2020/05/03 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 夜の闘技場は今日も満員御礼。
今日も血か、色か、その両方を求めた観客達の中央には、円形の試合場がある。
その中で一人立つのは、青い闘牛士服のクレス・ローベルク。
『試合には勝っているが勝負に勝っているとは言い難い』と辛らつな吟遊詩人に歌われがちな男だが、

「さて、今日はどんなのが来るかね」

公平性を保つため、対戦相手は伏せられている。
強制ハンデや不公平なルールを時に運用する闘技場といえど、普段から正々堂々とした試合は成されてはいるのだ――少なくとも、そういう事をされた相手が、『運が悪い』と思う程度には。

故に、男もその手の『テコ入れ』に期待してはいない。
正々堂々とまでは行かずとも、フェアな勝負を覚悟している。

『さあ、対戦相手が決定しました!
今日の対戦相手は――』

アナウンスと共に、扉が開く。

クレス・ローベルク > 「(さて、どんな相手が来るかな……)」

現れる対戦相手は、多岐に渡る。
尤も、多くの場合は、多額の賞金を目当てにした冒険者や傭兵だ――彼らにとって、闘技場の興行試合は殆ど命の危険無くまとまった金を手に入れる絶好の手段だ。
次に、奴隷。大体の場合、闘技場が所有しているものだが、様々な理由で主人から送り込まれた奴隷も多い。
そして、尤も対戦する機会が少ないが危険度が高いのは――

「(大体の場合面白半分で参加してくる、達人級とか魔族とか魔王とか……)」

正直、こういうのが一番困る。
何が困ると言えば、実力差がはっきりしている上に、"一番美味しい相手"だからだ。
魔王や魔族との戦いなど、一般人は絶対見れない――つまり、希少価値がある。
そして、自分にとってそういう相手こそが、尤も自分の価値を証明できる相手でもある。

「(いや、楽って訳ではないけどね!できれば勘弁して欲しい、んだけど……!)」

その辺の心境は複雑である。
尤も、そうそう参加してくるものでもないので、これは杞憂に近い。
だから、頼むから参加してくれるなよと思いつつ、相手を待つのだ。

クレス・ローベルク > ――試合が始まる
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。