2018/10/03 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 大通り」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 「ふぅ、今日も疲れた疲れた」
闘技場での仕事が終わり、ダイラスに戻ってきた。
本来はそのまま目立たないところにある自分のアジトに帰るのだが、今日の相手が割と強敵で、自分の気持が高ぶっているため、それを覚ますために街に出てみたのである。
「さて、どうするかな……」
娼館、酒場、カジノ、劇場。その他幾らでも楽しめる所があるのがこの街の良いところである。とはいえ、金も無尽蔵にはない。精々厳選しようと想い、まずは適当に大通りをうろついてみることにする。
■クレス・ローベルク > 大歓楽街と言っても、遊ぶ店だけある訳でもない。
当然だがハイブラゼールにだって住民は存在し、彼ら向けの店という物が存在する。
小物屋、服屋、金物屋だってきちんと存在する。ただ、それらは観光客にはあまり認知されにくい。だが、今日の男の目に、その店は止まった。
「本屋……か」
割と大きめの本屋だ。この街で、ただの本屋が此処まで大きくなるのは
苦労があっただろうにと想いつつ、店先に置いてある棚を見てみる。小説から研究書の類まで割と雑多な本が並んでいるが。
「ん?」
その中の一つに手を伸ばしてみる。
革張りに金字の、何やら高級そうな本。他の本の作りが割と安っぽい中、その本だけが違っていた。
「どれどれ」
タイトルは……『誰でも出来る召喚術』とあった。
「う、胡散臭い」
■クレス・ローベルク > ともあれ、折角なので内容を読んでみることにする。
意外な事に、内容は理に適っていると言えなくもない内容。
「基本は儀式魔術……魔力を自分じゃなくて魔石とかから持ってきて、魔法陣に流し込む。確かにこれなら召喚自体は上手くいく……だろうけども」
しかし、この本にはそれだけしか書いていない。
呼んだ物をどう扱うか、そもそも呼ぶ物を指定する方法すら書いていない。
これでは爆薬の山に何の意味もなく火を点ける行為と、危険度では何ら代わりはしない。
「一体何がしたくてこんな本書いたんだか……」
■クレス・ローベルク > とはいえ、それだけなんとかなれば、それなりには有用。
とにかく何かは呼び込めるのだ。それはもしかしたら何処ぞの親父かもしれないが、もしかしたら美少女とかが当たる可能性も大いにある。
ドラゴンとか、虎とか、そういうものが当たる可能性も大いにあるのだが。
「うーん」
買うべきか、買わざるべきか。
本屋の店先で悩む男。
■クレス・ローベルク > 「まあ、悩むときは買うときだ」
そう言って、本屋の店番に金を渡して本を購入する。
これを使うかどうかはさておいて、この本を買わなかったことが頭にちらつくほうが、よっぽど面倒だと思ったからだ
「さて、次は何処に行こうか」
本屋を出て、ぶらぶらとまた街を歩き出す。
夜は未だ、長いのだ。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 大通り」からクレス・ローベルクさんが去りました。