2022/08/05 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 試合場に、男が一人立っている。
観客席は既に満員。どころか、立ち見の客までもいる。
試合相手は告知されていないというのに、この集まり様である。
闘技試合の需要は、衰える事を知らない。

「……ま、だからといって剣闘士が安定した職業かって言われれば、別にそんな訳じゃないんだけど」

寧ろ、何時首を切られるかというプレッシャーの中戦うのが剣闘士という職業である。
客から人気がなくなればすぐ終わり。
だから、男は今日も、精々楽しい戦いをするのである。
勝つためでもなく、正々堂々でもなく――楽しませる為に。

「(そして、あわよくば楽しんで、ね)」

そう思っていると、喇叭の音が試合会場に鳴り響く。
闘技開始を告げる合図である。
そして、それが響き終えれば、アナウンスが流れ出す。

『さあ、いよいよ始まりましたアケローン闘技場興行試合。
今回、当闘技場の剣闘士、クレス・ローベルクの相手になるのは……こちらです!』

試合場の扉が開き、今日の挑戦者が現れる。

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。