイプなのか、までは分からないが。
更に言えば、対面を装っての行為、との場合もある。
良くも悪くも、色々と考えていたら限が無い、止めておこう。
と言う訳で、前者の存在と考える事に決めた。
そう言った者達は、多くの損をしているもの、なので一つ問いを向けてみて。
それに対し、どう答えるのか、確かめるようにじーっと見上げてみよう。

アネラ > 「ふんふん……。本当に顔が広いんですねえ
僕はまだここに来て一ヶ月くらいなので……。もう少し慎重さが欲しいですね」

きっと師がいれば、ちくっと刺される所だ。向こう見ずの類いでもあったろう。
ぽんぽんと叩かれると、なんだかちょっと落ち着く。
このくらいの歳の女の子なら、男を意識し始めて触りたがらないとおもっていたが……。フランクで良い子だ。

「うーん。 なんていったらいいんでしょうね。
離れても、先にあるかもしれないつまらない未来から、心を全部離せるわけじゃない。
だからです。
そして、かといって、困っている人全員に手を貸すと、それは僕自身の人生からはかけ離れる。
これは、頷けるところです。

答えは簡単。僕は我儘なんです。
『たまたま目についた負けそうな子』。これが男性でも老人でもしったことか、というところですが
『たまたま僕の目についてしまった』ここが一番重要です。
たまたま、なぜか、どういうわけか、僕の目についちゃったからには
つまらない方向から回避させようと、なにかします。

すべての人に、なんて、絵物語にでてくる聖者です。
僕はただの1人の魔法使い。そんなことはできません。
きっと、飢えにあえぐ家族がいたって、何か僕にひっかからなければ
助けないことだってあるでしょう。
逆に、裕福な人が疲れて座っているだけで手を貸すこともあるでしょう。
僕は不平等で気まぐれで、天気雨みたいなヤツなんですよ」

タマモ > 「ほほぅ…一ヶ月か、ならば仕方あるまい。
そもそも、お主自身まだまだ先は長いんじゃ、急くものでもないじゃろう」

いや、どう見てもお前の方がそうだろう、と言われなくも。
あくまでも、外見上の話ではあるが、今はこうなのだからどうしようもないか。
と、こんな遣り取りをしてる間に少女も落ち着いたっぽく感じるかもしれない。

と、次の問いを向けた事を、少女は少し後悔する事となる。
うん、長い…長い、これは…!そんな感じ。
とりあえず、時々こう、頷いたりとはしているが…

「………おっと…そ、そうかそうか、よく分かった。
まぁ、そんなものなんじゃろうな?」

話が終わった後の、微妙な間。
そして、言葉を掛けている最中に視線を逸らしたり、不規則な動きをする尻尾。
明らかに、ちゃんと話を聞いていない者の反応である。
まぁ、あれだ…前者である、との考えは正しかったのは理解した。
そして、この手の者にこんな問いは向けてはいけない…そう思う少女であった。

アネラ > 「………………………
えーと。我儘なんで、気が向いたときにしかしませんよ?」

なんて、ぎこちない笑顔で。

またやってしまった。
またやってしまった。
またやってしまった!!

だから学問や魔法に生きるものの多くはこういうところが嫌われるのに!
それで別れた彼女もいるのに!!
やっちゃった!まだ子供な女の子にやっちゃった!!

げっそりとする。ああ、親戚の集まりにこんな親戚いたら
子供としては前日に間違いなく風邪を「ひく」くらいいやだろうな。
なんて自己嫌悪。

ふらりゆらりと立ち上がる

「ええ、まあ、そういう気まぐれさんですので。
気まぐれに入ってみましたよー」

消え入りそうな笑顔で手をひらひら

タマモ > 「………最初から、そう言うが良い。
次にやったら、罰を与えるからのぅ?」

そう、仏の顔も三度までである…妖狐だが。
言えばちゃんと訂正する少年、その肩をまたぺちぺちと叩く。
何かこう、相手の様子がおかしいが、気にしない。
こちらがそれを、気にしているか?と問われれば…まぁ、別に?と答えるが。

