2022/12/13 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 今宵の闘技場は、一種異様な雰囲気だった。
試合場は、何も変わっていない。通常のレギュレーション通りの闘技場だ。
だが、違うのは――観客席の人間の多くが武装し、修羅場を――それも、人間同士の修羅場を潜っている様な眼をしている事だった。

明らかに、異様。明らかに、剣呑。
その理由は、今回の試合の主催にあった。

「(確かに、犯罪組織が大会の主催になる事もある、ってのは聞いてたけどなあ……!)」

そこに俺を投入するなと言いたいが、上から言われれば従わざるを得ないのが剣闘士[ツトメビト]の悲しい性である。
別に、汚い金を貰うのが苦痛という訳ではないが、こちらにだってイメージってものがある。
女は犯すが、それ以外は割と普通の人間。そういうイメージに、裏社会との繋がりは不要だ。

「でも、やるしかない、かあ……下手打ったら俺まで殺されちゃうだろうし」

そう呟く男の眼前で、扉が開いた。
そして、対戦相手が入場してくる。
その相手は誰なのか、当然聞かされていない。
犯罪組織の誰かなのか、それとも彼らが捕虜にした冒険者なり治安組織の人間なのか。

「(誘拐した一般人って事もあり得るな……。甚振る為のショーって感じで。
誰であっても、恨まれるなあ。はぁ……)」

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。