2019/10/14 のログ
タマモ > ぴくん、少女の耳が揺れる。
相手側の入り口、そこからの音を聞き取ってのものだ。
そして、相手が姿を現わす。
その相手は、見覚えのあるものだった。

「おや、誰が相手かと思えば…お主も、元気そうで何よりじゃ。
………ちゃ、ちゃんと覚えておる、決まっておろう?
そう、すぐに思い出せるのじゃ…えーっと…多分…?」

相手、覚えのある男、掛けられた言葉に、思いっ切り視線が彷徨う。
尻尾もこう、あらぬ方向へと揺れ動き、見ただけで明らかに…な感じだ。
と言うか、思い出す、とか言ってる時点で、あれなのだが。

と、続く言葉に、落ち着かせるように、すー、はー、と一つ深呼吸。

「むむむ…よもや、お主が現れるとは…
まぁ、妾が決めた事、それで相手をしてやろう。
お主の言う通り、勝敗はそれで良いし、反撃はせん。
………もっとも、お主が相手じゃ、ちとしっかり守るに専念せんとならんかのぅ」

唸りつつも、問われた事には、答えておく。
はふん、と溜息を一つ吐けば、ごそごそと袖を漁り…するりと二本の扇子を取り出した。
人外だ、素手で相手とか、さすがにそこまで甘くは見れない。

エイブラ > (元気そうで何より、そう聞けばにっこりと微笑みを
浮かべそうになるものの、いつもの覚えていない様子を見せる
相手に微笑みは苦笑いへと形を変えていく)

「やはり、長らくあっていないと名前を忘れるのか、それとも
覚えるのが苦手なだけなのか、悩むところですね。エイブラで
すよ、タマモ様。名前は忘れていても、この闘技場で私に何を
されたか、までは覚えていらっしゃいますでしょう?」

(名前に関してはもう諦めて、それでもここで何をシたかされ
たかは覚えているでしょうと、心理戦の一種を仕掛けて。そし
て深呼吸をしながら、よもや、と言われればにこりと笑みを浮
かべる)

「それでは3分で一撃当てれば良し、反撃は抜きですね?
ふふ、タマモ様にそう言って頂けると嬉しいですね…では、準備
は宜しいですか?宜しければ開始の合図を」

(扇子を二つ取り出す少女、準備が整ったかを尋ね、良ければ
開始の合図を頼み…時間制限がある以上、初手から激しくいか
なければならないだろうと。墨を相手の方に霧状にして吹き付
け、更に足元に大量の海水を沸き上げていき、相手へと6つの
腕を文字通り伸ばし、一撃を入れようとする)

エイブラ > ランダム指名(自分以外) > タマモ [1d6→6=6]
タマモ > 男の言葉は、見事に的中していた。
ただ、正しくは少々違う。
男の、己の知る名前は覚えている。
覚えれないのは、こちらで名乗っている名前の方なのだ。
多分、その辺りなのだろう、覚え易さの有無は。

「うむ、まぁ、気にしたら負けじゃ。
覚えておる事、思い出さねばならぬ事、どちらでも、な?」

うぐっ、とまた唸りながらも、ひらひら手を振ってそう答える。
誤魔化すのは、諦めたっぽい?
男の仕掛けた心理戦、効くか効かぬかは、さてはて。

「それじゃ、開始とゆこうかのぅ。
お主が考えておる通り、制限は3分間。
時間を気にするならば、これを見ながらやれば良かろう」

ひょい、と手にしていた砂時計を、軽く放る。
かつん、かつん、と砂時計は床を数度跳ね、からん…と、舞台の端に、立たせた形せ静止する。
もちろん、砂が溜まっているのは上の方、その瞬間から、さらさらと砂が零れ始めた。

それと同時に、手にしていた扇子を両手に持ち直し、ぱしん、と広げる。
とん、と床を蹴れば、ぱしゃり、足元に沸いた海水の上に着地する。
そう、着地をした、少女は海水の上に普通に地面に立っているのだ。