「さて…仕方ない、また我が儘を起こされるのは面倒じゃ、るーれっとは止めにしておこう。
まったく、仕方のない男子じゃのぅ、えーっと………」

はふん、とわざとらしい深い溜息。
ルーレットは止めると言ったが、まだカジノには他がある。
と、言葉を続けようとしたが…指を振り、動きを止めた。

「して、お主の名は何じゃったっけか?
妾の名はタマモじゃ、覚えるも忘れるも、お主の自由じゃろう」

さっきの長い話の中に、名乗りが入っている可能性。
それがある為、こんな問いと、名乗りに。

アネラ > 「はい……気をつけます……」

すっかりしおれて、細身の少年はぺらぺらである。
ぺちぺちされるとぐらんぐらんである。
話の長いおじさんとかには、将来なりたくないなあ……。

この後少女がどうするかは、それは知らない。
つきまとっていい顔をされるわけもなく。

「……アネラ、といいます。
タマモさんですね。やっぱり此処は色んな国の人がいるなあ」

知る限りでは、東の響きだ。
誰かと出会えるという幸運を、すこし感謝する。

タマモ > 「うむ、素直な事は良い事じゃ。
しかし、世の中には多いのぅ、説明好きが。
そう言った者同志であれば、どれだけ長い語り合いが続くのか…
………いや、止めじゃ、想像するだけでも頭痛が…」

ふふんっ、と反応に、すっかりと余裕を取り戻す少女。
何に打ち伏せられているのか理解してないからか、容赦なく小突いてゆく。
が、それ自体が少女にも辛いか、考えるのを止めた。

「ふむ、アネラか、覚えておこう。
時に、先程、妾を助けると幾ばくか出しておったな?
そんな事に使うより、妾に奢るのに使うのはどうじゃ?
この賭博場のどこかに、食べれる場所があるはずじゃろう」

少年の呟きに、まぁ、実際はこの世界どころではないがな、と心の中で。
そして、思い出したように、そんな話を切り出してみる。
食事代が出れば、更にその分を資金に回せるとか何とか、そんな裏もあるのだが。

アネラ > 「まあ、その。説明がなかったとごねられるより、したほうがいいなーって職業ですし」

ああ、ちゃんと元気だ。たぶん、これがこの子のちゃんとした元気だろう。
のめり込みすぎてないような顔が、きっと普通の顔。

「ふむ。そうですね。レストランのたぐいもいくつかあるようですし
ちょっと食事でもしましょうか。また会う時があるなら、好きな食べ物の一つも知っておいたほうがいい」

少女の出自など知る由もない少年は、そっと椅子から立ち上がる。
エスコートなんて考えたが、そういう事を喜ぶタイプには見えないし
なにより、ガラでもない。

これで今夜すかんぴんになって身を崩しても、お兄さんはしりません!

ということで、目に留まったレストランに「行きましょう」と。

タマモ > 少年の言葉を聞き、こう、うわー…と、そんな表情。

「何とも、それは大変そうな場所じゃのぅ…」

心底可哀想な相手を見るような視線、とは言え、少年も近からず遠からずか。
うん、何とも複雑なものである。

「ふむ…何があるか分からんが、辛いものと、苦いものと、酸っぱいものと、熱いもの以外で頼むぞ?」

また会う時が来る前に、すでに苦手なものを伝える少女。
その苦手なものを考えれば、少女の好みに近いものは浮かぶだろう。
向かうのだろう、椅子から立ち上がる少年、ひょいっと椅子から下りれば、その横に。
ほれ、案内は頼むぞ?と言わんばかりだ。

こうして、二人でレストランへと向かう事となるだろうか。
何を頼むのかは、少年次第…だって、メニューとか詳しくないのだ、仕方無い。

それが終われば…再び賭博場に繰り出すのか、それとも…
どうなるかは、まだ分かる訳もない。

アネラ >
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からアネラさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からタマモさんが去りました。