2017/08/03 のログ
■レア > 「そうね…占めて580ゴルドってところかしら」
テーブルにどさりと載せられた取得品の数々を仕分け終えた女の言葉に冒険者は浮かない表情を隠す様子もない。
実際数日探索を行って得た戦果が2〜3日の生活費分となればそうなるのも仕方ないだろう。
「アイテムの傾向からしてたぶん近い時期に同じ遺跡を探索した人がいたのね。ダンジョンの魔力が薄い上に効果が変質してるものもない。まぁこういう時もあるわよ」
力ない冒険者の肩を軽く叩きながら革袋に詰められた硬貨を渡してやんわりと送りた出して。
■レア > この時期にはると先程のような稼ぎ狙いの者が多くなる。
ダンジョン奥底に眠るレアもの狙いではなく比較的浅い層から金になりそうなものをひたすら集めるタイプの冒険者だ。
さながら肇国節で寒くなった懐事情を改善する為なのだろうが
「みんな同じこと考えるからあまり稼げないのよねぇ…」
グラスに入った酒をカラカラとかきまわしながらそう小さく呟く。果たして世の中うまく出来ていると言うべきかあるいはうまく行かないと言うべきか、など下らないことを関係ながら次のお客がテーブルによってくるのを静かに待って
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にジアさんが現れました。
■ジア > 酒場の中に、年若く見える少年が麻袋を手に入ってくる。
駆け出しの冒険者として活動する少年は、少ない報酬で松明代わりにはなると連れていってもらった遺跡の発掘品を分けてもらった戦利品を持って、きょろきょろと酒場を見渡していく。
やがて、酒場の一角でテーブルに座り、グラスを傾けている女性に気づいてそちらへと歩いていく。
「こんばんは。もしかしてお姉さん、鑑定をやってるって人ですか?
鑑定をお願いしたいんですけど、お金ってどれぐらいかかります?」
少年はテーブルの前に立ってぺこりとお辞儀をしてから、小首をかしげて問いかけて、手に持っている袋から、古ぼけた装飾品のようなものをいくつか取り出す。
どれも人よりは魔力への感覚が鋭い少年が見つけたものではあるが、それでもちょっとした付与が施された装飾品が殆どだろう。
そう声をかける少年の首から下げる魔人の依代となる指輪が、身動ぎによってゆらゆらと女性の目の前で揺れて。
■レア > ふと声をかけられ視線をテーブルの向かいへと戻してみればひょっこりとテーブルよ影から頭が飛び出しているのが見える
「あら、これはまた珍しいお客さんね…そうね、鑑定品の数にもよるからまずは見せてもらえるかしら?」
酒場には場違いな用紙の客に内心と惑いながらもなるべく平素を装いながらテーブルへと並べられる品へ目を通していく。
「ふむ…どれも悪くはないわね。アイテムが纏った場所でも引き当てられたのかしら?」
少年が並べたい物は1級品とまではいかないものの修理や加工次第では実用品になるものが多く、しかしそれを全て単独の力で発掘したとは女は微塵も考えに至らず。
「あら…?その指輪も発掘品かしら?」
そんな中、不意に少年の首元に提げられた指輪が目に入る。妙に目についたそれに女は不意に問いかけて
■ジア > 「ホントは鍛冶屋なんですけど、急に明かりの魔法使える人がリタイアしちゃって、代わりに連れて行ってもらったんです。
はい、これと…これと…これも…」
テーブルに両手を置き、背伸びをするような姿勢で少年はニコリと笑いながら、照れ臭そうに言って、促されるままに十数個の品を並べていく。
「『明かりを消さないなら好きに持って行っていい』って言われたんで、好きなのを貰ってきました。キラキラしてるのがいいんですよね?」
並べていく品々は、目の前で不思議そうな顔で見当外れに聴こえる物言いをしている、単なる子どもにしか見えない少年が一人で集めたにしては十分すぎる代物だろう。
その判断は、冒険者たちも同じで、素人に見つけられるわけがないと侮られての扱いが幸いしていた。
「…えっ?あ、えっとですね、これはその、贈り物…そう!贈り物なんです…大事な」
そして、問われた指輪については反射的に隠す素振りを見せかけてから、あからさまにとってつけたような口ぶりで、少年は焦り気味に答える。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からレアさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からジアさんが去りました。