2020/09/19 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にアリエルさんが現れました。
■アリエル > 今日も試合である。
最近はあまり相手もおらずに持て余し気味であった。
誰か強い人が来てくれないだろうか。
そんなことを思いながら舞台に上がる。
『今日のカードは! 白銀の淫乱姫! アリエル・ウォールウェンだ!! さて、彼女を押し倒す相手はいったい誰になるか!!』
観客もそれなり。悪くはない雰囲気だが、さて、相手は誰になるか。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にエイガー・クロードさんが現れました。
■エイガー・クロード > こんなところに普段は来ることはなく、ましてや戦うことなんかしない。
しかしここへと足を運ぶハメになったのは、偏に自身の(一応の)仲間が、賭けに負けに負けて仕方なくその負け分を取り戻しに行く為である。
普段とは違う、この闘技場で借りた槍と装備を持ち、中へと足を踏み入れた。
『そしてもう片方は新しい挑戦者!実力は不明な現役騎士エイガー・クロード!果たして彼はあの白銀の淫乱姫を倒すことができるのだろうか!!』
少々、いやかなり観客は様子がおかしい。
というのも見たことがない飛び入り挑戦者のような無名の者。
だが、だからこそダークホースとして叫ぶ観客もいた
「……よろしくお願いいたします、アリエル将軍」
例えここでは本来そういった堅苦しいものはないが……礼儀を忘れるわけにはいかない。
■アリエル > 「お手柔らかに頼むよ。エイガー卿」
そういって騎士の儀礼にのっとり、剣を前に構えて礼をするアリエル。
どうして彼がここに来たかは知らないが、どうせならかっこつけるだけかっこつける。
エイガー・クロード。すぐに誰か、頭に浮かばなかった。
しかしエイガー家というのはすぐに思い当たった。確か多くの騎士を輩出する名門だったか。
おそらく直接の知り合いではなく、実力まではわからない。
ただ、舞台に上がる体の運びに隙はなく、剣の構えも堂に入っている。
おそらく強いだろう。
「ではさっそくこちらから行かせてもらうよ」
ひとまず相手の実力を確かめることにしたアリエル。
走って間合いを詰めつつ、右上から左下への袈裟懸けで切りかかる。
セオリー通りの何の変哲もない一撃。隙は少ないが、捌くのは容易だろう。
■エイガー・クロード > 礼を返してくれたことに、少し安心したように笑う。
形式上でもそういったことを返してくれるなら、こちらも敬意を払おう。
アリエル将軍、剣闘士上がりながらも騎士団を任されるようになった男……今は女か。
相手にとって不足はなし、それに……偶には、こういう真剣勝負も嫌いじゃない。
ましてや、長い間現役として戦っているその勇名は未だに堕ちることはない。
ならば……決して、見た目が少女だからといって侮ってはいけない相手なのだ。
「まずは小手調べ、ですか」
間合いを詰められても落ち着いて、一歩足を引く。
その一歩分の引いた距離で袈裟懸けの一撃を剣先で弾き、そのまま流れるような動作で将軍へと足払いをかける。
■アリエル > 「おっと、なかなかやるね」
一撃を躱されても態勢を崩すことはないが、
その隙をついて流れるような足払いには感嘆する。
ただのキレイなだけのお座敷剣術ではない実践的な攻撃だし、
それを当然のようにやってくるあたりかなりやりてだ。
剣の勢いのまま足払いを躱すべく跳び上がる。
跳びあがり躱しながら前転宙返り。
回る勢いも加えて右足の踵落としをエイガーの脳天を狙って振り下ろす。
■エイガー・クロード > 「お褒めにあずかり光栄、ですねっ!」
さすがに、ここは経験の違いが出る。自分も対人は勿論、対獣や対魔の訓練も実戦もしてきた。
だが相手は自分よりも幼い頃からそういった相手をノウハウなしにして来た存在。
この程度の攻撃への反応は簡単なのだろう。
それでもこちらにも培った経験は薄くはない。
前転をしながらも踵落としに咄嗟に左腕で受け、痛みと衝撃が走る。
だがその間に右腕で将軍の股を滑るようにくぐり、背中へと回し蹴りを入れようとする。
■アリエル > 「げっ!?」
右脚を左手で受けられるだけならまだ対応可能だっただろう。
そのまま受け止めた左腕を起点に逃げようとしたのだが……
そのま背中を狙って回し蹴りを放ってくるのは少々予想外だった。
右腕で右脚の股のあたりを抱え込まれてそのまま回し蹴りなんてされたら躱す余裕がない。
「ぐっ!!」
思いっきり蹴りを食らい、そのまま吹き飛ばされてしまう。
「いたたたた、ちょっと大技すぎたかなぁ」
