2017/08/21 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”カジノ」にリュシーさんが現れました。
リュシー > (今宵もきっと、さまざまな人がこの遊戯にのめりこみ、
その人生をカードの閃きひとつで変えてしまっているのだろう。

しかし、今宵の己はカジノで散財しにきたわけではない。
異様な熱気を振り撒くカードテーブルの傍らを擦り抜け、まっすぐに向かうのは、
カウンター席幾つかだけの、ほの暗いバースペースだった。
いわゆる「オトナの娯楽場」にあって、己の外見が異質なのは百も承知。
案の定、いかつい顔を更に顰めた顔馴染みのバーテンダーの正面、
空いていたスツールへ膝をついてよじ登り)

こんばんは、お久しぶり。
この前は、お支払いもせず失礼しました、ってことで、持ってきたよ。

(かしーん、と硬い金属音を響かせて、目の前のカウンターへ銀貨を一枚。
叩きつけるようにして置くと、にやりと少女に相応しからぬ笑みを浮かべて)

……言っとくけど、盗んできた金じゃないからね。

ああ、そうそう。
宿泊代は払わないよ、だってあの時、目が覚めたの、物置だったよね。
あの部屋で宿泊代取るほど、悪辣な商売してないよねえ?

(酒を頼んだのに甘いソーダを出されたとか、うたた寝してる間に物置へ運ばれたとか、
いろいろ根に持っているらしき口振りで。)

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”カジノ」にアシュトンさんが現れました。
アシュトン > 参ったね、今日は中々勝てない。
ディーラーさん強すぎだよ。

(咥え煙草をひょこりと揺らせば、苦笑いに肩を竦める男が一人。
仕立ての良い黒のスーツに身を包み、首には朱いネクタイを。
黒髪をオールバックに纏めた姿は、少々ヤンチャそうではあるが貴族の一員と見られても不思議はない。
もっとも、遊びにきた訳ではなく、目的は情報収集である。
ディーラーのイカサマなんかは、ほぼ熟知してはいるのだが。変に稼いで注目を浴びるのも面倒臭い。
そもそも、掛け金も金持ちのポケットからスッたものなので、非常にエコな感じで賭け事に混ざっていたのだ。
とりあえずと欲しい情報も集まったし、懐具合も程々寂しくなってきた。
一息入れようとディーラーに軽く手を振ってから席を後にし、バースペースへと歩いてゆけば)

おや……?

(片目を僅かに閉じれば、首をかしげる。
場に似合わぬ少女が一人、バーテンダーと何かやりとりをしているようだ。
周囲から浮いて目立つのも確かだが、なんだ後姿に見覚えがあるような気もする。
特に気配を隠す訳でもなく、緩い足取り、其方の方角へと歩いて近づいてゆくのであった)

リュシー > (今夜の目的は、ただひたすらに、バーテンダーに借りを返すこと、だったので、
遊興に耽る客などは、完全にノーマークだった。
実際に目を凝らしてみれば、昔の知り合いやら、この姿になってからの少ない知己やら、
誰かは認められたのかもしれないけれど。

さて、バーテンダーは苦笑いをしながら銀貨を受け取ってくれたので、
己としては大満足である。
にんまりと笑みを広げてふんぞり返り、じゃあね、などと朗らかに手を振って。
とっとと帰れ、カモにされるぞ、という「親切」なご忠告を背に、
スツールから降りてきびすを返し―――
こちらへ向かって歩いてくる人物に気づいて、ひたと足を止めた。)

――――、……?

