2018/05/29 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にヴィクトールさんが現れました。
■ヴィクトール > ダイラスに入港する組合の船から降りると、船乗り達に軽く手を振りながら歓楽街へと抜けていった。
輸入と輸出で収入を支える柱でもあるが、多目的に作られた3隻は動いている時の仕事は異なる。
今日は乗らなかったが、もう一隻は漁業に勤しんだりと、大きな組織を支えるお金には糸目をつけないといったところか。
そんな小難しい話は理解も出来ず、考えるのも面倒な弟はフラフラと賑やかさに引き寄せられるように大通りへ辿り着く。
「……つっても、俺、ろくな遊び方知らねぇな」
女か酒、その二つだけ。
賭け事をしないのは幸いといったところか。
戯れにやるぐらいはあるかもしれないが、鬱憤晴らしにやることもない。
すると金でいい女を引っ掛けるなりくどくなりするか、もしくは自分には出来すぎた幼妻を抱いて朝を迎えるのが一つ。
もう一つは、美味い酒に溺れてぐっすりと朝まで眠るか。
ろくでもないと自嘲するように呟けば、もう少し有意義な過ごし方をしようと、気晴らしに大通りを進む。
衣類も、食事も、そこそこ満たされればいいと物欲やらも少ない。
流行りの夏服が飾られたマネキンをみやっても、はてと首を傾げていた。
いかがわしい道具を取り扱う店がちらほらと見えてくれば、ふと、その店の中の一つに目を留める。
「……」
いわゆるSM道具を取り扱う店だろう、ショーウィンドウには黒レザーに包まれた性奴を思わせるマネキンが飾られ、丹念に作り込まれた一本鞭が飾られている。
SMというより、見様によっては武器屋だなと冗談を脳裏でつぶやきつつ、足はその店へと向かう。
ドアベルを鳴らしながら室内へと入れば、人気はあまりない。
奥に店主が居るのだろうか、僅かな気配を感じながら思いついた目当てを探して、室内を歩き回る。
■ヴィクトール > 玩具やら大掛かりな道具やら、薬やら。
そんなものが収められた一角には目もくれず、歩いていった先はアクセサリーのコーナーだ。
メッキの安物から、純粋な金だけで飾ったものまで多種多様に置かれていたが、それでも目当ての物は少ない。
一つ一つ手にとっては、何かを確かめては眉をひそめて戻してと繰り返す。
大体はピアス用にポールが通されたものであり、穴が必須となる。
けれど求めていたのは、穴が要らないタイプであり台座がしっかりとしたもの。
それこそ、イヤリングと同じようなもので、柔らかな皮を挟み込んで支える品だ。
「兄貴が言ってたが、やっぱこういうのは少ねぇんだな……」
兄が経営している古巣である宿は、ピアスもあるが、アクセサリーに留めるタイプのものも多く取り扱っていた。
身体に傷をつけず、けれど卑猥ながらに艷やかに、女に寄っては可愛らしく飾り立てる。
金属の擦れる音がじっくりと情欲をそそるのだとかと言われたことがあったが、実際に誰かに施すまでは分からぬものだ。
いろいろと物思いに耽りながら品物を見ていくと、壁際に飾られたマネキンを金色が飾り立てる。
ある意味……求めていたものかもしれないと思えば、クツクツと悪そうな笑い方をしつつも、店の奥へと向かう。
「あれをくれ、即金で買うぜ?」
ゴルドの詰まった革袋をカウンターへ置きながら、半分眠っていた店主を音で起こす。
ザラッと硬貨の擦れる音に跳ね起きると、毎度と上機嫌な挨拶をしつつ、指さしたマネキンの方へと走っていった。