そのまま、少女は身構える。
襲い掛かる6本の腕、それらを、ある腕は扇子で受け流し、ある腕は身をずらし避けて行く。

エイブラ > 「そうですね、タマモ様の場合、気にしたら負けな
気がします。制限時間、3分の間に一撃入れて見せますからね?」

(ほうられた砂時計、落ち始める砂を見て開始の合図と同時に
仕掛ける。目隠しの墨と6方向から襲う触腕、足元を掬う為の
海水を軽くいなされれば流石は、というように笑みを浮かべて)

「流石にこれくらいでは当たらないですか、それではこれは
どうでしょうか?今のは人間の腕でしたが、次はこちらの腕
で行きますよ?」

(海水の上に立つ相手、今度は腕を触腕へと変えていき6方向
から再び襲う。2本の触腕は扇子にわざと自分から辺り吸盤で
吸い付き扇子を奪おうとし、4本は四肢を拘束しようとして。
そして7本目として脚の片方を触腕に変えてそれで相手を打ち
据えようとする)

エイブラ > ランダム指名(自分以外) > タマモ [1d6→6=6]
エイブラ > ランダム指名(自分以外) > タマモ [1d6→5=5]
タマモ > 「そうそう、分かれば良いのじゃ。
さて、妾もそう気は抜かぬ、やってみるが良かろう」

墨は目隠しだろう、それは、すぐに予想出来る。
目視による判断はこれで消える、と言えそうだが、そうは言い切れないだろう。
視線は周囲に向けたまま、少女は耳を澄ませる。

「まぁ、そう簡単に当たるも、つまらんじゃろう?
………とは言え、当たる時は当たるもの、じゃがな?

っと、これは、なかなかに…!」

墨は確かに、周囲の視界は奪っている。
しかし、見方を変えれば、その漂う墨、それが当たる寸前の攻撃の行方を教えてくれるものとなるのだ。
そして男の言葉、『次はこちらの腕』、それが聞き取れれば、次に来るのは吸盤付きの触手だと、すぐに予想が立つ。

まず二発、胴体を狙うと見せ掛けて扇子を狙うもの。
普段、扇子の扇面で受け流すのだが、そんな事をすれば吸盤に吸われるだろう。
ゆえに、ぱしん、と少女は扇子を閉じ、面の部分を消す。
吸おうとする吸盤も、線となれば、即吸い付く事は出来ない。
ぱんっ、と受け流すよりも、受け弾きながら身を避けさせる、との動きでいなす。

次に来る四発、漂う墨、四肢の方角の墨が揺れれば、束縛との予想が立てられる。
ぱしゃんっ、と海面を蹴って背後に飛び退いた。

そして、打ち据えようとする七本目の動きも、揺れる墨が方角を教えてくれる。
少し大きめな揺らぎが漂う墨に起これば、更に海水を蹴り、真横へと飛び退くのだ。

「お、おぉ…危ない…」

攻撃自体は見えないが、その勢いは、漂う墨の揺らぎで、何となく分かる。
しっかりと扇子を握り直し、次の攻撃に強い警戒を向けて。

エイブラ > 「なかなか当たらないものですね。
流石はタマモ様、と言ったところでしょうか。視界を閉ざした
心算がどうやら逆効果、だったですかね?」

(墨の揺らぎ、それがどうやら相手が攻撃を確認する術になっ
ているらしいと気づけばこれは悪手だったろうかと。
かといって吐いた墨を戻すのはなかなかに難しく、次はどうい
手を撃とうかと考える)

「扇子を閉じて打ったり、身軽に回避したり…動きを止められれ
ばそれが一番なのですが、難しいですね。さて、ではこういう
のはどうでしょうか」

(扇子を奪おうとすれば即座に対処され、拘束しようとすれば
素早く避けられる。自分の動きが鈍いつもりはないもののどち
らかと言えばパワー型の自分に、当てるだけというのは逆に不
利に働いている。
それならば、ちょっとばかり意表を突いた攻撃をしてみるしか
なかろうかと、小さく笑みを浮かべる)

