2015/12/10 のログ
■フラウメオー > 「ひょっとしたら私にも混ざってたりすれば面白かったんですけどね。こうスラリと綺麗なエルフとか。
御忠告は有り難く、でも当分先ですよ。今暫くはこの国で沢山稼がせて貰おうと思ってます。
今正に動いている国で、急激に金持ちになったのも多いですからね。そういう類が狙い目です。
価値なんかわかりゃしないんですから、私の口車次第で幾らでも稼げるってものでしょう。」
忠告を聞きながら当座の目的を饒舌に話し、相手がリュックを不可思議そうに持ち、
耳心地のよい言葉を謳う事に何度も何度も頷きましょう。
ただ囁かれるとピタリと止まって、周囲をぐるりと見回しもするのですが。
……あ、なんか猫みたいな目をした怖そうなお兄さんが此方を見ています。
慌てて視線を逸らしましょう。
「……あ"……ああ、でもほら、貴方は返してくれましたし?
そういえばお名前をまだ……ああセツさんと仰るってシーフ!」
逸れた先でリュックを返して頂いて
自己紹介もして頂くのだけれど、返る反応はリュックを確と抱いて後ずさる事。
些かを超えて無礼だったと気付くのは、セツさんの笑顔を見た後の事でした。
「むむむ……何だかペースに乗せられているような……と、ともあれ失礼しました。
私はフラウメオーって言います。「出来る女」と評判(になる予定)ですよ。」
ばつの悪さを誤魔化すように胸を張り、独り寝できぬと言外に重なる言葉には、
ふうむと少し悩みもするのですが……
「お互い渡り鳥ですからね、旅の御話でもしながらお酒でも交わしましょうか。
寝酒、余り御行儀良くも無いんですけどね。」
ま、悪い人じゃあないな!と聡明に判断をしたので快諾し、私は手を挙げて給仕の女性を呼び
――応えるようにグラスがすっ飛んで来て小さく悲鳴を上げてしまいました。
見れば酔漢達が言い争いから殴りあいに発展する所。
■セツ > 「激しく荒れる海は、最も稼げる航路でもあるからね。
価値はその物が持つのと同時に、売る人が持つものでもあるから。 ……出来る女であれば、そこで上積みをいくらでも勝ち取れる、というものなんだろうね。」
僕には上手くできそうにないけれど、なんて小さく呟き。
「可愛らしいお姉様の物を持って逃げるなんてことは、僕には出来ないな。
貴方をそのまま抱えてならば、いくらだって逃げる自信はあるけれどね。
僕の前で守るなら、リュックではなく自分自身かもね。
どうやって呼べばいいかな。」
相手の名前を聞けば、よろしく、と小さく言葉を重ねてそっと手を握ろう。
そのまま手の甲に軽く唇をつけて。
「それはいい。 これで僕も心安らかに眠ることができるわけだ。
お行儀の類は、それを気にする人の前でボロを出さない程度に覚えておけば、きっといいさ。
っと。 危ないもんだね、ここは。」
ぱちん、っと掌でそのグラスを受け止めれば、そのグラスを床に置いて。楽器をいそいそとしまい込む。
「こうなってしまえば、お仕事は休憩。 巻き込まれないうちに隠れる方が良いかもしれない。
じゃあ、失礼しますよ、お姉様。
………あんまり騒ぐと目立ってしまうから、お静かに。」
言いながらひょいと、膝裏に腕を回して抱き上げてしまおうか。
お互いに荷物が軽くて助かるものだ。
相手が何かを言う前に注意を重ねてしまえば、小さなその身体を抱いて物陰に隠れる……手慣れた様子。
■フラウメオー > 「あ、私の事はフラウとかで……え、ちょっ、わあっ」
手の甲にキスをされた事とか、お金持ちへの道であるとか、
諸々の事は一先ずとして気がつけば私はセツさんに抱えられて、
ステージに設えられた簡素な緞帳の裏へと引きこまれていたのでした。
……見た所、細い人であるのに大した動体視力だし
小さいとは言え20kgはある私を易々と抱えて移動もしてしまうし
中々どうして不思議な人だなって、ちょっと与太な思考。
「えっと……お店の外に出た方が良かったと思うんだけど……
喧嘩、収まりそう?私からは見えないんだけど。」
口付けされた手の甲を擦りながら、ぶつぶつと言葉を落とす私の視界は暗い。
御姫様抱っこのように抱えられてしまっては自由も効かないし様子を覗う事もちょっと厳しい……
と、言う所で私は有る事に気付く。
「……っていつまで抱えてるのよっ。降ろしてくれる?」
もう抱えられる必要は無いということに。
だからもぞもぞ動いて降りようとしてみたりもするの。
■セツ > 「……じゃあ、フラウさん。
こういう時は、人が殺到するところは危ないんだ。
皆が皆出ていこうとする。 当然、僕ら二人がその人混みの中に入ったとして。
……ね。
誰彼構わなくなっている場合は、動いている相手が目に留まる。
これに乗じて暴れたいと考えている場合は、弱い相手が目に留まる。
僕らが逃げたら、当然どちらからしても、……囚えやすい蝶だからね。」
穏やかに諭すように呟きながら、ちら、と外の様子を伺えば。
……どうにも、もうしばらく収まりそうにない。
マスターはマスターである程度まではやらせた上で、それなりの請求をかけているのだから、よほどでなければ止めることもない。
「……ああ、ごめんね。 どうにも抱き心地がよいから。
不安だと、何を抱いていたくなるものだよね。」
そんなことを呟きながらそっとおろしてあげる。
柔らかいその髪を優しく二回、三回撫でて、静かにね、と呟き。
■フラウメオー > 「む、むう……随分、その、確りしてるのね。人を見る目っていうのかしら……
確かに殺到されたら危ないよね。喧騒、結構凄いし……。」
見えはせずともハーフフット特有の大きな耳なぴこぴこと動いて店内の音を捉え続けている。
怒号、悲鳴、囃し立てる声に恐らくは酒瓶が割れる音。あと、セツさんの心臓の音。
「抱き心地が良いって……私は抱き枕とかじゃないんですからね。
……まあ、不安だって言うなら仕方ないけど……ととと。」
望んだことではないけれど、褒められるのは悪い気がしないからまあいいかなって
思った矢先に降ろされての不満顔。ペースがすっかりと掴まれてしまって、自分に不満という奴。
「頭撫でないでってばー……もー……あ、そうだ。不安だっていうなら私が撫でて上げるわ?
