2020/05/11 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
黒須 > (一撃が決まったところで腕を重ねて脱力。
力を入れていた体を落ち着かせるように自身の力を抜く。)

「ほぅ?俺の魔術を理解したか…。
その通り。俺の魔術はあらゆる攻撃を吸収して、それを自在に拳、足に乗せて放つことができる魔術だ。
お前の攻撃を全て吸収し、防具を纏うように自分の体に回す。
つまり…攻めれば攻める程…不利になるってわけだ…。」

(自分が幼少期の頃から父に叩きこまれた護身術。
相手の力を利用して跳ね返す体術に魔術が加わり、より一層強力な物が出来たのだった。)

「…望みなら、そうしてやるよ…。」

(速く終わるならそれでいいと思い、クレスに近寄る。
力のない相手に対して、手加減はない。
クレスの胸に手を当てると、そのまま形を作る。)

「…一つ教えてやる。
俺は貧民地区最強じゃない…”元”最強だ…。」

(そう伝えると、そのまま、クレスの胸に強い衝撃はが伝わる。
その技は、自分の体の中にある「気」と呼ばれるものを手のひらから放出する技。
発頸であった。
自分の体に残っていたダメージの残りを全て乗せて、放った発頸は、本気で打てば更なる追い打ちになるが、今の分では気絶させるのが精いっぱいと言ったところだった。)

クレス・ローベルク > 「チェッ、防御にも利用できるのか。アテが外れた」

攻防一体、どころか物理戦に限ればほぼ無敵。
この分では、先程拳を殴りつけたのも、効いてはいないだろう。
魔術を使えない男にとっては絶望的な話だが、しかし男の心は折れない。
絶望的というのなら、この闘技場で男は何度でも体験していたし、
何より、勝利への道は薄くであるがまだ見えている。

黒尽くめの男が、こちらにトドメを刺そうと近づいてくる。
男は、最早拳を振るう事もない。
胸に手を当てられたのも、殆ど無抵抗に受け容れ、そして。

「……そうかい。それなら、俺も一つ教えてやるよ」

そして、強い衝撃が来た。但し、黒須が思うよりも遥かに弱い、反射魔術抜きの衝撃が、だ。
男は大きく地面を滑り、後ろへと引きずられたが、それだけだ。
再び体勢を立て直し、最後の力を振り絞り黒須に掴みかかる。

「試合は最後まで解らないってことをさ!」

邪魔眼。
男が使用する、魔術破りの切り札だ。
相手の魔力の流れを理解するために、相手の魔力を見続ける必要があるが、この試合に限ってはそのデメリットは無いに等しかった。
何せ相手は常に、反射の魔術を使っていたのだから。
そして、

「君の魔術は、攻撃を吸収するんだよな……だったら!」

男は、黒須の腕を取り、観客席に向かって思い切り投げ飛ばさんとする。
邪魔眼が魔術を妨害できる時間は極わずか。故に、これが、事実上最後の勝ち筋だ。

"ダメージを再利用する"のが黒須の魔術の原理ならば、地面に叩きつけるまでダメージの発生しない投げ技を、着地する前の段階で反射することは出来ないという読み。
そして、観客席に着地するということは、『試合場の外に出た』という事。つまり、

「悪いな観客、今日の試合の決まり手はKOじゃなくて、場外だ……!」

スモウの試合かなにかかと自分でも思うが、今の体力で行える最善の方法だ。後は、男を投げ飛ばせるか投げ飛ばせないか、それだけが勝負の分かれ目だ。

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」に黒須さんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」に黒須さんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」から黒須さんが去りました。