2022/08/27 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 夜の闘技場は、夜闇を切り裂く魔導照明の光に照らされている。
その歓声は止むことを知らず、ハイブラゼールの夜を騒がせる。
だが、今日の歓声は、微かにいつもと質が違った。
何時もよりも嗜虐的で、何処か熱を帯びて。
それは、試合と言うより、処刑の見物人のそれに似ていた。
『紳士淑女の皆様!ようこそ、アケローン闘技場懲罰試合へ!
普通の試合とは違い、今回の試合は罪人・逃亡奴隷・その他、何らかの"罪"を負った者たちが、その贖罪の為に戦うという趣向となっております!』
アナウンスに、おおお、と叫ぶ観客たち。
だが、彼らの大半は分かっている。この国では決して、罪を犯した者が罰される訳ではない。
冤罪、濡れ衣、その他諸々で、誰もが罪に問われるのだと。
しかし、それを敢えて罪人として扱い、戦いを強いる事に意味がある。
無論、それが本当の罪人であっても構わない。
本来被害者と言っていい、犯され、弄ばれる選手たちが悪で、その試合を見ている我々こそが、正義。
その倒錯こそが、この試合の醍醐味なのだから。
『この試合に罪人側が勝利すれば、彼らは無罪放免……ですが、そうはさせじと立ちはだかりますは、闘技場の十年選手。
クレス・ローベルク選手です!』
試合場の中央にいる男が、スポットライトに照らされる。
四方の観客席に大仰に礼をしてみせるのは、青い闘牛士服の男だ。
これから戦いだというのに、にこにこと笑みを見せているのは、プロとしての礼儀か、余裕の顕れか
『そして、お待たせしました!今日の罪人選手は――』
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。