名案名案。さっすが聡明な私。」
それらを払拭するように立ち上がり、しゃがみ込んでいるセツさんの頭をいい子いい子と撫でてあげましょうっ
ついでにちょっと、艶やかな黒髪を梳くようにもしてみたりもして、その指通りの心地よさに瞳を細めたりもするのだけど。
「綺麗な髪だわあ……もし髪の毛切る気になったら教えてね。私が買い取ってカツラ職人に高く売りつけてやるから。」
■セツ > 「こういうところで仕事をすることが多かったからね。
それだけの話だよ。 人を見る目というより、どちらかと言えば痛い目にあってきた回数が多いってだけのお話。」
囁く心音は緊張を知らぬかのように、ゆったりとしたもの。
ふわりと漂うお酒の匂いは、きっと彼女の匂い。
目線だけは酒場から離すことはないけれど。
「ああ、本当かい。 ……じゃあ、撫でてもらおうかな。
流石商人と言ったところかな。 僕はあまり切らない方だけど、切る時になったら教えるよ。
………それじゃあ、そろそろ離脱しようか。
こういうことになったらその日の仕事は終わりだと言われているんでね。
フラウ姉さん、僕にもう一度捕まって頂くことはできないかな。
………窓から外に出られるんだけれど、少し高いんだ。
外に出られたら、お風呂にでも入れる宿に案内するよ。」
言いながら、もう一度手をそっと回して、抱き上げようとしてみる。
そっと顔を寄せて、髪の毛ごしに額に僅かに唇を触れさせようとして。
■フラウメオー > 「……むーん。私も辛酸を舐めた事はあるんだけどなあ。
いけないいけない……私は出来る女私は出来る女……聡明で素敵で格好良い感じの……」
セツさんの髪の毛を撫でながらぶつぶつと呪文の様に言葉を零していると、
不意に呼ばれて間が抜けた声。へ?とかえ?とか、或いはふぇ?みたいなの。
聞けば窓から出られるそうで、彼女の示す先を見ると成程高い。
私じゃちょっと無理そうね――なんて感想を抱いていたら
自身が再び抱えられていた上に、セツさんの顔が直ぐ其処で。
「わ、わっちょ、あわわ!今、そういう事する場合じゃないでしょ!」
子供をあやす母親がするような口付けに言葉を荒げてしまうのは
子供扱いをされた気がしたからでもあり、
女性からそういう事をされるのが吃驚という事でもあったから。
先程手の甲にされたこととか、夜の寝る話とかも鑑みて、
……あれ?もしかして?と抱えられながら首が傾く。
「セツさん、あなた、もしかして、そういう?」
リュックをはっしと掴み、会話の勘所もはっしと掴んで一言訊ね
さてはてこの後どうなったのかは別の御話なのかも。
■セツ > 「……? そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫だよ。
リュックを預けてくれたり、高い場所から降りるのに身を預けてくれたり。
信頼をしてくれているフラウ姉さんに親愛の情の一つは示させてもらってもいいんじゃないかな。」
慌てる相手に首を少しかしげながら、窓を静かにそっと開いて。
よ、っと窓枠に飛び上がれば、ぎゅっと強く抱き寄せる。
「可愛らしいものを大事にするのは、僕であろうとなかろうと、当たり前のことだと思うんだ。
僕は、……男性であろうと女性であろうと、素敵だと思うものは愛したいと思っているよ。
暴れたら駄目だから、気をつけて。」
そう囁いて、ひらりとその身を躍らせる。
窓から降りても抱っこしながら歩こうとして、きっと怒られるところまでは間違いない。
そこから先は、次のお話。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 酒場」からフラウメオーさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 酒場」からセツさんが去りました。