少しして……紙袋を一つ抱えながら店の外へ出ると、変わらぬ月夜を見上げる。
潮の香りが混じった風は程よく冷たくて、上機嫌に目を細めながら吸い込んでいく。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にリリシアさんが現れました。
■リリシア > (上機嫌で店から出てきた青年の前を一人の少女が横切るだろう。動きやすさを重視したかのような軽装に、腰に提げた刀、そして細身ながらもしっかりと鍛えられたしなやかな肉付きを感じさせる冒険者のような出で立ちをした少女だ。ひとつ、目立つ所を上げるとすればそのエルフの種族の特徴である尖った長耳と、エルフにしては珍しく金属製の武器・・・刀を提げていることだろうか。
貴方と同じように買い物帰りなのか、買い物袋を抱え、上機嫌な様子で貴方の前を横切るのだろう。
――貴方の眼の前を横切って数秒後、その少女の方に視線を向けたのなら、ちらり、と振り返った少女と目が合うだろう。その視線の先はなにかおどろおどろしいものを感じる・・・そう、闇の魔力を纏ったかのような貴方が背負うクレイモアに向けられていた。街中ですれ違っただけの関係。けれど、少女はそれに何か感じるものがあったらしく、一瞬足を止めて、その剣へと視線を向けた。)
■ヴィクトール > 今宵の宿なり、娼婦なり見つけるとしようかと考えたところで、視野に少女の姿が映り込む。
小さめの身長ながら、程よく熟れた胸元に臀部。
くびれをはっきりと感じるような姿に、大人しそうな三つ編みから感じる印象。
兄と同じ刀という得物には、珍しいのも居たもんだとひっそりと思うが、それよりも見た目に囚われる。
エルフらしい整った顔立ちと姿に、口笛を鳴らしながらニヤッと笑ってしまう。
「……ん?」
そのまま視線で追いかけた先、何故か彼女がこちらに視線を向けたのに気付く。
重なる視線、実際は自身の背中に背負われた相棒に目を引かれたのだとは気づかなかった。
悪魔の名を授けた剣は、悪魔を呼び込むだけの瘴気と魔力を溜め込んでおり、それが一種のオーラとして感じたのかもしれない。
鞘に収まったままでも、立ち上る煙のように濃い紫色を宿した魔力は溢れている。
その手の感知が得意なら気付くだろうが、特に害を成す様子もなく、ただ魔力の気配をこぼすだけ。
「何か用か? 俺としちゃ、あんたみたいないい女に目ぇ掛けてもらえるのは、嬉しいところだけどよ」
クツクツと冗談めかして笑うも、少々人相の悪さ故に悪どい笑になってしまう。
笑みを拵えたまま彼女の方へと近づいていけば、剣の気配も強く感じるだろう。
■リリシア > (どこか幼さを残す顔立ちと体格。でありながらもそのプロポーションは大人の女性のそれであり、そのアンバランスさは嫌でも人目を引くだろう。そして、それが図らずとも視線が交差したなら尚更だ。
少女はエルフでありながら弓や魔術といった世間一般的なエルフのイメージを捨てて、刀に傾倒した変わり者である。他のエルフであれば、その剣が放つ怪しい魔力・・・オーラに違和感や警戒心を抱いたことだろう。けれど、少女が目をつけたのはそれではない。そもそも、その手の感知魔術は一応できるけれど然程得意ではない。けれども、その剣が放つその瘴気や魔力は少女の五感に嫌でも働きかけ、その珍しい刀身は少女の興味を引いたのだろう。)
いえ、大した用事ではないの。ただ・・・その剣。その剣ね、珍しいな、って思っただけなの。あと・・・そうね。何か特別な力を感じるの。 ・・・もしかして、名のしれた魔剣なのかしら?
