2021/10/28 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 日頃、闘技場で戦う剣闘士達。
だが、かといって常に戦っているわけではない。
命がけの戦闘をショーとして成立させるという、たわけた――しかしハードな仕事をこなすには、定期的な休息が必要不可欠である。

そんな訳で、剣闘士クレス・ローベルクは休みを使って、闘技試合を観に来たのである(ちなみに、剣闘士だからといって別に割引が適用される訳ではい。こういう所ケチなんだよなと男は思う)

「おお、今回の試合は当たりかな。相手が女の子なのを差っ引いても、ちゃんと試合解ってるねえ」

戦闘巧者からすると無駄な動きが多いが、身体を回したり、大きく跳ねて避け、隙を見せたら反撃する。
時折、ダメージを受けてみせるが、しかし致命の一撃は貰わない。
圧勝しすぎず、しかし苦戦しすぎない。
相手の女の子もかなりの手練であり、それを相手にして剣闘士の試合ができるのは、良い剣闘士だ。

「(手を抜くのではなく、修練の結果として魅せる……。
うんうん、こういうのだよな、剣闘士って)」

売店で買ったレモンティー(砂糖多め)と焼き菓子を食べながら。
わくわくと試合を眺めていたのだが――

クレス・ローベルク > 眼下の試合場では、既に大勢が決しつつあった。
剣闘士が相手の攻撃を受けるスタイルから、積極的に攻めて相手に圧をかけるスタイルに変えたのだ。
女性の出場者は何とかカウンターを入れようと、必死に機を伺うも、一方的にいなされてしまう。

「あー、俺ならもう少し、相手に花を持たせるのも兼ねて様子見するかなあ。
でも、ダレが起きる前に決めてしまおうっていう判断って考えると悪くはないかな」

などと言っている間に、剣闘士が大上段から一気に剣を振り下ろし、彼女の剣を弾いた。
彼女もこれには堪らぬと後ろに下がるが、寧ろその隙に捩じ込むように蹴りが入った。
それでも、姿勢を持ち直すのは称賛に値するが、既に彼女は肩で息をしており、

「あー、こりゃ勝ったな」

後は時間の問題と言った所だろう。
このまま試合が推移すれば、まず剣闘士側の負けはない。
個人的には後一波乱あった方が好みだが、しかし相手選手にそれを期待するのも酷だろう。
……何か、アクシデントでも起これば話は別かもしれないが。

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。