2022/08/28 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 『さあ、始まりました。今日のアケローン闘技場は、エキシビジョンマッチ"蹂躙の闘技"!
普段は、フェアプレイの精神に則り使用されない、あれやこれやのマジックアイテムや装備で、参加者を蹂躙するという趣旨になっております!
そして、この手のマジックアイテムと言えば――対魔族装備の所有者としてお馴染み、クレス・ローベルク選手です!』
おお、と歓声の中、現れたのは迷彩色のローブを着た男だ。
普段は、青い闘牛士服を着ているが、今日に限っては彼の実家から持ってきたマジックアイテムを装備しての参戦だ。
彼の着ているそれは、極限まで突き詰めた肉体強化。そして、魔術を砕く鎖の召喚。呪術や自動制御魔術への迷彩など、多岐にわたる魔術がかけられている。
正直言って、こんなものは通常、人間相手の試合に使うべきものではないと、クレス自身そう思っているのだが。
「(試運転をしたいから場所を貸してくれって言ったら、こんな事になるんだもんなあ)」
とはいえ、やるからには徹底的に。
ローブの下にも、幾つか反則級のアイテムを隠し持っている。
試合の為ではなく、プライベート用。
怨みを買った者から身を護る為に用意しているものが。
試練の媚薬も、今日に限っては最初から二回分になるように濃縮してある。打てば一撃で発情だ。
『さあ、それではそんなマジモードなクレス選手に対する、憐れな子羊は誰なのか……それでは選手、入場です!』
■クレス・ローベルク > 選手入場と言って、扉がぎぎ、と開く。
その間、男が考えいた事は、実は"不安"だった。
何しろ、今日の戦いは"蹂躙"しなければならない。
「(ハードルを上げすぎなんだよなあ)」
世の中、人間に擬態した魔物も、人外以上の人外もいるというのに。
それはもちろん、最初からこのローブを着ている分"有利"ではあるが、"絶対"ではない。
事実、このローブを着ていても敗北する事はあるのだ。
故に彼が思うのはたった一つ。
「(頼むから、そんなに強くないけど受け身とかにはある程度気を付けられて、且つ何かこう、観客受けが行けるのが出てくれ――!)」
それは、愚痴と言うより、純粋な祈りに似ていた。或いは単なる願望。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。