2020/06/09 のログ
クレス・ローベルク > ――試合が始まる
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場 興行試合」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場 チャリティ大会」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 『さあ、始まりました。アケローン闘技場チャリティ大会!
大会の内容はそのままに、この試合による収入の何割かが、恵まれない子供たちの為に各種施設に――』

流れたアナウンスの内容に、男は何というか、得も言われぬ笑いを浮かべる。
まさに『子供』と言っていい年齢の子供を奴隷にしたり陵辱したり。そんな事をやってる闘技場が、今更何を白々しく善人面などできようか。
イメージ戦略としても、あまりにも方向性を間違えてる気がする。
が……しかし、

「(いや、案外間違ってもいないのかもな。
少なくとも、しないよりはマシって考え方もなくはない)」

善悪はともかく、子供を救ったという実績さえあれば、倫理的な批判をある程度回避できる――やらない善よりやる偽善というのは、確かに世の中の真理だ。
あまりやる気になるような考え方ではないが、無駄であるよりは良い。
そう結論付けると、乾いた満足感が浮かんで、ようやくそこで男は何時もの笑みを浮かべる事ができた。

「(ま、お相手がどう思ってるかは別だが、やる気はそこそこ。
後は職業意識で頑張るか)」

そう思うと同時、アナウンサーの口上が終わり、対戦相手が入場してくる。
さて、今日の対戦相手は――?