(小さくくすり、と笑顔を浮かべて穏やかな笑みを浮かべよう。凶悪な笑みを浮かべながらこちらへ近づいてくれば見た目どおりのお嬢様であれば、恐怖を抱くかもしれないが、これでも少女は冒険者。肝は座っており、怯えることなく貴方の顔を見て話をするだろう。)
■ヴィクトール > 「おぅ? あぁ……こいつか……って、よく気づいたなそんなもん」
視線が向けられていた先、それが自身ではなく剣だと分かれば、納得したように呟きかけるが少しばかり目を丸くした。
多少魔力やら瘴気の気配を感じ取られることはあれども、剣の方へ結び付けられるのは少なかったからで。
袈裟懸けのベルトを肩から下ろすと、鞘の先端を地面へと下ろす。
逆手に柄を握ると、僅かに刃を引き抜いて刀身を晒す。
細身のクレイモアと言った様相の大剣だが、その刃は真っ黒に染まり上がり、黒曜石を削り出したかのような鈍い光を見せる。
無論、刀身が見えればその闇の気配は色濃く溢れていくことになるが。
「名は……しれようがねぇだろうな、俺が作った剣だからな、魔剣っぽいとは思ってたが、やっぱ魔剣でいいのかコイツは」
穏やかな笑みをみやる視線は、刀身へと戻される。
思い起こすのは化け狐に騙されたような出来事からの変化であり、今となってはいい思い出だと思えるほど消化した。
クツクツと相変わらず悪そうな笑みを浮かべながらつぶやくと、周りへの影響を考えてか、刀身をさやに戻していく。
「そういうアンタは魔剣でも欲しいのか? 刀なんざ珍しいもんもってるしよ」
エルフと言えば小型の刃物か弓と相場が決まっている。
しかし、それに逆らうような帯刀は敢えて選んだ結果ともいえる。
不思議そうに腰元を指さしながら近づいていけば、少し前かがみになって耳元に唇を寄せようとする。
届いたなら変わらぬ笑みのまま囁くのだ、何なら二人っきりで話そうぜ と。
無論、男女でいう意味ならその先に何があるかぐらいは察し付くだろうが。
■リリシア > 当然でしょう?こんなに見て、見て、とアピールしてるんですもの。自己主張の強い可愛らしい子だわ。
(ふふ、と小さな微笑みを浮かべながらキラキラした子供のような目で貴方がベルトから剣を外す様を見ているだろう。剣から魔力が放たれている、というのに気づいたのは単純な勘と・・・後は少女がその手の剣や刀に対して強い興味を覚えていることが関係してくるだろう。)
まぁ・・・!
(そして、その鞘から抜き放たれてその真の姿・・・闇を纏った姿を見れば興奮したようにその剣に釘付けになるだろう。ここまで濃厚な魔力・・・それも闇を纏った剣というのは珍しい。魔剣、妖刀・・・その名がここまでふさわしい剣も珍しいだろう。)
さて、ね。貴方が打ったなら、魔剣と呼ぶのも貴方の自由よ。けれど、ちゃんと愛してあげてね。この子にとっては、貴方こそが親なんだから。親は子供を愛してあげないと、ね?
(貴方がそう呼びたいのなら魔剣と呼ぶのも自由だろう。けれど、そう呼ぶ時は外からの評判からではなく、貴方自身の判断でその名をつけるべき・・・少女からはそう告げるだろう。)
そうね・・・貰えるものなら頂きたいわ。だって、刀とか剣とか素敵じゃない?光を反射する輝き・・・すらりと伸びた美しいフォルム・・・洗練された切れ味・・・
(うっとりとした様子で刀、そして剣についての想いを綴る少女は傍から見ればちょっとおかしな人、に見えるかもしれない。見てくれこそは美人なエルフであるが、その中身は少々残念なものが混じっていた。黙っていれば穏やかなお嬢様。けれどこと刀と剣の話になれば・・・それに対しての強い想いが露呈する怪しい刀剣マニアとしての姿を見せた。 ・・・誰だって欠点とかそういうのはいくつか持っているものである。)
でもね、貴方から子供を無理やり奪うことなんてしないわ。 ・・・ちゃんと愛してあげてね。
(そうして彼の剣に釘付けになっていれば、そっと耳に唇を寄せる距離までの接近を許すだろう。そのまま誘惑するような声をかけられれば・・・ゾクリ、と身体を震わせる。彼の甘い声にきゅん、と心が高なって。)
・・・ちゃんとエスコートしてくださる?
