2020/10/24 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > ダイラスで、尤も手っ取り早く金を得る方法。
それは、何かを賭けることだ。
ただし、必ずしも金貨である必要はない。

『アケローン闘技場定例大会へようこそ!
第一試合、クレス・ローベルク VS ○○○の対戦は、もうすぐ行われます。
第一試合のBET受付は後十分で終了しますので、まだ賭金をお賭けになってない方はお早めにお願いします!』

魔導機械のスピーカーから、そんなアナウンスが観客席に流れる。
この観客の内、少なくない人間が、これから戦う二人の勝敗に、金を委ねるのだ。
そして、その二人は既に試合場で向かい合っている。

「やあ。今日はよろしくね」

試合場に立つのは、これより剣と、場合によっては操を賭ける事になる二人の選手だ。
試合場に立つ青い闘牛士服の男が、向かい合って立つもうひとりに声をかける。
対戦相手は、男にとってはある種のパートナー。
故に、敵意などなく、朗らかに挨拶を行う事もあるのだが――さて。相手はどう返すだろうか。

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にアリエルさんが現れました。
アリエル > 「あれ、今日はクレスさんですか。よろしくお願いします」

顔なじみのクレスとの対戦は実は結構珍しい。
顔見知りだからだろうか。
それとも初めての相手だからだろうか。
闘技場側はあまり組んでくれないのだ。

「今日は勝ちますよ。勝ったらボクに、おごってくださいね。あと種も搾り取ります」

敗けたらセックス、ではない、勝っても負けてもやるのだ。
そんな意気込みで勝負に向かっていた。

実力的には、男のころは自分の方が上だった、と思いたいが多分五部。
今は若干劣勢だろう。体力差が大きい。

クレス・ローベルク > 現れたのは、顔見知りの女性だ。
見た目は幼いが少女ではない。列記とした成人――どころか、同年代だ(厳密にはあちらの方が一歳上だが)

「君に勝った時に、奢られた記憶は一回も無いんだけど。
っていうか、どっちにしろ有り得ない未来の話をしてもしょうがないだろ?」

と、ふふんと鼻で笑ってみせる。
この程度は、挑発の範囲だろう。
何せ、お互い顔見知り。それも、初めてを奪った間柄だ。
馴れ合わない空気を出していたほうが、客にあらぬ疑いがかからないだろう。

男は、剣を抜いて構える。
試合のタイミングは、剣闘士の場合は現場の判断で決められるのだ。

「さあ、始めようか。
いつもどおり、初撃は譲るよ」

アリエル > 「じゃあお言葉に甘えて」

そういいながら魔法剣を使う。
初撃から全力、一切油断はない。

「くらえー!! サンダーブレイク!!!」

ドーン! という音ととも剣に落雷する。
そのまま帯電させた剣をを上段から振り下ろす。
雷の魔法剣だ。
当たればひとたまりもなく、躱せば轟音とともにクレーターが発生するだろう。

クレス・ローベルク > 躊躇なく最初から全力を出してくれる相手。
意外と、そういう事をしてくれる剣士は少ない。
ならばと受けて立ちたい所だが、残念ながらそういうタイプの剣闘士ではない。
だが、受けて立たずとも、

「迎え撃つよ!」

相手が振り下ろすその機先を制して、その腹部に飛び足刀蹴り。
回避すると思わせてのカウンターは、客にも相手にも予想外だろう。
まして、男は普段、回避を主体としているのだ。

「さあ、今日は攻め気で行くよ……!」

アリエル > 「ぐっ!」

カウンターに来るのは若干予想外であった。
しかしそれならこちらはさらに踏み込む。
脚が伸び切る前に腹で受け、威力を殺す。

「こういうの、見せたことあったっけ?」

そのまま剣を手放すと、蹴りをしてきた足首をつかみ、くるりと横に一回転しながら寝転がる。
足首を固め、そのまま寝転がりながら、太ももを支点にして足首を極める。

普段は打撃技は使うが、こういった寝技投げ技はあまり使わない。
予想外の動きにどう対応するか

クレス・ローベルク > 「("当たり"が、弱いな……!)」

インパクトの瞬間を上手く外された。
恐らく、然程のダメージはない。
素早く引こうとしたが、その前に脚を捕まれ、

「うっ……!」

脚を引き倒され、そのまま寝技に持ち込まれる。
めりぃ、と足音から異音が聞こえた気がするほど、遠慮ない力のかけかただ。
何とか、身体の角度を変えて外そうとするが、流石というか、びくともしない。

