2021/03/27 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にイルルゥさんが現れました。
■イルルゥ > どうしてこうなったのだろう。
観客も少ない…というか、ほぼ居ない闘技場で、一人冒険者は思う。
最初に受けた依頼はこの闘技場の救護の手伝いだったはずだ。
怪我をした大男やらを発情しないように手早く担架に乗せて淡淡と仕事をしていたはず。
金払いも良かったし、相手はけが人か心神喪失しているような女性だ。
特に話すことも無く仕事はできていたのだけれど。
その膂力を見て、闘技場の興行主とやらが声をかけて…というより、半ば立場を使って脅してきた。
是非、その力を使って…興行主が雇っている剣闘士たちに喝を入れてやって欲しいと。
どうにも最近はその興行主の催し物が中々流行らず、給金の関係から闘士たちの意気が落ち込んできているとのこと。
ここで一つ、克己心を煽ろうということらしい。
…そんなことをしても逆効果だと思う。
そういった理由から、最初は断ったのだが、報酬の多少の上乗せと…死なない程度にならぼこぼこにして構わないとのことで。
少しストレスも溜まっていたし、発散できるのならいいか、と。
どちらにしても、その剣闘士たちは…
小柄で掴まれ難く、更に魔力を流し込んで一撃必殺が可能な少女であれば問題ない程度の相手ばかり。
使っている獲物も模造剣などだし、危険は無いと判断して遠慮なくぶっ飛ばしていく。
もちろん、手加減はして…直撃しても多少悶絶したりする程度だ。
トラブルが無ければ、そのまま終わるだろう依頼である。
体を動かし、少しでも疼きを軽減するため。
八つ当たりのように、鬱憤を晴らしていく。
もし暇な者が見学でもするなら大男が少女のブーツ付きの…しかし、軽そうな蹴りで吹っ飛ばされる様を見れるだろう。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にソラムさんが現れました。
■ソラム > 闘技場の観客席に一人ぽつんと座っているのは群青色のロングコートを着た小柄な体格の少女。
白銀の髪の下に赤い瞳が覗き、その視線は闘技場で大男を吹っ飛ばす少女に向けられていた。
「....凄い脚力...」
少女はふとそんな事を呟いた。
暇を潰す為にこの闘技場へ訪れた少女だったが、闘技場で繰り広げられていたのは少女に吹っ飛ばされる男たちという構図。
「(ただの少女....ではなさそう)」
そう思いつつも少女はそのまま状況を見守ることにしたようだ。
■イルルゥ > 曲がりなりにも戦っている途中であるから。
誰かの視線には気づかず、話しかけられもしないなら、そのまま仕事を繰り返し続ける。
屈強な男たちも、段々と体力を削がれ、立ち上がる気力をなくしていく。
一人、また一人とギブアップを宣言していく。
対して少女は、深くかぶったローブの内で、軽く肩で息をする程度。
強烈に力を入れているわけでもないため、疲労もそれほどない。
得意な強化魔法であるから、気疲れも大きくはなく。
つまりは、まだまだ余裕だ。
しかしやがて、誰も向かってこなければ。
それで仕事は終わり。
こんな、何があるかわからない場所に長居する理由も無い。
「…もう終わり?なら、帰ります」
フード姿の少女は、そう呟いて。
興行主に報酬を貰おうと闘技場の通路へと進んで、姿が消えていき。
…鬱憤晴らしは十分だし、特に今回は罠も無かった。
さっさと上乗せ分の報酬を貰って帰ろうとしている。
■ソラム > 「.....面白そう」
通路へと消えた少女を見てフッと笑みを浮かべた少女は頭に生えていた角を収納してから観客席を立ち、闘技場の通路へと向かう。
やがて通路で少女を見つけると、
「.....勝負、お願いできる?」
少女へ声をかけるだろうか。
少し髪に隠れた瞳は少しだけ赤く光っているだろうか。
■イルルゥ > 「ええ、と」
さて興行主はどこだろうと探していると、かけられる声。
そちらを振り向けば、フードの中で困惑の声を出す。
「…別に私、戦いが好き…ってわけでもないんですけど。
どうして、勝負する必要が?」
あくまで戦っていたのはストレスの発散。
それが解消された以上、少女は誰も彼もと戦うような戦闘狂ではない。
興行主からは今のところ何も言われていないし。
最初に言われた依頼自体は終わったから、帰ろうと思っていたところ。
だから、困惑と共に聞き返そう
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にソラムさんが現れました。
■ソラム > 「....見てたよ。さっきのやつ」
言葉を切ると彼女の顔が見えないが、少女は微笑を浮かべつつ、
「...同じ位かなって、思った、から...?」
首を傾げてそう答えるだろうか。
理由としては不十分かもしれないが、彼女は少女への興味と関心で声をかけたが、少女は彼女の言葉をどう捉えるだろうか。
■イルルゥ > 「ああ、はい。ありがとうございます…?
…え、っと、その。すみません。…私、ちょっと意味がわからなくて…。
同じくらい、って力とか…そういうことでしょうか。…でも、例えそうだとしても…私には、戦う理由がないんですが…」
力の多寡かと思ったが、ただそれでも戦う理由にはならない。
少女としては…少しとはいえ、戦いで疲労した身体を癒したいと思っている。
困惑の色を強めつつ、言葉を返していく。
■ソラム > 「あー....。なんだろう、親交...?なんて言えば、いいのかな」
言葉を迷うように悩み始める。
理由を求められるとなんとも言えないだろうか。
彼女に戦う理由などはなく、己の興味で判断しているため、特にこれといった理由は見当たらなかった。
「なんとなく....かな?」
あははと苦笑気味に笑うと、都合が悪いかなと問いかけるだろうか。