2020/04/29 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 一度味をしめると、中々そこから抜け出せない。
それは、人間の心理にして真理である。
当然、人間の集団である組織も、それは変わらない。
つまり具体的には、
『さあ、前回大好評だったアケローン闘技場コスプレデー。
その第二回がこれより行われます!』
闘技場の中央で立つ男は、感情の死んだ目で空を仰いだ。
今回着ているのは、何時もの闘牛士服ではなく、和風の黒い着流し。
武器も刀で、割と気合の入ったコスプレ……かと思いきや、何時もつけている媚薬注入器の入ったホルスターやエロ道具が仕舞われているツールベルトはそのままだ。
着流しの上に革のベルトという独特のファッションは、異様な存在感を――或いはダサさを醸し出している。
『現在試合場に立つのは剣闘士、クレス・ローベルク選手。
物理戦闘・性的攻撃共にバランス良く戦える、テクニックタイプの闘士です!……衣装のバランスはお世辞にも、ですが』
いやもうアナウンサーの弄りも適当なんだよな、明らかにマジでダサいと思ってるんだよな、とボヤく男。
しかし、相手が男ならともかく、女であるなら媚薬やエロ道具は絶対に必要だ。
それにまあ、対戦相手の衣装を映えさせる為には、どうしてもこちらはダサかったり地味な服を着る必要があるというのもある。
『さあ、それでは色んな意味――主に衣装に期待の集まるもうひとりの戦士をご紹介しましょう!
さあ――どうぞ!』
■クレス・ローベルク > さて。一見すると、出場者側に得のないこのコスプレイベントであるが。
実は、出場者側にも得がある。
というのも、このコスプレデー、コスプレの内容次第によっては、出場するだけでお金が貰えるのである。
コスプレの衣装が用意できないならば、闘技場側が無料で融通を効かせてくれるおまけつきだ。
「(勿論、それなりに羞恥心を煽るヤツだろうけど)」
場合によっては、口八丁でだまくらかしてコスプレさせるという可能性もある。
しかし、金は出すのは間違いないだろうとクレスは思う。
闘技場にとっては、参加者は貴重なはずだ。
ならば、リピーターを作る為の努力は欠かすまい。
「(まあ、何であれ、楽しみだ)」
さて、演出用のスモークとともに、扉から現れるのは……?
■クレス・ローベルク > ――試合が始まる。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」に現世迷いさんが現れました。
■現世迷い > 闘技場へ放り込まれた一人の少女。
黒い髪と瞳に、悪魔の様な角と尻尾が生えている。
周りを見渡せば大勢の観衆。
容赦なく浴びせられる野次に、怯えた様な表情。
「あわわわ………
……なんでこんな目に……」
なんでこんな目に。
ダイラスへと辿り着いた彼女、
宿に泊まったは良いが財布を盗まれ一文無し。
宿代を返せず、紆余曲折あって闘技場の闘士として売られたのであった。
とにかく試合に勝って金を稼がねば、と対戦相手を待つ少女。
ただ、彼女に期待されているのは、
試合に勝つことでは無く観衆を愉しませる事なのだが……。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にダグラスさんが現れました。
■ダグラス > 歓声が響き渡る闘技場。
そこへ続く重い扉が開かれれば両手を掲げ、自らの肉体を見せつけるようにしながら登場し。
興行主から今回の闘技は以前のような激しい戦いではなく。
用意された奴隷闘士が破壊される様を観客に見せてほしいとの依頼であり。
「うぉぉォォォォォ!」
観戦を打ち消すような雄たけびを上げれば更に観客席の熱気は上がっていき。
闘技場の中央でおびえる様子の相手を見据えれば口角を上げてゆっくりと近づいていき。
手の中で肉厚の斧を振り回しながら。
まるでこれからの行為を予想させるかのようで。
■現世迷い > 「ひっ……!」
向かいの門から現れたのは、いかにも屈強そうな男。
巨大な斧を棒きれの様に軽々と振り回すその姿に、
早くも怖じ気つく少女だが……。
「な、なんだぁこらぁ……
て、てめぇなんか、怖くねぇんだからなぁ……!」
怯えた表情で弱々しく啖呵を切り、
闘技場に入る前に渡された直剣を握りしめて構える。
「く、くそぅ……やればいいんだろ、やれば……」
まだ覚悟を決めかねる少女だが、
得意とする闇の魔法を唱え始めると、
自身の影が身体に纏わりつき、闇の力を少女に与える。
それほど特別な力は感じないが、その魔法は遥か古代に失われて久しい術式であった。
背後で景気良く鳴らされる試合開始の銅鑼。
その轟音にびくっと身体を震わせる少女。
観衆の狂った様な声援が闘技場に響き渡る。
なお、この試合はある特定の層の客に向けて行われる興行である。
試合規定は「無し」
勝者と観客の気が済むまで終わらない残虐ショーなのである。
観客が満足するまで、四肢を斬りおとそうが、首をはねられようが……
時には、死体の冒涜までも行われる事すらある。
■現世迷い > 【場所を移動します】
■ダグラス > 【場所移動】
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からダグラスさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」から現世迷いさんが去りました。