2019/11/06 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場 興行試合」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 夜の闘技場は今日も満員御礼。
今日も血か、色か、その両方を求めた観客達の中央には、円形の試合場がある。
その中で一人立つのは、青い闘牛士服のクレス・ローベルク。
『試合には勝っているが勝負に勝っているとは言い難い』と辛らつな雑誌記者に書かれがちな男だが、
「さて、今日はどんなのが来るかね」
公平性を保つため、対戦相手は伏せられている。
強制ハンデや不公平なルールを時に運用する闘技場といえど、普段から正々堂々とした試合は成されてはいるのだ――少なくとも、そういう事をされた相手が、『運が悪い』と思う程度には。
故に、男もその手の『テコ入れ』に期待してはいない。
正々堂々とまでは行かずとも、フェアな勝負を覚悟している。
『さあ、対戦相手が決定しました!
今日の対戦相手は――』
アナウンスと共に、扉が開く。
■クレス・ローベルク > 男は、考える。
最近は、強敵が多目だった。
ならば、そろそろ、互角になりうる相手や、或いは圧勝できる相手が来るのではないか、と。
「(そろそろ必要だと思うんだよね!そういうタイプの試合も!)」
最近、『一生分の危険を冒した』と思う事が多い気がする。
その考えで行くと、自分は既に五回ぐらい人生を経験していることになる。
そんな特殊なタイプの長命種みたいな生き方、したくはない。
「(さあ、頼むぜ!空気読んでくれよ!?)」
尤も。
大体そういう事を祈っている時に限って、とんでもない相手になるのだが。
■クレス・ローベルク > ――試合が始まる
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場 興行試合」からクレス・ローベルクさんが去りました。