(どこかで見た顔のような、という淡い記憶が頭の片隅を過ぎる。
けれど同時に、なぜだか背筋がざわりと粟立ったので―――、
素早く視線を外し、俯き加減にさりげなく、彼を避けて入り口を目指そうとする。
擦れ違うにもいったんは距離を削らねばならず、近づけば近づくほどに、
ぞくぞくと震えはひどくなる一方だったが―――はっきりした記憶は、まだ蘇っておらず)

アシュトン > (相手が此方に振り返り歩き始めると、軽く口の端を上げて会釈を一つ。
歩きすがらに煙草を小さな皮袋に入れると、火を消して
なるほど、どうやらあの時の少女に間違いは無さそうだ。
修道女の一人かと思っていたのだが、別にそういう訳ではないらしい。
あの時とは自分の格好も違うし、状況が状況だ。直ぐに気づかなくても、不思議はない。
もっとも、なにかしら引っかかりを感じているのは、彼女の表情から感じ取れる所ではあるのだけれども。
少し頭を下げたのを別とすれば、何をする訳でもなく。
歩みに距離は縮まり、やがて他人同士がそうするように、すれ違った直後)

やぁ久しぶり、ヤルダバオートの聖堂以来だな。
知らないふりして通り過ぎようなんて、酷いじゃないか。
あんなに一晩中、愉しんだってのにさ。どうだい、ちゃんと孕んだか?

(小さな笑い声が一つ、鳴って。
明らかにただの貴族ではない足取りで素早く振り返ると、視線の先には彼女の背中。
一方の腕は肩越しにまわして軽く胸元へと触れるように。
もう一方は腰から、下腹部、ヘソの下辺りへと触れるように。
囁きかけるような声と共に、彼女を後ろから抱きとめようとする)

リュシー > (先に会釈を向けられてしまったので、仕方なくそっと頭を上下させた。
知らない人が相手でも、この程度は普通にするだろう、大丈夫だ、と己に言い聞かせて。
カツカツと響く靴音は、普段の己の歩調からすれば、幾分早めであった筈。

近づいて、擦れ違い、通り過ぎる―――もう、あとは立ち去るだけだ、と、
安堵に肩から力を抜きかけた刹那。
背後から聞こえた声に、その内容に、ぎくん、と全身が凍りつく。)

―――― な、……

(反射的に振り返ろうとしたのか、それとも振り切って逃げ去るうと思ったのか。
いずれにしても、己が行動を起こすより先に、相手が動いた。
己の肩から胸へ、それから、腰を攫うようにして下腹へ。
男の腕が素早く絡みついて、あっという間に懐へ捕らえられてしまう。
一拍遅れて、逃れようとぎこちなく身を捩らせながら)

やっ、……は、なして、離せ、ッ……!
あ、…あ、んなの、……違う、あれは、ちが、っ……、

(―――思い出した。
この男をいつ、どこで見たのか。
そして、どうしてこんなにも、身体が震えてしまうのか。
男の掌が触れている下腹が、あの夜の熱を思い出してしまいそうで、
一刻も早く男の腕の中から逃れ出ようと、じたじた四肢をもがかせて)

離して、もう、帰るん、だからっ……、
ひ、…ひと、呼ばれたい、のっ……?!

アシュトン > なんだ、ちゃんと覚えてるじゃないか、嬉しいね。
何がどう違うんだい?蕩けた雌の顔で、気持ちよさそうに喘いでたじゃぁないか。

(後ろから抱きとめてしまえば、少女の抵抗なんてのは可愛らしいモノでしかない。
彼女の背中に己の胸板を密着させれば、動きを奪うようにすり寄せて。
背丈の割に大きめな胸の膨らみを掌で柔らかく撫でると、弾力を確かめるように指で軽くと押す
服装は違うが、なるほどこの手触りは本人に間違いは無さそうだ)

こうなって、帰れる……訳がないよな?
なに、この騒ぎだ。叫んだ所で気づく奴も少ないし。
気が付いたとしても――ここじゃぁ良くあることさ。

(騒ぎにまぎれて女性が一人、なんてのもそうと珍しくはない。
下腹部に触れていた指先が、子宮や膣を意識させるようにその形をなぞり始めた直後。
相手の注意を其方へと向けさせたとたん、胸元に触れていた手が何時の間にか握るのは白いハンカチ。
しみこませたのは意識をまどろませる程度の、睡眠毒と媚薬毒。
それを、彼女の口と鼻に宛がいにゆき)

マスター、どうも彼女の調子が悪いらしい。
後で金は倍払うから、部屋の鍵を貰ってもいいかな?

(此方のやり取りは背中越しになって彼からは見えない。もっとも、見えていたとしても興味なんて無いのだろうが)