「時間的にも次が最後のチャンスですかね…では、行きますよ!」

(行きますよ、と言いながら行かず、一拍置いて。ゆらぎを見
て反応するなら、とまずは触腕で攻撃をしつつ途中でぶつりと
触腕を切り離し、相手へと飛ばして。そこから角度を変えて触
腕を伸ばして切った触腕で6方向から当てようとし、脚を二本
とも触腕に変えては尻尾の方に死角から当てようとする)
ランダム指名(自分以外) > タマモ [1d6→2=2]
エイブラ > ランダム指名(自分以外) > タマモ [1d6→3=3]
エイブラ > ランダム指名(自分以外) > タマモ [1d6→6=6]
タマモ > 【判定時間短縮の為、一気に回してる方向です、はい】
エイブラ > 【判定短縮の為、相談の上、一気に回させて頂きました】
タマモ > いつもなら、視線を砂時計に向け、時間を確認するのだが…
視界が奪われ、確認が出来ない。
かと言って、時間を頭の中で…とか、そんな余裕、作れる訳も無い。
さて、どれくらい経っているのか…審判員に、任せよう。
現時点で、砂時計は半分に到ったところか。

「ふふんっ、避けるだけに集中すれば、こんなものじゃ。
これはこれで、ちと面倒でもあるがのぅ…?」

視界が見えれば、逆に目眩まし等の手法も取れた。
少女の場合、その方が当て易かったかもしれない、それはあるかもしれないか。
見えないは見えないで、まぁ、他に手はあるのだし、絶対とは言えないのだが。
見えない中、無駄に胸を張りながらも、集中は緩めない。

「さてさて、次はどうしてくれるのか…」

言葉のやり取り、それで僅かに間が空いている間に、吐息を整える。
直線的なものか、間接的なものか、悩める二択。
そんな選択をしている時に聞こえる、男の声。
最後のチャンス、と言う事は…

「………お、おぉ?…もうそれくらいか、油断禁物じゃな…!」

つまり、もう時間が迫っている。
となれば、一気に決着を着けに来るだろう。
ゆっくりと吐息を吐き、すっ、と瞳を閉じる。
ぴくん、ぴくん、と揺れる耳が、向ける角度を幾度か変える。
聴覚に意識を集中、音に敏感となるが、それはつまり、大きな音に対する欠点ともなる手法。

方向を変え、六方向から襲い掛かる触手。
風切る音を捉え、ぐんっ、と身を触手の一本の方角へと一気に詰め寄る。
方向を変えた事で空いた隙間、それを狙い、一本目、続いての二本目、三本目、と次々と回避。
そのまま足元の海水を駆け、受け流しから一転、動き回る回避方法へと移す。
視覚を閉じたからこそ、の行動だ。
………大丈夫、うっかり舞台から落ちるとか、そんなオチはない。

そうなれば、死角を狙う二本の触手も、捉え切れはしないだろう。
少女は、審判員の終了の掛け声を聞き取るまで、動き回り続けた。

そして、待っていた審判員の掛け声。
それを聞き取れば、とんっ、と最後に海水を踏み締め、足を止めた。

「なんとか…終わった、か?」

足を止めた後、そう呟いた。

エイブラ > (触腕を切断しての奇手も交わされてしまい、流石に
これはどうしようもないですね、と肩を竦めて審判員の終了
合図を聞いて)

「お見事でしたよ、タマモ様。本性を曝け出すのは流石に卑怯
かと思ってしませんでしたが、ああも華麗に交わされてしまっ
ては文句のつけようもありませんね」

(思った以上に体術も出来る相手、目を閉じた状態で幻惑を
防ぎ、華麗に舞うように交わす姿はある意味美しいともいえ
て。降参です、というように腕を体内へと戻していき、執事服
を着直していく)