(小悪魔のようないたずらっぽい笑顔を浮かべて許諾する辺り、無知な訳ではなく。ちゃんと彼が望む所は察しているだろう。けれど、それから逃げることなく受け入れた。ただ・・・まぁ、彼の望むような そういうコト まで許すかどうかは・・・彼のテクニック次第となるだろうけれど。)
■ヴィクトール > 「……だとさ、相棒。お前、意外と自己主張強ぇんだな?」
剣を下ろしつつ、彼女の言葉に乗っかるように大剣へ語りかける。
しかし、その声に本当に呼応する剣は、わずかだが魔力の波を揺るがせた。
悪魔が本当に宿ってしまった剣は、主張したわけではないと呟いているが、それは彼にしか聞こえない特別な声。
そして刃を晒していけば、その姿に夢中になる様子は少女のようにも見える彼女には似つかわぬ反応。
変わってるなと思いながらも、その様子をニヤッと笑いながら見つめていた。
「こいつぁ……なぁ。ははっ、変わってんなアンタ」
貰えるものならと言われれば、流石に心血を注いだ剣を手放すには難しく、苦笑いでごまかすように呟いた。
しかし、恍惚とした様子で刃の魅力を語る姿は、やはり見た目とは噛み合わない。
可笑しそうに笑いながらも、小馬鹿にするというよりは気に入ったというような明朗な微笑み。
女のくせに刀剣に思い入れがあるのも、一つの魅力だろうと彼女の面白さに惹かれるものを感じていく。
「そうするさ、わりぃな。――出来るぜ、ちとガサツかもしれねぇけど、な」
彼女を誘う囁きは、違う熱を煽ったか。
試すような言葉に徐々に口角を上げてニヤければ、下手なりにと前置きをしながら、大きな掌が彼女の頬へと掛かる。
剣を握り込んで固くなった皮膚、そして指の付け根等に残る固くなった部分と、戦う男の掌を押し当てた。
そして、ザラッとした掌が顎にかかっていけば、ぐっと上向きにさせながら唇を奪おうとする。
重なったなら……まずは唇を重ね合わす甘い口吻を。
何をするわけでもなく、数秒ほど重ねるキスは、多少なり女の悦ばせ方を理解しているつもりだ。
■リリシア > (彼とは異なり、その剣と長く居たわけではない少女は魔力の乱れは感じたものの、それが何を意味するかまではわからない。けれどまぁ・・・何か思うことはあったのかもしれない。)
でも。その子をないがしろにするようなら・・・貰っちゃう、かもね?
(ふふ、と微笑んで本気なのか冗談なのかわからないことを言うだろう。少女は斬る、と決めたのならば遠慮なしに斬りかかるタイプである。もし、貴方がその子を蔑ろにするようであれば、その子が可愛そう、と奪いにかかることもあるだろう。でもまぁ・・・先程の通じ合っている様子を見る限り、大丈夫そうだけれど。)
ん・・・。
(そうして、頬に手をかけられて接吻を求められれば彼の望む通りに口づけを受けよう。男らしいゴツゴツとした手・・・そういう鍛えられていることがわかる男の手は少女は好きなタイプだ。どくん、と心臓を高鳴らせながらも・・・目を閉じて、貴方の口づけを受けようか。)
■ヴィクトール > 「そらねぇよ、こいつぁ文句があるなら突っかかってくるからよ?」
人のような扱いでそんな答えを告げるも、実際に魔人の姿となって文句をつけに来ることもある。
冗談めかした口調で答えながらも近づいていけば、白い肌が戦う掌に吸い付くように重なった。
口吻を受け入れるなら、そのまま長く重ねて、そしてゆっくりとゆっくりと唇が離れる。
柔らかな感触を重ねるだけのものだが、唇が離れればにっと笑いながら銀髪を優しく撫でていく。
「……へへっ、んじゃ楽しもうぜ…?」
剣を再び背中へと戻せば、自分よりも小さな手を優しく取って握る。
指を絡めるようにして掌を合わせると、宿屋の並ぶ通りへと彼女をエスコートしていく。
歩幅を合わせて、時折彼女の方を見やって微笑んだりと、見た目の割には気遣いが出来ている…筈。
彼女の様子を見ながらも、彼女の気が惹かれる宿を選んでドアを潜れば、諸々の手続きをささっと済ませて部屋まで連れ込むのも早い。
しかし、後ろ手にドアを閉ざして直ぐに脱がせに掛かる事はなく、代わりにベッドへと連れ込むようにして押し倒し、覆いかぶさるキスを降り注がせる。
幾度も幾度も唇を啄むように重ね、頬をなでて銀髪に指を梳き通す。
黙っていればお嬢様と言った様な整いに、綺麗だと息継ぎの合間に囁きながら、熱く彼女を求めていく。