よろよろと立ち上がる。
この踵落としは、派手だし結構用いる技であった。
ただ隙が多すぎる欠点があり、そこを完全に突かれた形だ。
ただ、派手ゆえに騙される相手も多く、それをこうも的確につぶされるのは久しぶりであった。
相手の実力はかなり上に見ないといけないだろう。
「ではもう一手! いくよっ」
そのまま駆け寄り間合いに入れば右手の剣で3連撃
右からの袈裟懸け、左からの横薙ぎ、そして突きを流れるように放つ。
■エイガー・クロード > まだ試合が始まって大した時間は経ってないが初めて現れた挑戦者があのアリエル将軍に一撃を入れたことで観客が湧き始める。
その声を受けてもエイガーは油断することはせず、吹き飛んだアリエル将軍を見つめる。
パフォーマンスをしている余裕がある相手ではない、そう知っているが故に。
「侮った訳ではないですが中々痛かったですよ。それでもチャンスは逃さないタチなので」
少し苦笑をして話す。将軍を相手に話すことなど、王都などではできない。
こんな場所じゃなかったら、一生話すこともなかった相手だろう。
「えぇ、参ります!」
こちらは動かず、相手が間合いに入って攻撃するのを待つ。
袈裟懸け、横薙ぎ、と上手く弾いたが、流れるように放たれた突きに対しては頬をかすった。
「っく!勝負メイクをしてきたのは、間違いだったかしらね!」
ガッ、とその突きで伸ばされた腕を掴み、剣の柄でアリエル将軍の下腹部に殴りつける。
だがその痛みに耐えることができれば、彼は間近、付け入る隙は大きいだろう。
■アリエル > 「ぐえっ!!」
思いっきり下腹部を殴られれば可愛らしくない悲鳴を上げる。
やることなすことえげつなすぎる。
こちらの三連撃だって、簡単に見切ることができない業だったはずだ。
特に最後の突きはそう簡単に見切れないのに、ギリギリでかわしてあまつさえその流れで反撃をしてくるとは。
踏ん張ってこらえるが……
そのままアリエルは崩れた。
殺し合いならばまだ頑張っただろうが闘技場の試合であるのもあり、体力的に結構きついのもあった。
あとこのままやるとぼこぼこに殴られて傷もらっちゃいそうだし、という懸念もある。
「もう無理……」
仰向けに倒れるアリエル。
敗因は油断しすぎであった。
同格と考えて隙のない戦闘をすればいい戦いができただろうが、大技を使い過ぎた。
さて、当然彼女を倒したのだから、次にすることはわかっているだろう。
王都の上品な闘技場とは異なる。
そこまでして、闘技なのだから
■エイガー・クロード > 「……あえ?」
素っ頓狂な声を挙げたのは、意外にも彼の方であった。
確かに、彼女は見た目は小さいがその膂力は成人男性を優に上回る。
それにその素早さも対応してきたが、どれもギリギリで相手が大技が多かったのもあった。
先程の三連撃も、そこからさらに鋭いものへと変わったら直撃を受けていただろう。
しかし、剣の柄で殴ったことと、回し蹴り。直撃したのは結局この二撃のみ。
まさかこれだけで参ったの言葉を受けるとは思わなかった。
「……ありがとうございました」
いちおうの礼をして、少し頭を下げる。
観客たちからは大番狂わせとして大歓声が上がった。
そして観客たちと、実況席から上がる声……
『さぁ今回の挑戦者!まさかまさかの白銀の淫乱姫を撃破ァ!これはすごい新人だぁ!
さぁ観客の皆さんお待ちかね!戦い方はなかなかにお上品だったが果たして床でもお上品になれるのかぁ!!』
そう観客を煽るように言う実況
観客からは下品なコールが上がる。
そしてそのコールを無視することは、許されない、それもこの闘技場のルールの一つだ。
「……少し、納得は行かないけれど……これもルールだから…」
言い訳がましい言葉を吐きながらも、仰向けに倒れるアリエル将軍へと、彼は歩みを進めていく。
■アリエル > 「エイガー卿、いえ、クロード。優しくしてくださいね♡」
そういいながら誘うアリエル。
納得いかなさそうなエイガーの表情だが、負けたのは本当だ。
アリエルが女性になった時に筋力は落ちず、
体格だけ小さくなったので身軽になったという利点があるが、
一方で耐久力はすさまじく落ちていた。
体力勝負の殴り合いになるとかなりつらいのだ。
三連撃の勢いが落ちていたのも回し蹴りが直撃していたのも影響していた。
つまりあの踵落としから間違っていたわけで、つまるところ油断により負けたのだ。
完敗でしかないのだが、エイガーは納得していないのだろうなぁ、と思った。
まあそれはいい。
アリエルは強い男が大好きであり、
強い男に蹂躙されて孕まされるのが大好きなのだ。
足を開いて腰を浮かし、ねだるようにクロードを待っていた。