「さて、これで私が敗者になった訳ですが、ペナルティはどう
されますか?私に出来る範囲で宜しければ、出来るだけのこと
をなんでもさせて頂きますが…」

(墨と海水を真水を呼んで洗い流して舞台を綺麗にしていって。
開始の線まで戻りながら、相手へと勝者の権利をどのように
使うかを尋ね、出来る範囲のことならと釘を打ちつつも出来る
だけのことをすると)

タマモ > はふー…深い吐息を吐き、肩の力を抜く。
今回、あの墨のお陰で勝てた、とも言えるかもしれない。
前回の時、視界良好で不意打ちを受けたからだ。

「そうじゃろうそうじゃろう、妾も、ちと本気を出せばこんなものじゃ。
お主も、なかなかに危うい攻撃じゃったぞ?」

ここまで出来るのは、式の一人の指導があったから、なのだが…言わないでおこう。
元の姿へと戻る男に、ひらひらと手を振って応える。
と、砂時計を回収しているところ、続く言葉を聞けば、ふむ、と考える仕草。
相手が男であった場合、面倒で、そのまま帰していた。
だが、今回の相手が相手だけに、それはもったいない気がする。

「そうじゃのぅ…ならば、今日一日の散歩の付き添いと、食事を頼もうか。
この場であれやこれやよりも、そちらの方が良いじゃろう?
どうせ、この試合を見た後、相手なんぞ…来るか?ん?」

扇子を一本仕舞い、もう一本はばさりと広げ、口元を覆いながら、くすくすと笑う。
そして、続く言葉は、審判員に向けられたもの。
実際にこれを見て来る相手、と言うのは考え難いか、審判員も肩を竦める始末だ。

エイブラ > 「初手の墨は霧状態にして舞わせるのではなく、遠慮
なくタマモ様の顔面にかけた方が効果があったかも知れないで
すね。素直に顔面に受けてくれるとは思わないですが。
ふふ、確かに九尾の狐の面目躍如という奴でしたね」

(やはり、色々と残念な面を知っているとはいえ、伝説の九尾
の狐の一人であることに変わりはなく、油断をしていたつもり
はなかったものの、どこかで侮ってしまっていたのだろうかと
反省をして)

「おや、それで宜しければもちろん構わないですよ?散歩の
付添と食事ですね?では、美味しい店を見つけないといけな
いですね。はは、確かにこの後で挑戦するような根性のある
人間はいないでしょうね。では、参りましょうか?」

(手数だけはとにかく多い自分の攻撃を捌ききった相手だけに
それを見た直後に挑戦者は来ないだろう。それくらいには自分
の強さには自負があって。それでは参りましょう、とエスコー
トするように手を差し伸べる。そして相手がその手を取ってく
れれば、闘技場を出て街へと繰り出していった)

タマモ > 「まぁ、やりようの次第じゃろうな。
………ここで、九尾狐がどの程度知れておるか、それが分からんのがあれじゃがのぅ?」

男の言う通り、その方が可能性はあった、と思う。
自慢気に胸を張ったままであるも、続く言葉は、どこか遠い目をして。
前回は、こちらがどこか侮っていたかもしれない、と言うのもあるだろう。
その前回があったからこその、今回の結果、かもしれないが、はっきりと言えないところか。

「うむ、その辺り、お主もここらは詳しくはなっておるじゃろう?
全面的に、お主に任せるのじゃ。
………それでは、賞金は後で取りに来るからのぅ?
相手が居たならば、これで伝えてくれれば良い、すぐ来よう」

男の差し伸べられる手、それを取る前に、審判員に一枚の符を渡し、そう伝える。
そして男の手を取れば、後は言葉の通り、男に任せる方向だ。
終わった試合を後にして、少女は、男に連れられて行くのだろう。

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からエイブラさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からタマモさんが去りました。