2015/11/27 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 大通り」にサタンさんが現れました。
サタン > 町中が常にお祭り騒ぎ。
大通りは彼方此方で酒場の灯りと聞える明るい声と
娼館の前で客を引く娼婦達の艶やかな声
賭博場では一夜にて勝者と敗者が上げる歓喜と絶望の声。
この街には無数の声が存在する。

数多くの娯楽が立ち並ぶ大通り、男の姿はあった。
この街に現れた理由は幾つかあれど、一つは酒であった。

「――…あまり良い物ではないな…。」

露店の一つにて並べられた酒瓶の銘柄を眺め呟く。
その声は街の歓声の前に消え去った
この露店も結局気を惹かせるような一品は見当たらず、後にした。

「――…安酒ばかりだな。まぁ…一級物があるなどとは思わぬが、せめて物珍しさ程度は欲しい所か。」

拘りではないが、酒ならば王都でも十分に手に入る。
無論、人間の酒などで酔いはせぬ身なれど、嗜好の品としては魔界よりも幾分か面白みもある。
どうにも、自らが嗜む酒は過剰な度数のみを目指した品ばかりであり、同僚の言う良い人間界の酒というのを探しに来ていた。

サタン > 娼館の前を通れば、大柄な黒尽くめの聊か強面な男であっても、声を掛けて誘ってくる辺り中々な度胸であると思う。
無論その声には乗らずヒラリと片手で払い、多くの人間が酒に酔い、娯楽に酔い、一夜を愉しんでいる通りの中、人の流れを男が避けているのか、それとも避けられているのか、気にする事も無く歩みは阻まれず街の中を突き進む。

「やれやれ……これであれば、配下の者に任せるべきであったか。」

自らの気配は可能な限り抑えてあるだけに、先ほどの露店の店主の対応然り、まさか歓楽街に魔王がお忍びで来ているなどと気が付くのは難しいだろう。