2017/11/09 のログ
■アルマ > 不夜城ハイブラゼールの一角に位置する高級宿、その目玉であるカジノに魔女は数日ぶりに足を踏み入れていた。
一夜にして文無しの貧乏冒険者が巨万の富を得、はたまた貴族が1勝負で奴隷に堕ちる。そんなバカげたレートの賭けが行われることもあるそのカジノは数日前と変わらず多くの客達で賑わっていて。
「よし…この前みたいな茶番はやってないみたいね…。さて、っとなにから行こうかしら」
カウンターに座り、グラスを傾ける魔女。しかし女の目的は今回は酒ではない。実際魔女の視線はカード、スロットとフロアの各所で行われている様々なギャンブルを見定めるかのようにフロア全体を見渡していて。
■アルマ > 本来こういった類の遊戯に執着を見せることも一攫千金を求めようとすることもない性格であった。もとより普段から金に困るのうな生活をしていないしいざとなればそこらへんの財宝を売り払うかはたまたどこかの誰から奪ってくればいい、もう何十年もそのようにして生活を続けてきた。
しかし今回に限りそれは例外だ。彼女の手にあるチップ、それは数日前、自らが闘技大会を開催したことにより発生したアガリである。
「いくら遊びとはいえ勝って得た金を負けて失うってのは癪よね…」
そんな事を考えていると自ずとギャンブルにたいするモチベーションも上がってくる気がして。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にジェイコブさんが現れました。
■ジェイコブ > 「相変わらず、ここの空気は独特だ…」
港湾都市に位置する巨大なカジノは、身分も種族も多種多様な人々がごった返す欲望の坩堝となっている。
その熱気にやや気圧されながらも、大男もしっかり抱えているのはチップの山だった。
これらは首尾よく依頼を終え、その出来栄えに満足した雇い主が、報酬に色をつけるといって渡されたもの。
そのまま換金する手もあったが、どうせならギャンブルに使うことを思いついたのだった。
「まずは景気づけに一杯、ってところかな……どうも、隣を失礼してもいいかな?」
様々な賭けが行われるホールをうろうろと歩く大男の姿は、周囲からそれなりに浮いていた。
ふと目に映ったバーのカウンターに、仕事の間断っていた酒の誘惑に釣られた大男は、先客である相手に声をかけた。
■アルマ > 周囲から聞こえた小さいざわめきに気付きふ、と視線をカウンター周辺に戻すと一際たくましい大男が入場してくるのが見えた。
「えぇ、問題ないわよ。景気付もお酒も大事だもの」
快く同席を受け入れ、男が腰掛ける様子を横目に見る。
見た目や格好を見るに傭兵や冒険者だろうか?山脈の無名遺跡で一発当てたりその以来で稼いだ足でカジノの立ち寄る者は珍しくないがそれでもやはり男の巨体は目を引くものがあって。
「傭兵さんかしら?みたところお仕事帰りに見えるけど」
追加のグラスを貰いながらさりげなく話し掛けてみて
■ジェイコブ > 「感謝するよ。ああ、ジェイコブだ、よろしく」
周囲の注目を集めてしまうと、不慣れな様子が露呈することと、立場が露見することを恐れてそそくさとバーへ向かい、先に座っていた長身の女性の言葉に、席についていく。
隣に座る女性の恰好から、貴族のように見えて、それなりに鍛えているようにも思えて、不思議そうな視線を向けてしまい。
その浮かぶ疑問をよそに、仕事中に飲むわけにもいかなかった酒を一気に呷り、喉から香る酒気に心地よくため息を吐き出す。
「しがない雇われの騎士でね、報酬にこれを渡されて、ついついここまで足を運んでしまったわけだ…そちらは、溜まった財産を遊興に、ってところかな」
相手に問われ、持ってきているチップを指して肩をすくめながら、ここに至った顛末を答える。
そして、グラスを受け取る相手の目的も、少し気になって問いかけてみて。
■ジェイコブ > 酒を呷った大男は、そのままチップを手に一勝負に向かいに、テーブルへと向かっていった。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からジェイコブさんが去りました。