「なら、喰らえ、『真似しても責任は取れない蹴り』!」

空いた方の脚で、思い切り彼女の後頭部に踵落としを決めようとする。
とんでもなく危険な所業だが、彼女なら大丈夫だろうという信頼故である。

アリエル > 「容赦なさすぎっ!!」

さすがに食らうと命まで危なそうな一撃だ。
そのまま技を外して、さらに前に出て肩で蹴りを受け止める。
瞬間、鎧を外してインナーだけになり、さらに身軽になって接近する。
今日は近接戦闘の気分なのだ。
派手さがないから普段あまりやらないが。

そのまま受け止めた足を持ち上げて押し倒し、上から掌底撃を何発も放つ。
拳でないのは拳を痛めかねないからなだけであり、一撃は結構容赦ない。

クレス・ローベルク > 「いや、言っとくけど魔法がかかった武器で斬りつける方がよっぽどだからね……!?」

無論、状況によって攻撃の危険度は違うので、比べられるものでもないのだが。
しかし、とにかくあちらは超近接戦をお望みのようだ。
降って来ると言って差し支えない打撃の雨を、クロスした腕で受け止める。

「(っていうか、マジで痛ぇ!)」

掌底と言っても、要は骨の硬い部分で殴ってるのは変わらないので、拳と遜色ないダメージがある。
腕に当たっているから良いが、これが顎や首に当たったら不味いだろうなと思う。
だが、

「流石にマウントのとりすぎだよ!」

そう言って、掌底を自分の手のひらで受け止める。
されるがまま喰らっていたのは、掌底を撃つ際のモーションを観察するためである。
マウントを取っての殴打は、その軌道が読みやすい――故に。

「こっちも、対応が出来るってもんだ……!」

そう言うと、左手で媚薬注入器を引き抜いて、彼女の腕に押し当てようとする。
まずは、一回目……といった所。

アリエル > 「ちょー!? このたいみんぐでそれ!?」

関節技を警戒していたアリエルは、普通にその媚薬注射を受けてしまう。
そのうえで次の手を考える。
しかしこのまま殴り続ければ勝てるかもしれないが、なんというか、華がない。
なので別の業を使う。
ここから抱き着いて、注射器を持っている左手を両手でつかもうとする。
左手で手首をもって、右手で左手の肘を持て場左腕の肘関節が極まる。

逃げようと手を引けば、右腕を同じように狙い、さらにそれも警戒すれば顔ががら空きなので掌底を繰り返すだろう。

クレス・ローベルク > 「客の期待に応えるのが、剣闘士の努めだからね!」

と言いつつ、男は彼女がこちらの手を掴むために、前かがみになるのを見た。
前かがみになるということは、重心が前に倒れ、荷重が男の腰から、全身に分散するという事だ。

「チャンス……!」

そう言って、男は身体を左右に強引に振る。
元々、少女の身であるが故に体重は軽い。
体全体で揺らして、体勢を崩してやれば、

「うおおおおおお!」

全力で転がり、彼女と体勢を入れ替えようとする。
格好悪いが、関節技相手では、このぐらいしかやりようがないのが現実である。

アリエル > 「うわああああ!!!」

さすがに積極的に行き過ぎたようだ。
そのままひっくり返されてしまう。
今度はクレスが馬乗りになる番だ。
しかし、手首は握った。左手首を左手でつかんでおり、下からでも関節技はできた。
腕がらみ。
肘の外から右手を絡ませ、左腕の肘を極める地味な関節技だが、両手でしっかりと極め、肘にダメージを与えていく。
最もクレスの右手は完全にフリーである。
極めた技を直接どうにかするのは難しくとも、いろいろ手はあるだろう。

クレス・ローベルク > 手首を握られ、しかし男は笑った。
それは、勝利に一歩近づいたという、幸運を喜ぶ笑いだ。
何故ならば、

「君は一つミスをした。
君は両手で俺の肘を破壊しようとしている様だが、逆に言えばその間、俺に対しては無防備って事だ――そして」

彼女が肘を破壊するまでに、どれだけ時間がかかるかは解らない。
だが、その間に、男はもう一本を引き抜き、

「俺は、片腕が破壊された程度で揺らぐほど、軟な鍛え方はしていないっ……!」

そう言って、男は更に一本目を彼女に突き刺す。
ワンパターンではあるが――しかし戦略をブレさせないというのも、立派な作戦の内である。

アリエル > 「げっ!!」

めきめき、ぼきっ、と肘をやったが、その程度でこいつが止まるわけがないのが誤算であった。
ただの腕比べなら極まった時点で終わりだが、これは実戦なのだ。
しばらく使っていない技を使ったため、実戦感覚が鈍っていたのだろう。

二本目も普通に受けてしまう。
もう一本受ければかなりやばいし、下手するとアリエルに対してなら4本目を打ってくる可能性すらある。

しかし、手があまりない。
必死に腰を揺らしひっくり返そうとするが、びくともしないだろう。