2018/11/06 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にレナーテさんが現れました。
■レナーテ > 魔法銃の強化素材を求めて大分経つが、達成率は遅々として進まない。
この話を持ちかけた魔物が、兄弟に身体を開いて集めたほうがいいといい出したのも、今になって納得がいくほど。
見つければ手に入れるまでが手間だったり、魔物が手強かったりと散々である。
そんな中、丁度仕事に立ち寄ったカジノへと足を伸ばしていた。
賭け事でストレス発散するようなタイプではないが、そのカジノの一つの噂に興味を惹かれたからで。
珍しい品の扱いが特徴であり、ただ高価なものや希少なものではないという。
欲する人は欲するであろうモノ、それだけを扱うのだとか。
肩透かしをくらうかもしれないが、足掻かぬよりはマシとカジノの中へ入ると、そこらで硬貨が流れ、崩れる音が響き渡る。
勝利に悦び、札をばらまく富豪もいれば、連敗に遠ざかるコインを前に項垂れる破綻者もいる欲望の沼底。
あまり気分は良くない、ベレー帽の下で耳が不機嫌そうに震え、尻尾はスカートの中で隠れたままに先端を小刻みに揺らす。
誘いかける声に見向きもせずに、まずは景品の並ぶ一角へと向かった。
ガラスケースに収められた品々のスペースは、さながら、ちょっとした美術品の展覧会の様になっている。
絶滅したという鳥類の羽やら、人魚の卵やら、暗き森でしかとれぬ鉱石やら、誰が欲するかわからないものばかり。
「……」
美術品に疎い自信でも、その品々の印象は強く心を惹かれる。
欲するというよりは、見ているだけで興味を惹かれるのは、その形状や光の加減で不思議なほど光沢を変える部分であったりと、様々。
お目当ての品がないか、ゆっくりと歩きながら見渡し、興味を惹かれれば足を止め、少し前かがみになりながら、ショーケースの中を覗くのを繰り返す。
■レナーテ > しかし、欲した素材はなかったらしく、小さく溜息をこぼせばカジノを去っていった。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からレナーテさんが去りました。