2018/11/24 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にルシアンさんが現れました。
ルシアン > この近隣まで所用でやってきたのは数日前。
やるべき仕事も終わり、少し余裕ができたとあれば近くに歓楽街があれば行ってみたくなるのが人の常。
とはいえ、賭け事など胴元が搾り取るような仕組みになっているのも決まり事。
案の定、その日の手持ちをかっぱがれて…それでもそれ以上は深入りしないだけの理性はある。

「…ま、こんなもんだよね」

ちょっとの運で億万長者、なんてことはそうそう無い。
は、と白い息を吐きつつカジノから出てくれば、さっさと帰るかと歩き出し。
夜風も懐も寒いもんだ…そんな世知辛さを感じながらも、ふと視線を向けた先にある姿。

「………あれ?」

最初はどこかで見た軍服。こんなところまでご苦労な事だ、とそのままスルーしようかと。
だけどふと見れば、後ろ姿の髪の色や背格好に何処か見覚えがあって。
まさか、と思い近寄れば…どうも、その通りだと察して。

「デメトリア?どうしてこんなところに…」

背後から近寄って声をかけてみる。
まさか彼女も賭け事に、とはさすがに思わないのだけども。

デメトリア > それぞれがゲームに夢中になり、不健全な熱気がある特殊な場所。
あまりに暇だったので無意識に彼らの観察をしていたところ、誰かに名前を呼ばれて振り返る。

「……?ルシアンさん?こんばんわ。」

各地に移動しているのだが、その地その地で会うことに驚きを覗かせつつも挨拶。
仕事中の自分とはちがい、相手はもちろん客なのだろうと思うと
勝っているのか負けている確認するように彼の姿を上から下まで眺めた。
身ぐるみ剥がされたという様子はないが、勝った者の高揚感もなさそうに見える。
そもそもこういった場所には興味がなさそうという印象でもあっただけに。

「息抜き?それとも何か用事が?」

自分と同じく仕事にでも来ているのだろうかと首を傾げた。
そのくらいこの場所と、自然を仕事にしている相手とはイメージが繋がらない。

ルシアン > 「こんばんは。僕はまぁ…息抜きというか、近くに用があったんだけどさ。
 そっちが終わったから、ちょっとね。前から一度は来てみたいと思ってたんだけど…」

ひらり、と手を振りのんびり笑顔になって。
とはいえ口調からは、どうにも「当てた」ようにはとられないはず。

「まあでも、自分みたいなのはこういう事に向いてない、ってわかったくらいかな…残念だけど。
 …ところでデメトリアは何でこんなところに?その服装、ってことはお仕事?」

堅実が一番、と肩をすくめてみつつ。
今度はこちらからも質問を。一仕事の後とはいえ遊んでいる所で遭遇して、若干気まずい気分にも。
…違法なことに手を出してはいないはずだし、後ろめたいわけでもないのだが。

「この辺りはマシなほうとはいっても、女の子一人だと危ないところだよ?誰かお仲間さんとかも居るのかい?」

デメトリア > 正直、ここに向いてなさそうなのは実践するまでもなくな気がするので、つい笑ってしまいながら。

「向いてたらルシアンさんのイメージが変わりそう。ここで儲けてたりしたら……。でもそれは悪いことでもないか。」

冬は狩りが出来ないとも言っていたし、その分を稼げるなら良いことだろう。
だが口ぶりからそうでなかったことは分かる。
残念がれば良いのか、溺れるきっかけとならなかったことに喜べば良いのか、複雑な状況。

「そう、お仕事。だからこの近くに複数人いるの。心配要らないよ。」

チームで動いているので何かあれば助け合える範囲にいるはず。
にっこり笑顔のまま応えるのは相手の行動を咎めるつもりはなく、同時に心配も無用であることを示すため。
そういう点は規律が整っている分、しっかりしている。
おかげで場違いな雰囲気をまとっているわけだが。

ルシアン > 「一攫千金って言うのはどうしても憧れるからねー。まあ、そうそう起こらないからこそなんだけど。
 ま、堅実に額に汗して働くのが一番だって分かっただけでも良しとするさ」

やれやれ、という調子で苦笑い。気遣ってくれてる様子の少女ん、ありがとうねと感謝して。
—――ズルをしよう、と思えばできなくも無いのだけど。
それでも、こういう場所ではそれをしないだけの分別はあるわけで。

「ん、ならいいんだ。…今日のお仕事は何?なにか、やらかした奴がこの辺りに居るとか…そういう物騒な事でもあったり?
 もしよければ、できる限りなら手伝えることもあるかもしれないし」

同僚さんたちがいるなら安心である。うん、とうなずいて。
要らない好奇心なんかも起きてきたのか、少女の事情も聴いてみようと。

デメトリア > 「そっかぁ。わたしは結構夢見たい派だから、こういうこと始めたら楽しんじゃいそう。」

堅実より浮世離れした生活を好む面はあるかもしれない。
お金に困った経験がないので、儲けようという意思が強いわけでもないのだが、ゲームとしては楽しそうだ。
ただ、現在仕事中ということを差し引いても賭け事に時間を割く気がなかっただけで。

「んー……詳しくは言えないけど、軍に属してて行方が知れなくなった人を探してるの。
 自分の意思だってことは分かってるから、物騒ってことはないと思うよ。」

どう説明したら良いかと悩んでいる時、スタッフが戻ってきた。
全員に確認したが心当たりがないと報告するスタッフに礼を言い、似顔絵を受け取る。
それを彼に見せた。似顔絵ということもあり、過度に特徴を描きすぎていない
強いて言うなら、何人かは知人に似ていると証言しそうな男の顔。

「ご協力いただけるなら、ルシアンさんの泊まる宿にこれを貼ってもらえるか聞いてもらおうかな。
 もしダメだって言われたら捨てちゃって良いから。」

応じてもらえれば手渡すし、難しいようであれば押しつけることはもちろんしない。
手伝うと言ってくれる気持ちだけでありがたいので、それで満足である。
ともあれ「それじゃあみんなの所に戻るね!」と彼に告げ、店の外で仲間と落ち合うべく店を出て――
更にもう一軒となるのか、宿に戻るのか、仲間と相談することになるのだろう。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からデメトリアさんが去りました。
ルシアン > 手渡された紙を受け取って、人相書きを見てみる。
何処かで見たことがあるような、無いような。少し考えながらも、宿に持ち帰ることは約束して。

「お仕事ご苦労様、頑張ってね?」

立ち去っていく少女の後姿を見送りながら。
—―正直、あまり軍の人に良い印象はないのだけど。それでもこんな少女が頑張ってるのだから、全部を嫌うことも無いか。
そんな風に、少しずつ認識を改めてみたり。
もう一度、マントをしっかり着込みなおして、宿へと戻って行って…。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からルシアンさんが去りました。