2020/11/15 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にアリアドネーさんが現れました。
■アリアドネー > 熱気と狂気が渦巻く闘技場。
円形の舞台で披露されるのは筋肉、技、刃、血、そして、命……。
非日常のその光景に人々は熱狂する。
平民からすれば信じられないような金額が必要なVIP席で一人観戦する少女もその一人だった。
本来なら、父親と一緒に愉しむ予定だったが、偶然出会った王家の姫と何やら話があると言うことで一人ここに残されたのだ。
今頃はどこかでイイコトしているのだろうが、特に興味はない。
後で遊んでやれと引き合わされる事があるかも知れないが、まあ、その時はその時、一緒に楽しく遊べばいい。
今は――。
「やったわ!今日は調子がいいわ。
後でお父様に自慢しないといけないわ!」
決着が着いたばかりの闘技場をガラス越しに眺める少女は両手を叩いて喜びを隠さない。
ここまで賭けは五戦四勝、近年稀に見る勝率だ。
稼いだ金額は平民の一年の稼ぎほどだろうか、少女にとっては小遣いにもならない金額であるが。
もっとも、金額の多寡すら少女にとっては重要ではない、何せ今まで欲しいと言って買って貰えなかったモノなどないのだから。
「えっと、次の闘士は誰だったかしら?」
片腕を断たれた勝者と首があらぬ方向に曲がった敗者が搬出される姿には興味を示さず、広げたパンフレットに視線を落とす。
次の闘士はどのような者が現れるのか。
そういえば先程《お試し》として部屋に連れてくるよう伝えた闘士が来るかも知れない。
パトロンを求める闘士や父親の知り合いが訪ねてくることもあるだろう。
来客が来るまでは無邪気な笑顔を闘技場へと向け続ける。
■アリアドネー > この日は結局五勝五敗、勝率五割とは言え後半の連敗は気分を害するに十分。
ストレス発散に使われた闘士がどうなったかは……部屋の掃除に訪れた従業員がトイレに駆け込んだことを考えれば語るまでもないだろう。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からアリアドネーさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > ダイラスで、尤も手っ取り早く金を得る方法。
それは、何かを賭けることだ。
ただし、必ずしも金貨である必要はない。
『アケローン闘技場定例大会へようこそ!
第一試合、クレス・ローベルク VS ○○○の対戦は、もうすぐ行われます。
第一試合のBET受付は後十分で終了しますので、まだ賭金をお賭けになってない方はお早めにお願いします!』
魔導機械のスピーカーから、そんなアナウンスが観客席に流れる。
この観客の内、少なくない人間が、これから戦う二人の勝敗に、金を委ねるのだ。
そして、その二人は既に試合場で向かい合っている。
「やあ。今日はよろしくね」
試合場に立つのは、これより剣と、場合によっては操を賭ける事になる二人の選手だ。
試合場に立つ青い闘牛士服の男が、向かい合って立つもうひとりに声をかける。
対戦相手は、男にとってはある種のパートナー。
故に、敵意などなく、朗らかに挨拶を行う事もあるのだが――さて。相手はどう返すだろうか。
■クレス・ローベルク > ――試合が始まる
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。